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女子アンプティサッカー練習会開催、日本代表誕生への歩みを着実に

参加選手やスタッフらによる集合写真 筆者撮影

<女性対象>「アンプティサッカー体験会・練習会」が J-SOCIETY FOOTBALL PARK 多摩会場(東京)で8月24日に実施された。今年は女子アンプティサッカーW杯が11月にコロンビアで開催されることが決まり、世界での普及が急速に進んでいる。日本でも今年に入ってから女子選手を集めての活動も本格化し、今回で3回目の集合活動となった。

この活動は、選手の育成に加え、選手発掘の機会ともなっており、そのため体験会と練習会が併設して行われている。練習会だが、まだ選手だけで試合を行う人数に達していないため、今回は、健常者のノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレ(U-15)の選手達がサポートで参加してくれた。さらに、今回の体験会には、障害者女子サッカーの連携を活性化することを目的として、他のカテゴリの練習会に参加する施策が行われ、初めてソーシャルフットボールの女子選手4名が体験会に参加した。

まずはウォーミングアップから。体をほぐした後、サッカーの戦術につながる動作を含む練習を繰り返し行った。

ウォーミングアップしている選手たち
アンプティサッカー選手と合同でアヴェニーレの選手がウォーミングアップを行っているところ 筆者撮影

ウォーミングアップの後は、混成チーム(アンプティサッカー選手と体験会に参加したメンバー:女子サッカー連携施策で来ていたソーシャルフットボール女子選手4名含む)とアヴェニーレチームで、前後半5分づつの試合を行った。

アンプティサッカー(混成)チームは 、久光直美(AC MilanBBee千葉)がフォワード、村山夢和(TSA FC)・新井鐘子(FC-ONE TOP)がミッドフィルダー、西川永利子(INVITES兵庫AFC)がディフェンダーのポジション。GKはソーシャルフットボールチーム トレジャーあいちでゴレイロをしている浅井香名子さんが片手を固定して担当した。

前半は、混成チーム側が素早く久光にパスを送り、ドリブルで持ち込んだ久光がたびたびシュートを放つも、惜しくもゴールならず。逆に後半は、コート中央付近でボールを奪い、相手陣内で上手いパス回しをしたアヴェニーレが、CKからボレーシュートを決めるなどの攻撃のうまさをみせた。最終的に、混成チームが0−5でアヴェニーレに敗れた。

女子アンプティーサッカー選手が体験会に参加した方との混成チームで試合にのぞむ 筆者撮影
アンプティサッカーを知らない人が体験してくれて嬉しい。女の子が小さい頃から同じような境遇の人とスポーツができるなんて羨ましいし、楽しそうな笑顔だったのが嬉しい。久光直美(AC MilanBBee千葉)はアンプティー歴6年目のベテラン 筆者撮影
健常者の人たちとサッカーできてよかった、もっともっとアンプティサッカーが広まってほしい、今年から練習を始めた村山夢和(TSA FC) 筆者撮影
3回目で女子選手と顔見知りとなり会えたことが嬉しい。今日はサッカーの動きが学べたことと、ディフェンス練習ができてよかった。まだボールを追いかけるだけになっているので、周りを見ながらサッカーができるようになりたい。ベテランとしてアンプティサッカーの楽しさを伝えていきたい西川永利子(INVITES兵庫AFC) 筆者撮影
女子プレーヤーと会うたびにレベルが上がっているので楽しい、アンプティサッカーに選手登録して本格的な活動を始めた新井鐘子(FC-ONE TOP) 筆者撮影

サポートで来てくれたアヴェニーレ副キャプテンの児玉咲月さんは「片足しか使えないので蹴るのが難しかった。チームの方々が優しく教えてくれたので最終的にはうまく使えるようになって楽しむことができました。歩く時はちょっと進むって感じ。走るときは けんけんパンみたいな感じで、パンの時につつく感じでやるとうまく走ることができた。クラッチについている輪のところに肘をつけてみると上手く進むことができた」と感想を語った。

女子育成担当のJAFA(日本アンプティサッカー協会)技術委員会半澤真一氏は、「選手たちが回数を重ねて、サッカーの技術としてレベルアップしているように見えた。定期的に集まることに選手達が前向きになっていることがあるのではないか。今日は、新しいちっちゃい選手が来てくれたのがすごく刺激になった。技術的なところは、体の使い方とクラッチ操作について気になる部分もあって、 どのぐらいできるのか見ていた。走りだけではサッカーはできないので、ボールを見ながら、またボールをコントロールしながら体をうまく動かすことがサッカーでは必要になる。クラッチ操作、体の使い方も上手だったので、あとはそれをサッカーにうまく落とし込んでくれたらという印象だった」と手応えを語った。

アンプティサッカー初体験、学校と家との往復もクラッチでやろうかなと、将来の選手候補! 筆者撮影

これからも継続して選手の発掘・練習を行っていくプランがあるそう。まだ伸び代が大きい段階だけにこれからに期待したい。

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