2024年の進化と深化と新価#3
この記事は、Pepabo CS Advent Calendar 2024の5日目の記事です。
4日目はkoさんでした。みなさんご存知かもですが、koさんに紹介してもらってペパボに入社することができました。
koさんありがとう、そしてCNでも頑張ってください!
急ですが、、、今年もいよいよ終わりが近づいてきましたね。
振り返ると、2024年は「進化」「深化」、そして新しい価値を生み出す「新価」を追求した一年でした。GMO即レスAIという新規事業へ参画し、ゼロからの構築、販売、さらには単価アップの施策に至るまで、挑戦の連続。
進化は、サービスを磨き上げるプロセスにありました。
深化は、クライアントの課題に深く寄り添いながら解決策を提供する中で培われました。
そして新価は、GMO即レスAIが実際にお客様に価値を届けることができたという確信にあります。
この記事では、2024年を通じて私が経験したこと、学んだこと、そして新たに見つけた可能性について共有させていただきます。この内容が、皆さまのこれからの挑戦や成長に少しでも役立つことを願っています。それでは、2024年の感じたことや学んだことをつらつらと綴りたいと思います。
最後まで読んで頂けると嬉しく思います!
※目次ながっ!
1. AIチャットボットが企業に与えるインパクト
当社コールセンター運営の経験から感じた変化
当社では、2024年1月より11サービスの一次お問い合わせをAI化しました。月に数千件もの問い合わせがお電話やメール、チャットなどの色々なチャネルから寄せられていました。
しかし、そのほとんどはヘルプ記事内で解決できるような、汎用的なお問い合わせでヘルプ記事を見ていただければ解決できるようなものが多く含まれていました。
AIチャットボットの導入が開始されましたが、社内では「AIに任せるなんて大丈夫なのか」という声も多数あがり、半信半疑ではありましたが、試験導入後、半年で以下の結果が出ました:
有人対応時間1,620時間削減
有人対応件数9,000件削減
新たな役割への配置転換11名
今では、無くてはならない存在となっています。
2. サービス立ち上げ時に考えたこと
問い合わせ窓口AI化が完遂後、そのノウハウを活かした「GMO即レスAI」が爆弾!!そんな、ゼロスタートで始まったプロジェクトから学んだ教訓
2024年、サービスの立ち上げに参画した私は、「ゼロからサービスを構築する」という貴重な経験を通じて、多くの学びを得ました。特に印象的だったのは、初期段階での意思決定やチーム全体の進行管理が、プロジェクト全体の成否を大きく左右するという点です。
成功を導いた3つの教訓
1. MVPにこだわる勇気
ゼロスタートのプロジェクトでは、最初から多機能を目指すのではなく、「最小限で最大の価値を提供する」というMVP(Minimum Viable Product)の考え方が重要です。
実際に、以下のように段階的なアプローチを取りました:
第一段階: 基本機能や今あるノウハウのみを提供することに集中し、ユーザーが即座に価値を感じられる状態を目指しました。
第二段階: 初期ユーザーや商談から得られるクライアントのニーズヒアリングを通じて、LINEやSlackとの連携機能サポートを行うなどサービス内容の強化を実施。
第三段階: 外部とのデータ連携機能(スプレッドシートによる自動ナレッジ入稿、削除、修正などの機能提供)を提供できるよう準備し、顧客の利用シーンを拡大。
このプロセスを通じて学んだのは、「やらないことを決める勇気」の大切さです。最初から多機能を目指していれば、リリースが遅れ、競争優位性を失っていた可能性があります。
2. 小さな勝利を積み重ねる
ゼロスタートのプロジェクトは、ゴールが遠く見えがちです。その中で重要なのは、小さな成功を積み重ねてチームの士気を高めることでした。
具体的には以下のアプローチを取りました:
初期の導入企業に特化: まず数社に焦点を当て、行政やsaasなどいろいろな業種のクライアントとやりとりを行い、クライアントが確実に価値を感じられる状態を作りました。
成功事例を共有: 初期導入企業での成果を共有し合い、「このサービスはクライアントへ価値提供ができる」と思えるようになりました。
これらは、メンバー全員が目の前の成果に集中でき、結果としてプロジェクト全体のスピードと精度が向上したと感じます。
3. フィードバックループの徹底
ゼロから始めたプロジェクトでは、正解が最初から見えていることはほとんどありません。そのため、初期ユーザーのフィードバックを迅速に反映する仕組みを構築しました。
月次定例会: ユーザーの課題確認を行う為、毎月実施し、発見された課題を即座にプロダクトに反映したり、改善案のご提供を行う。
