【日記】村上春樹さんと西加奈子さんに挟まれて
何気なくTwitterを見ていたら、思わず「はうっ!」と声が漏れた。
原因は紀伊國屋書店厚別店の方のツイートだ。
ちょっと待ってくれ!!!
いや、だいぶ待ってくれ!!!!!!!!!
いったん落ち着こう。
そりゃ、西加奈子さんの「くもをさがす」と、村上春樹さんの「街とその不確かな壁」がランクインしているのはわかる。当然だ。どちらも今年を代表する作品だし、普段から本を読まない人でさえ手に取りたくなる圧倒的なオーラがある。我が家の本棚でもこの2作は燦然と輝きを放っている。
問題は、その2作に挟まれた真ん中だ。
なんか、いるよね?
僕だけに見えている妄想とかではないよね?
2位:「おかげで、死ぬのが楽しみになった」(遠未真幸/サンマ-ク出版)
なぜだ?
どうして僕の本が?
何が起きたんだ?
喜びよりも、ハテナが浮かぶ。
一瞬、自分は札幌市の厚別区出身だっけ? と錯覚してしまう。
いや、ごりごりの埼玉県の和光市出身だ。
縁もゆかりもない厚別で、自分の本が売れている……。
これはどう考えても、僕の力ではない。
この本を届けようと尽力してくださっている方々のおかげだ。
名もなき新人の小説に何かを感じてくださった読者の皆さんのおかげだ。
場所と時を越えて届く。
それが本の魅力。
編集の池田さんとそう話していたことが現実となった。
6年半もの間、東京の片隅でひっそりと書いていた小説が、厚別に届いた。
いや、厚別だけではない。全国各地に届き始めている。
自分にとって特別な街がどんどん増えていく。
本を通じて、これからたくさんの人たちと出会えるのだ。
尊敬する先輩方に挟まれながら、
その幸せをかみしめている。
photo 遠未真幸