ファンファン物語 第2章 「ヤサイ星団の記憶(前半)」【1節から5節】の4と5
ファンファン物語2 【登場人物】
パンダ族
ファンファン
おかあさん (リーファン)
おあとうさん(タリシェン)
ヤサイ星人
ブロッコリー星
ロマ王子
ブロッコリー・ヘレン
ダイコン星人
にんじん星
キャロライン
アンクルフリン
<第39代にんじん星大統領フリン・ランドルフ・マサカド・ゲントレーレ大統領>
ブタ族
ピギー園長
ブタあたまの工場長【ヤン・ガオルー】
ブタに飼われたサル・アイゴール
しゃべることを覚えたお猿さん
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4節 ヤサイ星団からの使者
また、同じオリの中に、そして今度はもっと大きいくさりをつけられたファンファンはロマ王子のことを心配しました。
「あー、ロマ王子は連れて行かれてしまって、どこにいるんだろう!」
そんな風につぶやきながらファンファンは、部屋の上窓を見あげます。
その上窓からは、まんまるいお月様がみえていました。
そんなまんまるいお月様をみていると、
そのお月様がキャロラインのまんまるい目に見えてきました。
「あー、キャロラインはどうしているのかな? また、会いたいな~。」
そんな風に独り言とためいきをついていると、
コンコンコンとオリの縁をたたく音がしました。
「あのー、さっきからの独り言をきいていたのですけど。
あなたはロマ王子のことを知っているの?」
そこに、白いけどロマ王子みたいなブロッコリーの女の子が立っていました。
「えっ!?」ファンファンはおどろいて、その少女に話しかけました。
「君は誰?ロマ王子のようなあたまだけど、真っ白だね!」
「私は、ロマ王子のおさななじみカリフラワー族のヘレンよ!」
と小さな少女は答えます。
「どうやって、ここに入ったんだい!
ドアは頑丈にしまっているだろ?」とファンファンが訪ねます。
「ここの部屋についているエサを配給するホールから入ってきたの。」
「私はひとりではなくて、
今、私のおじさんであるヤサイ星団連合軍のミリタリーたちがこの動物園をかこんでいるワ!」
「そうかい、ボクは突然、この時代にあらわれて、
なぜか閉じ込められて、ロマ王子といっしょになって、
脱出しようとしたんだけど、結局、あのブタ園長に捕まってしまったんだ。」
ファンファンはくやしそうにいいます。
「ロマ王子は連れ去られてしまったんだよ、
ヘレン。早く助け出さないと、ゆで風呂にいれられて、
あいつらのテーブルの上に乗ってしまうよ!」
「ファンファン」とヘレンは落ち着いていいます。
「わかっているワ、すぐにここを出して、
いっしょにロマ王子を探し出したいけど、その前に私には大事なミッションがあるの!」
「それは、ここの動物園の動物たちに言葉をしゃべれるようになる能力をあたえて解放してあげなければならないのよ!」というと、ヘレンは、黄色おサルのオリの前に歩き出しました。オリの前にくるとヘレンは両うでを高く上にあげてサルの方に何か言っています。
「…SHAベリーナ、KOTOバーナ、コパカバーナ、パンポコパン!…」何回か繰りかえすと、
オリの中にいた黄色おサルは、大きいしゃっくりをしました。
「ヒィコップ、プップップリプリプリリ」
と・・・サルは咳き込んだかと思うのと急に言葉をしゃべりはじめました。
「ひぃひぃー、お・・・お、おいら・・・なんかおかしいナ。」
「ヒィヒィ、おまえらのことばわかる・・・わかるよ、
しゃべれるよ!しゃべれるよ!あれあれ」サルは驚きながら言葉を話し始めました。
ファンファンも驚いて、ヘレンに声をかけます。
「すごい!おサルさんがしゃべれるようになっている!」
ヘレンはやさしくファンファンにいいます。
「むこうのオリでもライオンとトラがしゃべりはじめたの」
「後は、違う場所にいるゾウに言葉を教えたら、私のミッションは終わり。
ここにまた、すぐ戻ってくるからね」といって、
ヘレンはえさのホールに入って消えていきました。
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「ねえ、サルさん。聞いている」
「どうして、サルさんはここにきたの?」
ファンファンがといかけるとサルはオドオドしながらもはなしはじめました。
「自分はアフリカ国立平和公園にあるジャングルでパパとママと平和にくらしていたんだ。
ある日の午後、ハンターたちが僕らの村にきて、
みんなをつれていった。ハンターの中にはあのブタあたまの一族もいたよ!
