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感情と行動を切り離す。
昨日、私たちの脳は「リスクを恐れるように進化してきた」、
そして、その機能は「新たな行動の妨げになる可能性もある」
という話をしました。
しかしながら、外的環境がめまぐるしく変化する今日、
行動しないほうがむしろリスクとも言えます。
「リスクを恐れる」脳の機能と、行動を起こさなければいけない状況に
どう立ち向かえばよいのでしょうか。
人は何かを記憶するときに感情とともに記憶します。
旅行先の楽しかった思い出、あるいは残念な思い出。
トラブルに見舞われたけど貴重な経験になったこと。
捨てられない大事な人からのプレゼント。
苦労の末に手に入れたブランド品や宝飾品。
仲間とともに成功に導いたプロジェクト。
僕の好きなエピソード「北の国から ’87 初恋」のラストのシーン
父、五郎が頼んだであろう長距離トラックに乗って東京へ旅立つ純。
妹の蛍や五郎に見送られ、見えなくなった折にトラックの運転手が一言。
「親父さんに渡されたけど受け取れん。取っとけ」
五郎がトラック運転手にどうしてもと、車代として渡した2万円。
受け取って中を見るとピン札に五郎の指跡が泥と一緒に付いていた。
必死に働いて工面したであろう父の姿が想起されます。
そして、純はそのお金が原因で、後に傷害事件まで起こします。
この2万円がもしQR決済だったら?
なんて興ざめなことを言っても仕方ないのですが、
どうでしょう、僕たち人間はこれほどまでに
モノや行動に感情移入する生き物となっています。
喜びや楽しさの感情なら、新しい行動にも積極的に取り組めるでしょうか?
例えば人によってはゲーム、あるいは映画やドラマ。
でも「リスクや苦しさを伴う」と思ってしまう行動は?
僕の場合だったら、新しいビジネス。
あるいはレベル上げ段階で、記事一つ書くのも苦労するnote。
新たなビジネスを始める、noteの記事を書く、という行動に
「怖いな、面倒だな、大変そうだな」という僕の感情を乗せてしまい、
行動と感情の境目が見えない状態となっています。
行動と感情を切り離すテクニック。
ここで必要になってくるのが、
「感情と行動を切り離す」というテクニック。
そのテクニックは「ディフュージョン」あるいは「脱フュージョン」と
呼ばれていますが、
「フュージョン」とは「融合」とか「統合」
「2つ以上のものを一つに組み合わせること」とかなので、
「ディフュージョン」「脱フュージョン」はその否定形?
となるのでしょうか。
昨今、急増するうつ病やその他の精神疾患に対して、
ネガティブな感情と起きている事実を切り離すために行われる治療ですが、
何か行動を起こす際にも利用できるテクニックなのではないか、
と注目されているようです。
「ディフュージョン やり方」等で検索すれば、
様々な方法、様式が出てきますが、僕が個人的に
「これは効いているな」と思うテクニックをいくつか紹介いたします。
・「私は今~という考えを持っている。」
例えば、何をやっても思うような結果が出ないとき
「私は世の中の役に立たない人間だ。」と考えて、
自己嫌悪や自己否定になってしまうときに、
「私は今、自分が世の役に立たない人間だ、という考えを持っている。」
と考えます。
僕の行動と「世の役に立たない」という「評価」の感情を切り離します。
あるいは、何かを始めるときその作業が
「怖いな、面倒だな」と感じたときは、
「私は今、この作業を怖い、面倒、という考えを持っている。」
という形で行動とそのブレーキとなる感情を切り離します。
それができたら、とりあえずまず椅子に座って、指を動かし始めます。
・「真面目に考えるのをやめる。」
僕もそうなのですが、真面目に考える人ほどミスを無くそうとします。
「このリスクを回避するには、こんな下準備をして、この手順で始めて」
という風に、始める前からイメージするだけで脳が疲れてしまいます。
ですが、変化の激しい昨今では、
そのリスク回避思考はほぼ役に立たないと言えると思います。
加えて言うと、過去に想像したリスクが実際本当に起きた例は、
ほとんど無いのではないでしょうか。
そう考えると自分の頭で考えるマイナス思考を
「馬鹿馬鹿しい」と捉えてみることも重要です。
・マイナス思考に「ありがとう」で返す。
よく人に夢を語った時に、「そんなのうまくいかないよ」
「失敗するよ」「状況悪化するよ」
なんていう言葉で返してくる人がいますが、
それを僕たちは自分の頭の中でもやってしまっています。
そんな時は、「それ実験した?試した?どんな状況で失敗した?」
と聞き返してみましょう。
新しくやることに対して、ほぼ証拠は出てこないと思います。
なので、「役に立たないけど情報ありがとう」と言って
自分の頭の中のネガティブ思考に、他人事のように感謝して、
何食わぬ顔で「さ、始めよっかなー」と目の前の作業に向き合う。
この他にも浮かんだ言葉にメロディーをつける、思考に意味をつける、
変な声の声優に思考を読ませる等、
様々なテクニックがあるようなので、自分に合うものを見つけて
ぜひ試してみてください。
「僕のように、思考の地盤がネガティブである、という考えを持っている」
人は成果が出るのに時間がかかるかもしれません。
僕自身、今でもずっと練習、訓練をしています。
ですが、少しずつ少しずつ訓練を積み重ねて、
1年振り返ってみると自分でも驚くくらいの
行動を起こしたなと感じています。
こんな「厳しいと感じる」時代ですが、是非行動を起こして
「こんな楽しい時代はない」と思える自信をつけていきましょう。
そんなところで今日の記事にかかった時間は9:30~11:30。
ボリュームとしてはそこそこ書いたと思うのですが、
読み返すと一瞬ですね(笑)
「人に教えるように勉強せよ」
人はアウトプットを前提に勉強すると、知識が頭に定着するそうです。
なのでこの練習も兼ねて記事を積み重ねていきたいと思います。