逆噴射小説大賞2024・セルフライナーノーツ、のようなもの。
「逆噴射小説大賞2024」というエキサイティングな賞の存在を知ったのは、10月も半ばを過ぎた頃だった。
その頃はBFC6の応募作品の執筆に苦戦しており、そんな火だるまの私に遥か遠いメキシコから降り注いだ、強烈な一筋の直射日光だった。
小説の冒頭800字以内で面白さを競うというコンセプトは、まさに日頃から冒頭のみを書き続けては捨て、決して完成に至ることはない私の創作スタイル、そして人生そのものであり、私にぴったりな賞だと思った。
思ったからには、即行動。
袖触り合うも多生の縁。
人と人のように、人と賞だって、縁がなければ出逢わない。
そのような浮かれた気持ちで、メキシコの地に足を踏み入れた。
今回応募した作品は『ムレゴリー・チョメザとアラスカの野生犬ぞり隊隊長』と『多武峰のペガサス』の2点である。
普段からこんなものばかり書いているから、こんなものなら正直いくらでも書ける。
仮に目隠しをされようが、手足を拘束されようが、愛するものを人質に取られようが、毛ほども気にしないで書ける。
こんなものばかりをいくらでも書いて、多少の金銭を得て、だれにも特に話題にもされず苦にもされずに、一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ、いつも静かに笑って、それで地味に生きていけるなら生きていきたい。
そういうものに、私はなりたい。
『ムレゴリー・チョメザとアラスカの野生犬ぞり隊隊長』は、股間がサボテンになってたらエキサイティングだろうな!という無邪気かつ安易な発想から生まれた作品である。
“野生の犬ぞり隊隊長”という、サボテンになった股間以上のミステリーを叩き出せた点に於いて、自己採点100点満点である。サボテンのトゲは当然ながらスパイク的な役割りを果たすわけで、ソリとしてはどうなのか、という切実な疑問に対してはファンタジーという魔法をかけたい。
『多武峰のペガサス』は、友人の職場に君臨している天下りババア(これは友人の口の悪さであって私の口の悪さではない)からヒントを得て、天下りババアがペガサスに乗ってたらエキサイティングだろうな!という明確かつ安易な邪気から生まれた作品である。
この後“わし”が“ペガサス三銃士”になるまでの修行の物語りが始まるのだろうか。
つまり今語っている“わし”は、すでに“ペガサス三銃士”なのか。そして彼もまた引退した、天下りジジイなのか……。続きを読ませて欲しい。
以上。作品は、すでに私の手から離れた。
親である私が一緒に歩けるのは、最早ここまでである。
参加者のみなさんのライナーノーツなるものを読んで、私も書いてみたい☺️✨と思い、ふんわりとしたものを書きました。
来年も生きていれば参加したいと思います。🌵