改善サイクルの短縮: 一つの変更がユーザーに与える影響を測定し、次の改善につなげました。
特に効果的だったのは、ユーザーからの「小さな不満」を軽視せず、早期に対応した点です。たとえば、「ボットの回答の一部が固い」という指摘を受ければ、会話設計を柔軟に調整する方法をご提案する。など、お客様のお困り事を真摯に受け止めて、都度改善案をご提案できるよう努めています。
ゼロスタートでの失敗事例からの学び
もちろん、すべてが順調だったわけではありません。プロジェクト初期には以下のような失敗も経験しました。
内部プロセスの非効率化
具体的な問題として、営業チームがクライアントから得た内容をインサイドセールスチームに十分に伝達できていないことがありました。このコミュニケーション不足により、以下のような課題が発生しました:
セールストークの改善が遅延
クライアントの声がインサイドセールスチームに届かないため、顧客ニーズに合わせたトークスクリプトや提案内容の調整が遅れ、成約率に影響が出ることがありました。顧客情報の共有不足
クライアントの具体的な課題や要望が十分に共有されず、顧客ごとに適切な提案を行うまでに時間を要しました。
対策と改善
この課題を解決するため、以下の改善施策を実施しました:
情報共有ツールのルール化
顧客情報を入力するルールなどを全チームで一緒に話し合い明確化。
また、新規顧客からの資料DLや問い合わせがあった場合にはSlack内のワークフローを活用し情報をすぐに共有できるよう構築しました。定期的なクロスチームミーティング
毎週の定例ミーティングで、営業チームがインサイドセールスチームにクライアントの最新情報を共有。これにより、セールストークや提案内容の改善がリアルタイムで行えるようになりました。チーム編成
直近では、チームを分けるのではなくインサイドセールスも営業チームもすべて同じチーム内で実施することで、指示系統も明確となりより推進力が増しました。
ゼロスタートから得た最大の教訓
プロジェクトをゼロから立ち上げる際に最も重要なのは、「すべてを完璧にしようとしない」ことです。リソースが限られている中で、「何を優先し、何を捨てるか」を冷静に判断し続けることが、成功への道筋を作ります。
新サービスを通じて、私は「最初の一歩を早く、小さく、そして着実に踏み出す」ことの大切さを強く感じました。これからもこの教訓を胸に、より多くの価値を生み出すプロジェクトに挑戦していきます。
3. 営業をする中で大事にしていること
次に私が、営業をする中で感じことをお話します。
セールスは、単に商品の特徴を伝えるだけでなく、相手に「興味を持ってもらう」ための心理的アプローチが求められます。以下では、実際に私が学び、そして実践した感じたことを書かせてもらいます。
1. 事前準備が9割:リサーチと戦略
リサーチを怠らない
効果的なセールスは、商談が始まる前に始まっています。
どういうことかというと、、、、
以下のような情報を事前に収集することで、商談をスムーズに進めることができます。
相手の会社情報:最近のニュースリリースや事業方針。
担当者の経歴:LinkedInなどを活用して、興味を引く共通点を見つける。
課題の仮説立て:「御社の〇〇事業で拡大を検討されているのでは?」と予想。
ペルソナを設定する
どのような相手がターゲットなのか、具体的なペルソナを設定してみましょう。例えば、以下のような視点で整理できます:
業界:IT企業、人材業界、製造業など。
課題:効率化、コスト削減、新規顧客獲得。
決裁権:担当者か経営層か。
2. 初動が鍵:アイスブレイクと信頼構築
アイスブレイクの具体例
電話の冒頭は緊張しがちですが、相手にリラックスしてもらう工夫をします。
具体例1:ニュースを絡める
「御社が最近発表された〇〇について、大変興味深く拝見しました。」具体例2:共通点を見つける
「実は以前、御社の〇〇商品を使っており、とても感銘を受けました。」
声のトーンを意識する
緊張していると声が硬くなりがちです。以下を意識しましょう:
やや低めのトーンで落ち着きを演出。
笑顔で話すことで、声に温かみを加える。
3. ニーズを引き出す質問
質問のフレームワーク:SPINモデル
セールスの質問は「相手に話させる」ことが目的です。
SPIN(Situation, Problem, Implication, Need-Payoff)のフレームワークを活用すると、会話がスムーズに進みます。
Situation(現状の確認)
「現在、お問い合わせ対応にどのようなシステムをお使いですか?」Problem(課題の特定)
「そのシステムで、解決できていない問題は何ですか?」Implication(課題の影響を掘り下げる)
