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けいじ→けんし→けんじ

これまで刑事ものってぜんぜん好きじゃなかったけど、星野源だし綾野剛だしいちおう録画しとくか、で見事にハマってしまったMIU404。主題歌は米津玄師「感電」。いつもものすごくいいタイミングで流れてくるから、シーンとセットで「いい曲!」と思っていたのだけど。息子のリクエストでMVを見てみたらこれがもう最高!

作品を好きになると、それを作った人がどんな人なのか知りたくてたまらなくなる。手当たり次第に過去のインタビューなど読んでみたけど、いい。そして本人の書く日記がとにかくいい。

新しいアルバムのリリースとともに全曲サブスク解禁、というナイスタイミングだったこともあり、米津玄師沼にずぶずぶずぶ。米津玄師を招き入れるドアがやっと開いた。開いたら一気に流れ込んできた。そんな感じ。

いままでもそりゃ知ってたし、育休中なんてラジオから流れる「Lemon」を1日に何度も聞く日もあった。いい曲だなとは思ったけど、そのときは「でもなんでこれがこんなに売れるのかな」とも思っていた。やっぱりタイミングってあるんだなあ。

で、先ほどの日記を読んでいたら随所で宮沢賢治を読んでいるのかな?と思うポイントがあって。アルバムにも「カムパネルラ」っていう曲もあるくらいだし(しかもこれ、ジョバンニではなくザネリ視点の曲っていうのがまた)。

気がついてみればわたしの本棚に宮沢賢治は1冊もなく。人生で初めて自発的に宮沢賢治が読みたくなって本屋に走る。いや、実際に走ったのは夫だけど。子どもと絵本を買いに行くというのでついでに。

で、読み始めてみたら。子どものころに教科書で読んだり、親に読んでもらったり、風の又三郎の映画に連れて行ってもらったりしたはずなのにもはやどのお話もいっさい覚えていない。子どもに読み聞かせていたから、カムパネルラが出てくる「銀河鉄道の夜」だけはなんとか。それくらい。今回はちゃんとからだに染み込んでくる感じがある。ちゃんと自分の血とか肉になっている感じがある。宮沢賢治へのドアもここにきてやっと開いたみたい。

米津玄師も宮沢賢治もドアの前までは来てくれていたのに、長い間お待たせしてしまいました。ようこそいらっしゃいました。だいすきです。ドアをあけさせてくれたMIU404にもありがとう。

「その一個、一個、一個、全部がスイッチで。なんだか人生じゃん? 一個、一個大事にしてぇの。」ほんとだねえ。伊吹、大正解。

ドアを開けないまま死ななくてよかった。


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