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世界選手権への初参加目指す日本代表選手が参戦、第二回全国車いすハンドボール大会「Knockuカップ」

参加選手やスタッフらによる集合写真 筆者撮影

第2回全国車いすハンドボール大会knocku(のっきゅー)カップ (一般社団法人knocku主催)が新宿コズミックセンターで7月28日、開催された。

一般社団法人knockuは、年齢や性別、競技志向性、障害の有無に関わらず、多様な人々がスポーツで楽しく競い合う機会や、パラスポーツの観戦機会を通じて、地域住民がパラスポーツに親しむきっかけと、障害者と健常者が互いに関わり合うきっかけをつくることを目的に、車いすハンドボールの競技大会である「Knockuカップ」を昨年から開催している(昨年の記事はこちら)。knockuは去年4月から関東での車いすハンドボールの活動を本格的に始めたが、日本選手権で優勝するなど目覚ましい活躍を遂げている。

車いすハンドボールは、1993年にドイツで初の試合が、その後2006年ヨーロッパハンドボール連盟(EHF)ユースハンドボール大会で初の公式戦が行われた。世界ハンドボール連盟(IHF)は2020年ルール統一化について周知を行うなど世界展開の機運を高めている。2022年エジプトで第1回(4人制)、ポルトガルで第2回(6人制)、2024年第3回エジプト(4人制)世界選手権大会の開催により、2032年ブリスベンパラリンピックからの採択を目指している競技である。国内では約20チームが活動している。

今年は日本が初めて世界選手権にチャレンジすることもあり、今大会においては競技志向でレベルアップをはかるメンバーがエントリーできるチャレンジカップに日本代表選手候補が参加した。「日本代表が試合に出るとレベルが高くなるので、チャレンジカップに出てくれたのは非常にありがたい。選手も多くの観客に見てもらったり、ファンを作る機会があまりないので、こういう場で活躍することは良いと思う」一般社団法人knocku代表理事の岡田美優氏は語る。

チャレンジカップ決勝戦(KnockuSC新宿A vs KnockuSC新宿B)

4チームがエントリーしたチャレンジカップ。チーム東北、チーム北陸の混成チームを破り、決勝に進んだKnockuSC新宿AとKnockuSC新宿Bの試合、日本代表候補5名(諸岡晋之助/森谷幸生/永田裕幸/小貫怜央/伊藤優也 )が参加して行われた。試合のルールは、4人制で1セット10分の2セット制という世界選手権と同様の国際ルールが適用された。

KnockuSC新宿B 森谷幸生(左 背番号3)がシュートを狙う 筆者撮影
KnockuSC新宿A 諸岡晋之助(中央 背番号10)が相手ゴールに迫っていく 筆者撮影

去年の日本選手権で優勝し、周囲から注目を集めるようになったKnockuSC新宿。「普段一緒に練習している仲間で去年よりも着実に全体的にレベルアップして試合ができた」と森谷がいう通り、お互いに点を取り合い、一歩も引かない試合展開を見せた。しかし、「力のある選手にシュートを打たれないようにという作戦で臨んだ」という諸岡属する新宿Aが、じわじわと突き放し、1セット(10−6)、2セット(8−6)と2セットを先取し、優勝を手にした。

来年に向けてパワーアップ、普及活動はこれからも

今年からは、会場にDJや音楽も流して、より楽しく盛り上がる雰囲気を作った。さらにライブ・映像配信(決勝戦アーカイブ)も開始して、会場に来られない方にも車いすハンドボールの魅力を伝える取り組みも行った。来年もよりスケールアップしていきたいというknochuの岡田美優代表理事。これまで取り組んできた普及活動についても「knochuは千葉と新宿の2拠点で活動を行っている。競技レベルの高い人も初心者もこれから始めるという方もいるチーム。ちょっとでも興味を持った方がいれば見学に来て体験してほしい」と語った。

世界選手権への意気込み

第3回 IHF Wheelchair Handball World Championshipが9月16日(月)から21日(土)に8カ国が参加してエジプト・カイロで開催される。先日グループの組み分けが行われ、グループA ブラジル・日本・フランス・アメリカ、グループB エジプト・インド・ポルトガル・チリとなった。 日本代表候補である森谷は「参加して優勝することにフォーカスをおいている。全力でチャレンジして世界にインパクトを与えてきたい。そのためには個人レベルで相手を突破して打開するだけではなく、チームの戦略戦術を全員で共有してそれを徹底してできる組織力の強いチームになること」と語った。同じく諸岡も「海外のチームについて映像で見ているが、日本のレベルもそれなりに高いと思う。上位を目指していきたい」と抱負を述べた。派遣に必要な費用も、クラウドファンディングが400万円の目標金額に達したところだ。応援してくれた方の思いを受けとめ、選手・スタッフ一丸となってエジプトで日本の実力を存分に発揮することを願っている。

(校正)佐々木延江


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