女子アンプティーサッカー練習会 in 大阪 開催、お互いに切磋琢磨して高みを目指す
<女性対象>「アンプティサッカー体験会・練習会」が J-GREEN堺(大阪)で10月19日,20日に実施された。来月に開催される女子アンプティーサッカーW杯には12カ国が出場して熱戦が繰り広げられる予定で、世界におけるアンプティサッカーの認知度もますます高くなっていくであろう。日本も3年後の日本代表誕生を目指し、精力的に集合活動を行っており、今回が5回目となり2日間に渡って行われた。今回の練習会に参加したのは、以下の4名
西川永利子(INVITES兵庫AFC)
久光直美(AC MilanBBee千葉)
新井鐘子(FC-ONE TOP)
齊藤瑠奈(FC-ONE TOP) 初日のみ
初日はサッカーの基礎的なトレーニングとミニゲームが行われた。
2日目は、ゲームによる実践トレーニングが行われた。女子選手だけで試合を行う人数が揃っていないため、健常者の大阪偕星学園高等学校女子サッカー部の選手達がフィールドプレーヤー、ゴレイロのサポートで参加してくれた。
まずは通常のフットサルコートサイズで1チームあたり7名が出場し、前後半各5分のミニゲームを行った。
次にフットサルコート2面を繋げた広いコートで、1チームあたり10人、前後半10分のゲームを行った。
女子選手に、合宿の感想と目標を伺った。
西川永利子(INVITES兵庫AFC):2日間の練習は初めて。自分の癖は自分では分からないので、基礎練でいろいろ指摘してもらい、ありがたかった。今後の練習に活かしていきたい。高校生との練習はポジショニングの良い勉強になったので見習いたい。自分自身のプレーに自信を持ってできるようになりたいのが今の目標。
久光直美(AC MilanBBee千葉):基礎練やゲームがたくさんできたのが良かった。女性とやると落ち着いてできる気がした。長い時間走れるようになっていきたい。
新井鐘子(FC-ONE TOP):2日間連続はなかったので、楽しかった。アンプティサッカーはパラスポーツの中でも全身を使った競技で面白いので、女子選手も増えて、活発になってくれたら嬉しい。元々やっていたサッカーの得意分野、ボールをキープしたりアシストしたりしていたのを活かせていないので、アンプティでも強みを作って、ゲームの中で点に絡んでいくようになりたい。
齊藤瑠奈(FC-ONE TOP):基礎練が固められたのが初心に戻った感じで良かった。チームとしては、それができているのが当たり前なので、ついていくだけで精一杯のところがある。日本はまだW杯に参加できていないので、それに出場することを大きな目標にしていきたい。それまでに試合に通用するような体力とテクニックを身につけていきたい。
サポートで来てくれた大阪偕星のキャプテンは「初めての経験で最初は走るのが難しかったが、途中から慣れてきて楽しくできた。ボールがきた時に、普段は軸足で蹴るが、片足なので、足を浮かせて蹴るタイミングでクラッチを使うと蹴ることができるのが分かった。通常のサッカーはボールがきた時に正面に立つことが大事だが、アンプティではボールの正面に立たないとボールがどこかに行ってしまうので、その位置どりが今後活かせると感じた」と感想を語った。
女子育成担当のJAFA(日本アンプティサッカー協会)技術委員会半澤真一氏は、「技術的にレベルアップしている。初日の基礎練習は選手からの要望で、アンプティサッカーならではのクラッチを使った基礎練習をみっちりできたのは良かった。ゴールキーパーはまだ不在だが、フィールドプレーヤーは年齢問わずで体験会に参加してくれた人が継続してくれれば人数が揃ってきた。日本代表ができるところまで後一歩のところまで来ている。今は夢だけど、世界のチームと練習試合することが現実になるかもしれない。そのためには、地方をめぐる練習会を地道に行ったり、そこに参加してくれた人たちが”やってみたい続けてみたい”と思った時に続けてもらうためのフォローをしたり、地元のチームとの連携をしたりすることが重要だと思っている。日本代表誕生は目の前に迫ってきているので、今回のような練習活動を通じたコミュニティーを広めていくことも有意義だと感じている。最高顧問のセルジオ越後さんも言われていたように、日本での立ち上げであの人数から初めて、人のつながりが広がっていって今に至ったように、女子でも展開していきたい」と語った。
練習会・体験会を重ねることにより、選手の人数も増えつつある。女子アンプティサッカー選手だけで試合ができる日がくるのも近いのかもしれない。地道な育成・普及活動をこれからも応援していきたい。