その後、大きい船に運ばれて、海を出た。
最初は小さいオリの中でパパとママもいっしょだったんだけど
船をおりた後、ボクはこのオリに入れられた。
パパとママは別々のところに運ばれていったんだ!」
「パパは、やつらに殺されたに違いない。
だって、船の中でいつだって悪いよっぱらいの船員に棒切れでつつかれていたんだから!」
「あーーパパ、ママどこへいってしまったんだ・・・」
サルはエンエンと泣き始めました。
「サルさん、かわいそうに。
ヤサイ星団の軍隊がここにきて、今にやつらをやっつけてくれるよ。」
でも、こうやってオリの中にじっとしているのがファンファンにはたまらなくイヤでした。
ファンファンは、エサ場のホールから笹の枝が伸びているのを見ました。
ファンファンはその枝に手を伸ばして、とりました。
「よし!」
「サルさん、ボクにいい考えがあるよ。この枝を受け取って、ボクのオリの上の方にある非常ボタンを押してくれよ」とファンファンは、その枝をサルさんに渡しました。
「ブフフふー、チミはなんでこのカプセルに入ってるか、わかるかーいブひ」
ブタあたまのピギー園長は、小さいカプセルにいれたロマ王子に向かっていいます。
「このカプセルはねー、こっちのケーブルにつながってのねブフ」
「んでもって、ケーブルからちょっとしたピリピリって電流がながれるでしょ」
「んで、君が変な汗とかかくでしょ・・・
そうするとその下にあるところに機械が汗をすいとって・・・」
「ブフィフィ、よーくわかんないけど、その汗がすごいお金になるんだって~ブフフ、
そしたらたくさんのエビチリをたらふくたべられんじゃん!」
「ブフフ、たのしいなったら、たのしいなー」
ピギー園長は、ひとりおどりはじめました。
その脇でアイゴールが薄きみわるい声でわらいはじめました。
「キヒヒ、ピギー園長、早くやりましょうよ。
わたしたちは大金もちになれるんでしょ~キぃひぃひぃ~」
ロマ王子はカプセルの中から必死にもがきながら叫びます。
「お前ら、こんなことしてヤサイ星団連合軍が放っておかないぞ~!
おい、ボクのパパとママをどこへやった!!!」
すずしい顔で鼻をならしながらピギー園長がいいます。
「チミー知っているかい。ブロッコリーには、豊富なビタミンB、ビタミンC、カロテン、鉄分を含んでいるんだブフ! 特にビタミンBは豊富なんだよ!」
「インスタント食品とかたべていると、肩こり、口内炎、仕事や勉強に集中できないんだよ!
アルゴールなんか、いつもへんなお菓子ばっかりたべてるだろ。違うかい?」
とアルゴールは頭をかきながらピギー園長を見上げます。
「ブフフんで、同じように豚肉にもビタミンBが多くはいってるんだ。僕たちは人間族に仲間のブタたちを食べられるのがイヤなんだよ!」
ピギー園長は、右手にはめている金色の指輪をまわしながらロマ王子にむかってはなします。
「そう、チミたちブロッコリーやヤサイを人工的な野菜工場で大量生産すれば、ブタ族は生きながらえることができるわけブフ。ケミカルな肥料をつかった野菜工場をいっぱい作ったんだけど、なかなかうまくいかなくてねー」
「わいらのボスは、ある日、違う惑星からきた君たちの仲間と出会って、間違ってたべちゃったわけブフ、美味しくいただいたみたいだブフ」ピギー園長は、アルゴールに小さいピーナッツのもののような食べ物を受け取りながらいいました。
「そしたら、チミ、ボスはチミたちの体に不思議な力があることを発見したんだ!」
「チミたちヤサイ星団の宇宙人と地球のヤサイはつながっていて、チミたちのエキスで
地球のヤサイは倍以上に増えていくんだブフ!」
は、ピギー園長は続けます。
「そして、ボスはいろいろなヤサイ星団の人たちを招待して、とらえてエキスを吸い上げて大量のヤサイをつくっただブフフ」
そこまでおとなしく聞いていたロマ王子が、カプセルをはげしくゆさぶりました。
「ブフフ、ヤサイを全国にばらまいたんだよ。最初はね。そして、みんながビタミンをヤサイからしか、とらなくなったのを見計らって、ヤサイを高い値段でうったんだブフフ」
「よーく売れたよー、いまでも 動物性たんぱく質をまったくとらなくなった人類や動物たちは、ブタ族の野菜工場から高い値段で飼い続けているよ、ブヒィヒー!」
ロマ王子は耐えられなくなって、ぐたっと横になってしまいました。
その時です、けたたまくサイレンがなりはじめました。
ウィーーーーーンンウィーンンンーーーーン!
