４、ファーイースティン 【fureasteen】「Bull & Gate 2231」

『Bull&Gate 2231』（ 2231年の暑い夏ロンドンにて）

『４、ファーイースティン 【fureasteen】「Bull & Gate 2231」 』

ステージ前は広々としていた。ドット柄のワンピースをきた少女がひとり立っていた。
モーツァルト電子交響楽の音が小さくなっていき、
しばらくして演者の3人が、そのテーブルを囲むように座った。
長身の男性と黒髪の女性、そして髪の長い青年の３人。
ゆっくりと座って、長髪の男がパネルのスイッチを入れると、
低い電子ベース音がうねりを上げながらスピーカーから流れ出てきた。

　彼らは３人とも小さいテーブルにキーボードやその他の電子楽器を無造作に置いていた。
めちゃくちゃにつないであるケーブルがそれぞれのジャンクな機械につながれていた。
　女性演者が奏でているであろう電子銅羅の低い音が重なった。
軽い金属の鍵盤打楽器がボロンと葉っぱからこぼれる水滴のように打ち続き、心地良さが耳を覆った。
先程までのバーで臭っていた魚臭い空気は去り、
葉緑が刻まれた新鮮な空気あたりが流れはじめた。


　演奏が続くに連れて、スクリーン上に眩いばかりの光が飛び込んできて、
全体の音を加速させているようだった。
白い光りの中にプリズムが当たって、7色の光線がカーブを描いて観客席に突っ込んできた。
音楽も大きなシンバル音と共に、硬いドラムがミニマムなリズムを刻みはじめた。


　スクリーンに大きな文字で【fureasteen : kashiotelemusik】というタイトルが浮かんでは消えた。

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『４、ファーイースティン 【fureasteen】「Bull & Gate 2231」 』

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