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ヤマタノオロチと黄桜「LUCKY SNAKE」

2025年は巳年。ヘビと聞いて思い出すことはいろいろあると思いますが(ないですかね)、いくつか思いついたうちのひとつが「ヤマタノオロチ」。純粋なヘビではなく日本書紀や古事記にも出てくる伝説上の生物です。

ヤマタノオロチは、出雲国の鳥髪という地に住む、8つの頭と8つの尾を持つ生物で、老夫婦の8人の娘を毎年1人ずつ食べていたそうです。最後の1人である櫛名田比売(くしなだひめ)が食べられるというときに現れた須戔鳴尊(すさのおのみこと)に退治されます。

ちなみに、退治したヤマタノオロチの体の中から出てきたのが天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)。これは三種の神器のひとつでもある草薙剣(くさなぎのつるぎ)ともいわれています。ちなみにちなみに、須戔鳴尊と櫛名田比売はその後結婚したとされ、その6代目の子孫が大国主(おおくにぬし)。出雲大社に祀られている、日本を作ったとされる神ですね。

さて、ヤマタノオロチというと、『ドラえもん』に出てくるのび太の疑問も思い出されます。自分だけかもしれませんが。

ドラえもん「いいか、頭が八つだろ、八つのまたに分かれているからヤマタ、わかった!?」
のび太「ヒイフウミイ……おかしいよ。頭が八つならまたは七つだよ。ナナマタノオロチというべきだ」
ドラえもん「昔からヤマタと決まってるの!」
のび太「どうして決まってるの。ね、どうして!?どうして!?」

ドラえもん 第22巻

当時小学生の自分は「確かに!」と思ってしまいました。のび太はたまにこういった視点で物事を見るので侮れません。この機会にのび太の疑問を解決してみようと思います。

まず、ChatGPTに聞いてみました。

のび太の指摘は一見もっともですが、以下のように説明できます。

ヤマタノオロチの「ヤマタ」の解釈
「ヤマタノオロチ」の「ヤマタ」は、古語や伝承において「八股(やまた)」という意味を持っています。「八股」は「八つの分かれた部分」を指しており、必ずしも「八つの頭に対応する七つのまた(股)」を意味しているわけではありません。

頭と股の関係
・頭が八つ
→ 各頭がそれぞれ別の方向に伸びているように見える。
「また」に注目 → 頭が伸びている根元が八方向に分かれている様子を表現している。
したがって、「八つのまた」は「八つの方向に分かれている」という全体像を表現しており、「股が七つである」というような具体的な数の整合性を問題にしていないのです。

結論
伝承や名称における「ヤマタ」は、具体的な股の数ではなく、八方向に広がる印象を示している表現であり、のび太の「七つ」という計算はあくまで論理的な視点からの指摘ですが、古代日本の言語感覚や伝承の命名基準には当てはまらないと言えます。

ほかにもいろいろ調べてみたんですが、ChatGPTと同じ答えが大勢を占めてますね。「ヤマタノオロチ」は漢字で「八岐大蛇」または「八俣大蛇」と書きます。「股」ではなく、分岐の「岐」を使ってますね。これは、二手にわかれることを意味しています。

また、「二股に分かれる」という言い方もありますが、これは「股」という漢字を使っていても、分かれた先が2つということを意味していて、分岐が2つあるということではありません。

なので、「ヤマタ」というのは股が8つあるということではなく、分岐した先の頭が8つあるということのようです。

ということを、黄桜「LUCKY SNAKE」を飲みながらいろいろ調べている2025年の正月です。おいしい。

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富江弘幸|ビールライター
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