もう一つの世界線の僕へ
やほ。
元気してますか?
初日おめでとう。
こっちの僕も本当だったら、今日舞台の初日を迎えてたね。
昨年の7月の「アオアシ 」ぶりだったから半年以上ぶりの舞台だったんだ。
しかも僕が東京で2本目に出演した作品の共演者であるのぶさんと制作の日出子さんに誘っていただいた巡り巡ったご縁で決まった舞台。
8歳〜17、18歳くらいまで1シーンごとに成長していく、鬼と人間の子供っていう難しい役で、試行錯誤しながら苦しんで闘って、でも楽しくて、
改めて“お芝居”に向き合っている幸せな時間だった。
でも、それがある時、急になくなった。
ポカーンと空いてしまったのはスケジュールじゃなくて心だった。
稽古中も日に日に状況が変わっていく世の中と物語の中の時代の変化がリンクして
その時代(戦争のお話)に生きていた人からしたら比べものにならないと思うけど
本当に苦しかった。
改めて“日常”を生きることの大切さ、難しさを思い知らされた。
皆がいまの状況に向き合って先の見えない世の中で生活をしている状態だよ。
それでも時間は流れて行く。
変わらず夜に月が輝いて、朝日に照らされる部屋の中で生きている。
でも、それでも皆自分の掛け替えのない何かを守りながら生きてるよ。
表現に生きている人は改めていま出来る表現のスタイルを模索して実行して
絶えず生きる活力を生み出してる。
すごい時代に生きてるなって思うよ。
エンターテイメントは人と人の繋がりで出来てる。
人と人が繋がって、相手に何を届けてあげよう?って発明家みたいに頭ん中回転させて発信し続ける限り未知のウイルスなんかに負けないエネルギーで満ち溢れてる。
だから、いま僕が生きている世界では舞台に立つことは叶わなかったけど
生きている意味は見失ってはいないよ。
もしかしたらキミは今日、舞台の初日を迎えて
劇場に足を運んでくださているお客様と幸せな時間を過ごしているんだろう。
少しだけ羨ましく、少しだけ悔しく思うよ。
けど、経験値の差はそこにはあまりないと思ってる。
僕は僕で、この世界でこの経験を活かした何かを生み出したいと思ってる。
これは、今後絶対に生きてくると思ってる。
たぶん、こっちの世界で生きてるみんなそう。
映画のような状況の世の中で実際に生き抜いて、いつかやってくるまた平和な世の中でお互い負けずに頑張ってやっていこうな。
エンタメ never die.
さぁ、明日をどう生きようか。
2020.4.8
富田大樹
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