「その対応でリソースが割かれている場合、他の業務に支障が出ているのではないでしょうか?」Need-Payoff(解決方法の提示)
「もしも対応の80%を自動化できるとしたら、どのような変化が起きると思いますか?」
オープンエンドの質問を使う
「はい」「いいえ」で答えられる質問は避け、相手に考えさせる質問を投げかけます。
「今抱えている課題で最も困っていることは何ですか?」
「どのような形で解決したいとお考えですか?」
4. 提案のタイミングとクロージング術
提案のタイミングを見極める
相手が話している途中で提案を挟むのは逆効果です。相手のニーズが明確になった後で、「解決方法として、このような提案ができます」と伝えます。
例:具体的な解決策の提示
「例えば、弊社のAIチャットボットなら、◯月以内に◯◯を実現することが可能です。」
自然なクロージング
クロージングは無理に押し込むのではなく、次のステップへの誘導を意識します。
「もし少しでも興味をお持ちいただけたら、次回デモをご案内いたします。」
「詳細な資料をお送りしますので、そちらをご覧いただけますか?」
クロージング後のフォロー
断られた場合でも関係を維持することが重要です。
「今後のタイミングで何かお役に立てる情報があれば、ぜひお知らせください。」
定期的なニュースレターや資料送付で接点を保つ。
5. 成功するセールスのチェックリスト
セールスに向かう前に、以下を確認しています:
リストの精査
対象企業・担当者が適切か。スクリプトの練習
話す内容を暗記ではなく「流れ」として把握。想定質問への回答準備
「具体的な費用は?」「競合との差別点は?」などの質問に即答できるようにする。モチベーションの維持
失敗しても次に繋がるよう、ポジティブに切り替える。
次に、「検討します」という仮面を外させる、心理を理解し本音の引き出し方です。
「検討します」という言葉は、セールスにおいて最も頻繁に聞かれるフレーズの一つです。しかし、多くの場合、これは単なる断り文句や、会話を終わらせるための手段であることが少なくないです。お客様の心理を読み解き、この仮面を外させるために学んだことを紹介します。
1. 「検討します」の心理的背景を理解する
よくある心理パターン
情報不足:具体的な判断材料が足りず、「検討します」で一旦保留にしている。
リスク回避:即決することで損失を被るのを避けたいという防衛本能。
興味が薄い:商品やサービス自体に魅力を感じていない。
他者との相談が必要:上司や同僚など、決裁権を持つ人物の承認を得る必要がある。
断りづらい:「ノー」と直接言うのは気まずいという心理。
2. 仮面を外すためのアプローチ
オープンクエスチョンを活用する
「検討します」と言われたとき、すぐに諦めず、相手の真意を探るための質問を投げかけましょう。
「ありがとうございます。具体的にはどの部分を検討されますか?」
「このサービスについて、どのような点が特に気になりますか?」
「もし決めるとしたら、どのような条件が整えばご検討いただけそうでしょうか?」
これにより、「本当の障壁」が浮かび上がります。例えば、価格、導入の手間、他社比較など。
共感を示して安心感を与える
相手が「検討します」と言った背景には、不安や疑念が含まれている可能性があります。共感を示すことで、相手が本音を話しやすい環境を作ります。
「新しいサービスを導入するとなると、不安な点もありますよね。」
「他の選択肢も気になるお気持ち、よく分かります。」
共感を示すと、相手は「この人は押し売りをしない」と感じ、自然と本音を話しやすくなります。
検討のポイントを明確化する
「検討します」という漠然とした言葉を具体的なアクションに変換してみます。
「よろしければ、検討の際に役立つ情報をお送りいたします。どの点を重点的にご確認されますか?」
「他に比較されるサービスがあれば、何か参考にできる点をご案内できるかもしれません。」
これにより、相手が検討に必要な情報を明確にし、フォローアップの余地を作り出します。
3. フォローアップの設計
明確な期限を設定する
「検討します」で終わらせないためには、次のアクションを明確にすることが重要です。
「ご検討の期間として、〇日ほどを目安にいかがでしょうか?その後に再度お話できればと思います。」
「来週〇曜日に、簡単なご感想をお聞きするお時間をいただけますか?」
期限を設定することで、相手に「検討しなければならない」という意識を促せますし、期限を切ることで先方へのネクストアクションが容易になります。
相手に価値を提供するフォローアップ
ただ「その後いかがですか?」と確認するだけではなく、相手に新しい価値を提供する。
追加情報の提供:事例紹介や成功体験談を送る。