ピギー園長は驚いて小さい耳をふさぎます。
「わわわ、ブッヒヒヒ~、なんだこりゃ」
アイゴールはあわてふためき、頭をおさえて地を這っています。
「おい、アイゴール!おい、何やってんだ!
いつものサイレンと違う音だぞ!早く外の様子見てこいやー!」
アイゴールが外を見に行こうとドアをあけた瞬間、ライオンが飛び込んできました!
『ガォーーーー』
ライオンは、アイゴールを太い前足で踏みつけました。
「やややや、んあなな、ぶぶぶぶブ!」
ピギー園長は、声にならない音を発しながら
反対側のドアに向かいました。
ライオンのうしろから、フクロウが飛んできました!
フクロウは、ピギー園長がかぶっていたとんがり帽子を落としました。
ピギー園長はドアをバタンとしめて、
ドアの向こうに消えました。
ファンファンは、
そのうしろからエア・スクーターに例の黄色おサルをのせていっしょに登場しました。
「ロマ王子!」
ファンファンはカプセルにとじこめられたロマ王子を見つけて、
カプセルからロマ王子をとりだしました。ロマ王子がぐったりと横になっていました。
「しっかりして、ロマ王子!」
とファンファンが声をかけるとロマ王子は小さい目をようやくあけました。
「あー、ファンファン・・・きてくれたんだね・・・ありがとう」
ファンファンは、ロマ王子を抱きかかえて、黄色おサルに渡しました。
「ボクは、ロマ王子のパパとママを探してくる!
おサルさんは、ここでロマ王子を守ってて!」
ファンファンはエア・スケーターにのって、
ピギー園長が出て行ったドアの向こうに消えていきます。
エア・スケーターごとドアを何枚もやぶって、ファンファンは動物園の中心にある小さい塔の前にでてきました。 固いドアはすでに空いていて、
ファンファンはエア・スケーターごとバーンと塔の中に入っていきました。
すぐに広い研究室のような部屋を見つけました。そこにが魔法使いがつかっているような大きい鍋や薬瓶、大きいカプセルなどに漬け物にされたヤサイや動物がいっぱいありました。
「やい、ぶたあたま、ピギーッ! どこにいる!
もう逃げられないぞ。ロマのパパとママをかえせ!」フ
ァンファンがエア・スクーターにのりながら叫ぶと、そこに黒く鋼鉄のヨロイをき
「ブフォォフォォ!パンダやろう!
ワイはおまえなんかには負けへんのやブフフ!」
ヨロイと共に、右腕に長いヤリのようなものをもっていて、そのヤリをファンファンの方に向けています。 ピギー園長の後ろには、いろいろなヤサイ…いやロマ王子のパパやママらしきブロッコリーやナス、キャベツがカプセルの中に入っていました。
外では台風がやってくるように空にはあつい雲がおおって、カミナリが落ちてきました。
<ゴロゴロゴロッ! >ひとすじの光がその塔をうちました。
ファンファンは、エア・スクーターのエンジンを目いっぱいにして、飛び出していきました。
ファンファンを串刺しにしてやろうとピギー園長は長くて黒いヤリをかまえていました。
ものすごい勢いでエア・スクーターを走らせて、
もう少しでピギー園長のかまえるヤリにひとつきされる瞬間に、ファンファンはエア・スクーターから飛び降り、エア・スクーターはピギー園長にぶつかっていきました。
<バーーーーンン!!! >
大きい音がして、白いけむりが立ちこめました。
ファンファンは、飛び降りた場所からピギー園長をみました。
しかし、ピギー園長は、少しお腹をポンポンとたたき、何ともないように立っていました。
「ブフフ、チミ~、ワテのお腹にはいっぱいお肉がつまってるんよ!こんなものじゃビクともせんのっじゃわブフフ!」
堂々とたっているピギー園長を見て、悔しそうにファンファンがいいます。
「なんてやつだ。お肉がパンパンでエア・スクーターにもびくともしないなんて!」
