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絵本とノスタルジーの話。

絵本で1番好きなのは島田ゆかさんの「バムとケロ」シリーズなトミです。

最近戯曲賞とかシナリオ賞とか調べていた時に絵本にも賞があると知りました。絵本作家になりたいという方がいらっしゃるそうで私はすごく興味を惹かれました。

こないだ友人と絵本を見に行ったんですよ。ぐりとぐらの展示があったもので。それで色んな絵本を見ていたんですけど結構これが面白くて。絵本には絵本なりのセオリーがあってその上に立脚して子供たちを楽しませるアイディアや工夫があるんだと思ってちょっと感動しました。絵本の中にもかなりすごいことを言ってる絵本もあったり子供の頃には気づかなかった先人のメッセージを感じとったりなかなか面白い経験でした。

絵本は語り継がれます。子供の時に好きだった絵本を、その人が親になった時に子供に読ませ、その子供が親になった時にまた………と続いていくのです。理論上は。
しかしながら今は子供も親も減ってきているからまた変わってきそうですけど。
落語も童話も絵本も語り継がれます。それはノスタルジー、今という異郷から故郷を想う懐かしさがそうさせるのかと思っていましたがいえいえそうではないのだと絵本を読んで思いました。絵本にも大切なことがあるんです。ただ「絵」が書かれた「本」じゃないんです。「絵本」は思っているよりずっと強いものなんです。

演劇も似たようなところを思います。どちらも視覚情報がありますしお客を楽しませる工夫がいる。映画の方が近いかもしれないけど映画よりも目に優しい気がします。確定してしまわないから。それがそれとしてあることを決めてしまわないから。映画は確定させることの良さがあると思うんですけどね。絵本と演劇の近さはなんとなく感じます。むき出しな感じとか。

今日、自分で演劇を書いている時にとある一文を書きました。それはある芝居に影響されてのことだったのですが、自然に心から湧き出て書いたその文章に僕はこれからの道筋が見えたような気がしました。10年後にそれを読み返してノスタルジーでなく感動できるものになったならこれ以上ない幸福なんだろうと思います。

バムケロのケロちゃんのパンケーキが焼けるフライパンがあったんですけど繰り返す引っ越しの中でどこに行ったのかわからないんです。小さな頃に母に作ってもらったはいいもののパンケーキは3口食べたら飽きるというのを体感して終わったような気がします。あのケロちゃんのパンケーキ、もう一度食べたいかもしれない。今猛烈にそう思う。これは懐かしさがそうさせるんでしょう。ですが懐かしさも時には人を支える大事なものなのです。ノスタルジーを超えた感動ばかりに目を向けてもなんだか虚しいとばかり思うのです。高尚になろうとすることは小さな幸福から目を逸らして偉大なる功績にばかり目を向けることですから。
なんてね。食べて懐かしい〜ってやりたいだけだよーん。

久しぶりに読もうかなバムケロ。
「バムとケロのさむいあさ」とかめっちゃ好きなんだよね〜後で家の中探そ。ノスタルジーすら関係なくただもう一度読んでみたい。

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