相手の課題に特化した提案:「先日お話しした課題に関連する解決方法をまとめました。」
具体例: 「先日お話ししたAIチャットボット導入の事例ですが、特にリソース削減に成功したポイントをまとめた資料をお送りしました。ぜひご確認ください。」
4. 仮面を外してもらうための言葉の選び方
相手の立場を理解するフレーズ
「ご検討いただく上で、私たちがサポートできることがあれば教えてください。」
「もし今はまだ判断が難しい場合でも、どんなことが気になるのかお伺いできれば嬉しいです。」
仮面を外してもらうための追い質問
「もし導入しない場合、どのような理由になると思いますか?」
「競合サービスとの違いで気になる点はありますか?」
これにより、相手が持つ潜在的な不安や課題が浮き彫りになります。
このように営業は心理戦です。お客様の隠れたニーズや本音を引き出したり、お客様が気づいてもいない課題を見つけてあげて、一緒に悩みながらサービスを利用してもらえるよう活路を見出します。
営業なんて、THE・サラリーマンみたいなこと絶対やらないぞ!って思って、社会人になりましたがまさかのその営業マンとして仕事をすることになるとは思っていませんでした・・・・(泣)
しかし、個人的にはもはや営業は楽しいなって思えている自分もいます。
案外、前職のCS対応の中で培った顧客のニーズを把握する力や、共感する力、課題を解決する力がまさかの営業で大いに役立っています。
まだまだ始まったばかりのサービスですが、半年で10件程度の成約を獲得もできており、少しだけ自身にも繋がりました。
思うのは、人間チャレンジすることは重要ってことです。
同じ場所で、同じことをすることもすごく大変で、とても素晴らしいことではありますが、自己成長はかなり努力しないとなかなか難しいです。
環境が変われば、否応なく新しいスキルを付けて、たくさんのチャレンジすることが求められてきます。
その中で、自己成長が加速しているなと感じます。
最後に
2024年を振り返って:挑戦と成長の軌跡
2024年は、私にとって「挑戦」と「進化」が詰まった激動の一年でした。
部署異動を機に、新規事業へ参画。すべてがゼロからのスタートで、サービスの構築、販売戦略の策定、そして単価アップの施策と、まさに手探りで道を切り開いた一年でした。
最初は、新しい領域への期待と不安が入り混じる中でのスタートでした。
AIチャットボット市場は競争が激しく、サービスをどう差別化するかが最大の課題でした。チーム内で議論を重ね、試行錯誤の末に見出したのは、「導入から運用までをフルサポートする」という明確な方向性。
顧客に寄り添うサービス設計が評価され、少しずつですがお客様からの評価や、また市場での認知も広げていくことができました。
販売活動では、初めて経験するような課題にも直面しました。クライアントから「もっと安くならないか?」と迫られた場面では、単に値引きするのではなく、ROI(投資対効果)を丁寧に説明し、「価値を理解してもらう」営業に注力しました。その結果、単価を維持しつつ長期的な契約を獲得するという形で、自分自身の営業スタイルにも磨きがかかったと感じています。
特に印象的だったのは、導入いただいたお客様よりAIチャットボット導入後に、「問い合わせ対応が80%削減された」というフィードバックを頂いたときです。単なる数字以上に、「このサービスが誰かの役に立っている」という実感を得た瞬間であり、この仕事に携わって本当に良かったと思える出来事です。
もちろん、すべてが順風満帆だったわけではありません。思い通りに進まないことも多く、プレッシャーで眠れない夜もありました(たぶん…w)。
でも、その一つひとつが成長の糧となり、乗り越えるたびに視野が広がり、自信が深まっていったように感じます。
2024年を振り返ると、あらためて感じるのは「挑戦することの大切さ」です。この一年は、自分自身を押し広げ、限界を超え続けた一年でした。そしてそれは、決して一人では成し遂げられなかったことです。チームの仲間たち、クライアントの方々、そして応援してくださったすべての人たちに心から感謝しています。
2025年はさらに多くの可能性を追求し、次なる飛躍を目指していきます。
今年学んだこと、成し遂げたことを土台に、もっと大きな価値を提供できるよう、努力を続けていきたいし、チーム一丸となって飛躍していきたいと思います。
2024年、本当にありがとうございました。2025年も、どうぞよろしくお願いいたします。そして、みなさんにとっても素晴らしい一年になりますように!
最後までお読み頂き、本当にありがとうございました!!!(愛)
明日から連続でGMO即レスAI(旧AX)チームです!
inamuはどんなおもしろ記事を書いてくれるんだろう・・・!w
2025年もがんばるぞ~~~!!