そのときです、後ろのドアからさっきファンファンのオリに現れたヘレンが、大勢のヤサイたちをひきつれてやってきました。 キュウリ・ナス・ピーマン・トマト・ソラマメ・セロリ・キャベツ・レタス・タマネギ・アスパラガス・ダイコン・ジャガイモ・ハクサイ・カブ・ピーマン・カボチャなどなどなどヤサイ星団の連合軍が製ぞろいです。
それこそ、ここで八百屋さんをやってもいいぐらいです。
「ヘレン!」ファンファンはうれしくなって、つい叫ぶました。
「ファンファン、ここはわたしたちにまかせて!」ヘレンは、かわいいカリフラワーのあたまにちょこんとヘルメットをかぶっています。
「な、なんなんねん、チミたちは!」
「このヤリで串刺しにして、やさいバーベキューにしてやる!」ピギー園長が黒いヤリをヘレンたちにむけて振り回し始めました。
ヘレンは落ち着いて、背中にしょっていた七色に光るスティックをぬきました。
そして、くちびるにつけると音楽をかなではじました。
「あっ、キャロラインとおなじフルーティ・フルートだ!」
ファンファンがさけぶと、ヘレンは軽やかに演奏をはじめました。 その音色は、本当に軽やかで美しく宙にうかび、星のカーテンをつくっていきました。
「わっ、なんじゃこんなもん!」ピギー園長はヤリでその星のカーテンをとりのぞこうとしますが、星のカーテンはびくともしません。
ヘレンがその小さいからだからものすごく大きい声をだします。
「あんたー、許さないからね!ヤサイ星団のかみさまが許してといっても、わたしたちヤサイ星団のみんなは、許さないのよぉ!」
ヘレンは、フルートについている星のカーテンを振り落とすようにピギー園長になげつけました。 星のカーテンはゆっくりと大きな帯になっていきます。
ぐるぐるとピギー園長のあたまの上をまわりはじめました。
そして、ゆっくり落ちていきピギー園長にからみつきます。
「あーーキレイだねー、これ、おいしそうじゃない?」
「たべていいかなブフ」といって、帯のカーテンをまるで綿あめのようにすくいはじめました。すると帯はぐるるまきにして、ピギー園長をしめつけていきます。
「わー、な、ななんだ、あーやめてーーーしぼりこまれてくーーやだやだやだ!!!」
星の帯は、いろいろな色に輝きながらからまって、ピギー園長を石のようにかたくしてしまいました。
「ぐぷぷふうううー」ピギー園長は春巻きみたいにぐるりとまかれてゴロンと横になってしまいました。
5節 エンディング
本当に鼻水もたらしてみっともないピギー園長にファンファンたちが近づきます。
「さー、ロマ王子のパパとママがどこにいるか、教えるんだ!」
ピギー園長は声にならない声で「むこぉー」
と塔の反対側の小屋を指差します。
その時、その小屋から体格の良いダイコン星人の2人が、
タンカでブロッコリー星人を運んできました。ダイコン星人は、こちらに気づいて向かってきます。
ゆっくりと近づいてきたタンカの上のブロッコリー星人は、
ファンファンたちの前でとまりました。ヘレンは深々と頭を下げて
「Your Majestyお元気でなによりです!よかった、よかった」
そのブロッコリー星人2人は、小さい声でヘレンに答えます。
「ありがとう、ヘレン。 私たちはブタたちにとらわれて小さいカプセルにとじこめられて・・・
そう、おまえはロマ王子を見たかい。あーロマ王子・・・」と悲痛な声をあげたとき、
ファンファンは元気な声で2人にいいました。
「ロマ王子は無事です。ぼくたちはこの動物園のオリで出会いました。黄色いサルのともだちが今、ロマ王子を守っています!」とファンファンがいうと、黄色いおサルに抱かれたロマ王子が反対側で叫んでいるのが聞こえてきます。
「パパッ! ママ!!パパ、ママ!!!あー無事でよかった!」
そして、タンカの上のロマのパパとママは弱々しくゆっくりと手をふって答えています!
