WBスーパーリーグ第5戦で得たものとは?〜天皇杯に向けた前哨戦 及川HC・鳥海インタビュー〜
12月8日にWBスーパーリーグ第5戦が、市川市スポーツセンター内 国府台市民体育館 (市川市)で開催された。NO EXCUSEと神奈川VANGUARDSとの対戦は、67−49で神奈川VANGUARDSが勝利した。
WBスーパーリーグは、今年から始まったリーグで、関東・東京リーグの上位5チーム、神奈川VANGUARDS/COOLS/埼玉ライオンズ/千葉ホークス/NOEXCUSEが参加して、全10試合が行われる。第4戦までで8試合が行われた結果、第5戦はNOEXCUSEが3戦全勝、神奈川VANGUARDSが2戦全勝で当たることになった。本稿では試合模様に引き続き、NO EXCUSE 及川晋平HCと神奈川VANGUARDS 鳥海連志インタビューを伝える。
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試合模様
最初にシュートを決めたのは、NO EXCUSE香西宏昭(背番号55)。続いて橘 貴啓(背番号91)、朏秀雄(背番号41)がそれぞれ2連続シュートを決め、10−0と勢いよくスタートした。神奈川VANGUARDSは髙柗義伸(背番号4)へのパスが乱れ、なかなかシュートに持ち込めない。ようやく髙柗が1本を決めるが、すぐさま香西のシュートで離される。第1ピリオドは14−8でNO EXCUSEがリード。
第2ピリオドは、NO EXCUSEは香西を下げた布陣で臨んだ。怪我などでベストメンバーが組めない中でのフォーメーションチェンジだったが、神奈川VANGUARDSに攻撃のチャンスを与えることになってしまった。古澤拓也(背番号7)がスリーポイントシュートで口火を切ると、髙柗も続き、早くも20−14とリード。香西が戻るも、26−18で神奈川VANGUARDSが前半をリードで終える。
第3ピリオドの立ち上がりは、鳥海連志(背番号2)のシュートから。フリースローも2本決め、前半の良い流れを上手く持ち込んだ。朏に決められるも、神奈川VANGUARDSは丸山弘毅(背番号5)と鳥海がディフェンスをかいくぐりシュートを決め、NO EXCUSEとの点差をじりじり広げていき、48−35で最終エンドへ。
第4ピリオドは、パスが繋がるようになった神奈川VANGUARDSが髙柗にボールを集め、得点を稼ぐのに対し、NO EXCUSEは香西が技を活かした攻めで応酬。しかし、フリースロー2回含め、8回のシュートを決めた髙柗の勢いもあり、最後は67−49で神奈川VANGUARDSが勝利した。
NO EXCUSE 及川晋平HCインタビュー
今日の試合について
何度も日本一になっている神奈川VANGUARDSとこういう試合がまずできたことが、選手たち、チームにとっても、天皇杯優勝に向けてたくさんの収穫があったと思う。
怪我をしている選手やリカバリ中の選手がいて、勝ち負けだけに振り切って選手を使うことができない状況だったので、どうしてもゲームの流れとは違う意図でゲーム時間を使わないといけなかったので、自分たちの120パーセントが出しきれなかった。とはいえ、ベンチにいるプレイヤーが神奈川VANGUARDSに対して試すということにも時間を割けたのは良かった。しかし上手くやれてない部分とかは徹底的に突かれた。ゲーム自体は噛み合ってるところもあったが、香西があそこまでやらないとやっぱりゲームについていけないところは、まだまだ力不足だ。
今日の試合は日本選手権に向けて、いろんな課題が明らかになった。それをはっきりさせるのが目的でもあった。あと1ヶ月半後の天皇杯では、怪我の選手もカムバックしてチーム120パーセント出せる状況になったら、ほんとにいい勝負になるだろう。
WBスーパーリーグについて
このリーグ戦は良いチームと試合ができたので、チーム作りにもすごく役に立った。天皇杯で神奈川VANGUARDSにボロ負けしたものの、そこからチームがしっかり立て直って3勝でき、埼玉や千葉に勝ったということは、チームは一段と強くなってる証だ。何しろファンの皆さんが集まってくれて、すごい盛り上げてくれたのが、今までにないゲームだったと思って感謝している。
応援してくださるファンの方に
応援の皆さんの力なしではチームは勝てない。天皇杯優勝に向けてファンの方々も大事なチームの一員なので、 一緒に応援して天皇杯優勝を目指したい。皆さんが大きな声で応援していることはチームのその支えになっている。
神奈川VANGUARDS 鳥海連志インタビュー
今日の試合について
勝利したものの、試合前半はいい内容ではなかった。とはいえ、ゲームのスタートがうまくいかないとしても勝ち切る自力はついてると思った。1人1人のパフォーマンス、スキルは僕も自信があるが、チームメイトに関しても信頼できたので、今日はリスペクトする時間が多い試合だった。
第1ピリオドがうまくいかなかった理由は、僕がフラストレーションが溜まって、そのプレーに集中できていなかったことやパッシングがうまくいかないことを含めて力強く入りきれなかったことにある。第2ピリオドからは、スリーポイントだったり、レイアップだったり、僕たちがやりたいバスケットをやれたからこそ、相手はタイムアウトを取らざるを得なかったし、流れをしっかりと掴み切れた。そこからは、僕たちの流れを崩すことはなかったので、そこがポイントだったと思う。
応援に詰めかけた観客について
このリーグも数を重ねるごとに、選手もそうですし、ファンの方たちも、どうホーム&アウェイを楽しむかというところを、一緒に成長している。例えば、今まではなかったブーイングがあるとか、よりスポーツらしい部分がきたなっていうのを感じる。
WBスーパーリーグについて
神奈川VANGUARDSはここ数年、日本のチャンピオンになっているが、チャンピオンになると試合数が少ないのが難しい問題。シード権を利用して天皇杯に出ると、その分試合数が少ない。このリーグができてやはり4試合分増えるだけでも選手にとってはモチベーションが上がるし、しっかりとパフォーマンスを出せる。課題を持って日頃の練習に取り組めるのは、このリーグができた良さだと思う。
最終戦に向けての抱負を
埼玉ライオンズとは練習に参加させてもらいながら、全部お互いに知った上で、戦うので、手の内を出し合いながら、その日のコンディションをどう上げるかというのと、しっかりと先読みができるかがポイント。しっかりと僕たちのバスケットをして、全勝優勝したい。
WBスーパーリーグ最終戦は、年明け1月5日、小田原アリーナで開催される神奈川VANGUARDS vs 埼玉ライオンズの決戦。鳥海のいうお互いの手の内を知り尽くしたチームだからこその熱戦がみられるに違いない。