
土壌改良観察レポートNo.1
こんにちは。ゼロテックファームnote編集部です。
国東のゼロテックファーム田畑の土壌改良観察レポートをお伝えします。
今朝の気温は-1℃、うっすら雪が積もりました。
■観察結果
土ごと発酵を実施してから1週間が経過し、土壌表面にうっすらと菌糸が形成され始めました。写真からも確認できるように、土壌の一部に白い菌糸が広がっており、発酵が順調に進んでいることが伺えます。
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<①B菌+牛ふんの田んぼ>
土の表面の変化は見れません(3枚目の写真)が、比較するために敷いた段ボールの下(2枚目の写真)は、菌糸※白い部分が少し出てきています。



<②B菌のみの田んぼ>
①の田んぼ同様、表面の変化は見られません。
こちらの田んぼも比較するために敷いた段ボールの下(3枚目の写真)は、菌糸※白い部分が少し出てきています。



<③投入なしの田んぼ>
変化なし
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■なぜ菌糸ができるのか?
菌糸は、土壌中の微生物(特に有用なカビや放線菌など)が有機物を分解し、増殖する過程で形成されます。土ごと発酵を行うと、以下のような環境が整い、菌糸の発生が促されます。
有機物の供給
発酵を促すために施した米ぬかやもみ殻などの有機資材が、微生物のエサとなる。適度な水分と温度
微生物の活動に適した水分(50~60%)と温度(25~35℃)が維持されている。好気的な環境
土壌を適度に攪拌し、酸素供給を行うことで、好気性の微生物(放線菌など)が活発に働く。
■菌糸ができるメリットは?
菌糸の発生は、土壌環境が健全であり、微生物が活発に働いている証拠です。菌糸が形成されることによるメリットは以下のとおりです。
病害抑制効果
有用な菌が増殖することで、病原菌の増殖を抑え、作物の病気を防ぐ働きがある。土壌の団粒化促進
菌糸が土壌粒子をつなぐことで、団粒構造が発達し、水はけや通気性が向上する。栄養素の供給と分解促進
微生物が有機物を分解しながら、植物が吸収しやすい形の栄養素(窒素、リン、カリウムなど)を供給する。根張りの促進
土がふかふかになり、根が広がりやすくなるため、作物の生育が良くなる。
■まとめ
土ごと発酵を実施してから1週間で菌糸が発生し始めており、土壌の発酵が順調に進んでいることが確認されました。菌糸の発生は、病害抑制、土壌改良、栄養供給の面で大きなメリットがあり、今後の作物の成長に良い影響を与えると期待されます。
引き続き経過を観察し、土壌の変化を記録していきます!