ヘレンとファンファンは、ロマ王子のところへかけよっていきました。
「おとうさまたちは、本当に限界ギリギリまでエキスをとらえてひどい目にあっていたみたい!これから病院に運びます。」とヘレンがロマ王子に頭をさげたまましゃべります。
「ロマ王子も衰弱しているでしょ、いっしょに病院へいってください」と言った。
ロマ王子はファンファンが気になってタンカの上からヘレンに答える。
「ヘレン聞いてくれ、このファンファンはタイムスリッパでこの時代にたどりついたらしいんだ!そして、にんじん星のフリン大統領やファーイスティン博士の娘さんを知っているようだ!」「君がもう少し詳しい話をきいてくれ! 悪の首領ヤンガオルーと一回たたかったこともあって。」
そして、ロマ王子はしわしわになった手をファンファンにむけました。
「ファンファン、君がどうやってこの時代にきたのか、そして、どうやったら戻
れるのかを、このヘレンといっしょに見つけてくれ!」
「ボクはすぐによくなって君とまた会えることを楽しみにしているよ!」
ロマ王子はそのシワシワの手でがっちりと握手をしました。
「わかったよ、ロマ王子! ボクは君を待っているよ!」
ロマ王子たちは、ダイコンやキュウリたちにかつがれて病院へと向かいました。
ファンファンは、多くの動物たちが自分たちの言葉で
しゃべているのをはじめてききました。
怒っているものもいれば、地球ではなくヤサイ星団につれていけというものもいます。
「ヘレン、きみたちのミッションである動物たちに言
語をしゃべらせる能力をあたえた後でいは、この地球の動物たちはどうなるんだい!」
「みんな自分の種族を守る為にたたかいをおこすんじゃないかい?」
ファンファンがヘレンに言うとヘレンが静かに答えます。
「ファンファン、わたしたちの今回のミッションは、ヤサイ星団の議会で決まったことなの!
それは、ファーイースティン博士をはじめたとした古代考古学学会と科学省などの機関が総力をあげて研究した結果なのよ」
「ヤサイ星団の言い伝えに『“黒いブタ”がはびこる頃、ヤサイは立ち上がらなければならない!』」があるの。
その”黒いブタ”というのは、この動物園も支援しているA.A.G.C協会(All Animal Goes to Cage “すべてのケモノをオリに入れろ”)であることをつきつめた博士たちの研究結果によって、
我々はA.A.G.Cが経営している動物園やサーカスを一斉に攻撃することになったの。
もちろん、その場所の破壊だけでなくて、二度と、動物たちがオリの中にいれられることがないようにしなくてはならなかったのよ!」
ファンファンはヘレンの言っていることかみしめてきいていました。
「そうか、この間にやっつけたヤンガオルーのヤサイ工場にもA.A.G.Cの看板があったのを今、思い出したよ!」
「でも不思議だね~、しゃべることのできなかった動物たちに、そんなことがおこるなんて!」
「そう、ファンファン。 私たちがテレパシーで地球のヤサイにつながっているように、動物たちにテレパシーを送って、動物のしゃべる能力をひきだしてあげたのよ。」
ファンファンは、ひらめいたようにいいました。
「そうか、ぼくらパンダ族もこの時代にしゃべれるようになったんだね。
そして、未来には動物園はなくなっているんだよ!」
そのとき、向こうの方でダイコン星人を相手に、たたみこむように話した黄色いおサルが、ファンファンのところにやってきました。」
「キキキ、いやーファンファン、本当にありがとう。 そして、しゃべることができるようになって本当にうれしいな~。 これからボクは自分のパパとママをさがしに行くよ。
そして家族みんなといっしょに暮らすんだ!キキキ!」
「そうか、そりゃいい。 頑張ってね!」
そして、ファンファンは思い出しました『そうだ自分もパパとママのところに帰りたい』と・・・
「ヘレン、ボクはどうやったら未来に戻れるのかな? 前にキャロラインにあったときは、フルーティフルートを奏でたら眠たくなって、おきたら自分のベッドで寝ていたんだ。でも、今度はそんなかんじじゃないし、全然眠くないしー!!」
ヘレンは、がっくりしているファンファンの肩の上にのっていいました。
「あなたがどうやって、この時代にきたのか? それを解明するには、ヤサイ星団にいるファーイースティン博士のところにいかなければならないようね!」
「さあ、出発しましょ!」ヘレンが手招きした先には、スイカのかたちをした
どでかい宇宙船が待っていました。
つづく
このあと、もう少し時間をおいてから後半スタートする予定です!
乞うご期待
こんなコロナ禍の中、大変な中にサポートをいただいて、ありがとうございます。活動を円滑にさせるを準備金にいたします。録音機材や画材に使うつもりです。