【日記】 伝えたいことは、これじゃない

誰かと会話している時に、頭の片隅でこう思うことがある。

「伝えたいことは、これじゃない……」

自分が抱いている気持ちや考えを表すには言葉が足りていない、もしくはもっと違う、ふさわしい表現がある気がする。そんな感覚。
でも会話はどんどん流れていくから、いちいち立ち止まっている暇はなく、「これじゃないのに」というモヤモヤが積もっていく。

だから誰かと話し終えると、自分のふがいなさに落ち込むことが多い。
もっとうまく話せるように、思っていることをその場で言葉にできるようになりたい。でもできない。ああ、もどかしい。

それに比べて、文章が進んでいく速度は、僕にとっては心地がいい。
なんか違うと思ったら、いくらでも前に戻ることができるし、言い直すこともできる。納得いくまで推敲を重ねて、ようやく自分の言葉として相手に差し出す。その回り道が、好きだ。
会話や電話なら１分で済むことを、一日かけて悩むことができる。
文章は、めんどくさくて、最高に贅沢な表現方法だと思う。

その豊かさを味わいながら、
今日も時間をかけて、言葉を紡ごう。