エンゼルスのオフの展望とゲリット・コールの移籍最新情報
球界を代表するスーパースター、マイク・トラウトや大谷翔平を擁しながら今シーズン地区4位に終わったエンゼルス。今後もこのような状況が続く可能性もあったが、すでに来季に向けて大きく動き始めた。
まず、残り2年の契約が残っているブラッド・オースマス監督を解任し、球団に30年以上在籍しその後レイズやカブスで手腕を発揮した名将ジョー・マッドン氏を監督として呼び戻した。また、チームの低迷の要因となっている投手力向上のためメッツの監督を解任されたミッキー・キャラウェイ氏を投手コーチ任命した。キャラウェイ氏は13〜17年にインディアンスの投手コーチとして高い評価を得ていたこともあり、その手腕を期待しての抜擢となった。
マッドン新監督は就任記者会見で2002年以来の「ワールドシリーズ制覇を目指す」と語った。データ分析とオールドスクールの関係を「データとアート」の融合と表現し、来季もさまざまな戦略を取っていくと見られる。その一環としてか、来シーズン「バント」を増やすことを示唆した。(余談 監督はデビッド・フレッチャーがお気に入りのようで、彼をベン・ゾブリストのようなスペシャリストに育て上げる方針か)
また、記者会見に同席したオーナーのアート・モレノ氏は来季の総年俸を増額することを示唆し、オフに補強に乗り出す姿勢を打ち出した。
●先発の柱が欲しいエンゼルス
エンゼルスはジェレッド・ウィーバーが退団して以降、絶対的エースの不在に泣かされている。「次世代のエース」大谷翔平もいるが、来季はトミー・ジョン手術明けのため不安も残る。また、マッドン監督就任により今後二刀流としての起用も増える可能性もあり、負担増となる。
今季のLAA投手陣全体の防御率がメジャーで25位の5.12。(今年プレーオフに進出したチームの中で最も防御率の悪い球団はブルワーズの全体16位で防御率4.40)
特に先発投手に限定すると、全体29位の防御率5.64で壊滅的な状況となっている。(野手有利の本拠地であるロッキーズが30位)また、先発投手の総イニング数は最下位で、唯一700イニングに満たなかった。WARも計3.3だった。
そのため、先発投手の補強はチームにとって最優先課題だ。ただ、昨年のオフも同じような状況下にありマット・ハービーやトレバー・ケイヒルを1年契約で獲得したが、前者が防御率7.09、後者が防御率5.98と大きく期待を裏切った。ビリー・エプラーGMもその失敗の責任は私にあると認めた。
ゲリット・コールは投手として史上最高額を得る
来季も同じ失敗は繰り返されない状況にある。そこで、獲得を目指すと噂されているのがアストロズのゲリット・コールだ。今季33試合(212.1回)に登板し、防御率2.50 326奪三振 48与四球 29被本塁打と素晴らしい成績を残した。同選手は今オフにFAとなる見込みで、間違いなく市場でNo. 1選手である。
しかし、問題となるのが「マネー」だ。コールはプレーオフでも好投を見せ続けているため日々価値が上昇し、一部では最大8年総額2億5000万ドルの予測が出るほどである。
投手の最高額は15年オフにデビッド・プライスがレッドソックスと結んだ7年2億1700万ドル。だが、これは現在のコールにとっては「最低ライン」の価格となっている。そのため、投手としての史上最高額を更新するのは時間の問題だ。
現実的な予測では年平均3300〜3500万ドルの7年契約と@martinonyc氏が伝えている。
少し前まではコールの契約先の本命はヤンキースだったが、ここ最近少し変化が見られつつある。
以前からコールはヤンキースファンとして知られ、高校生だった2008年にはドラフト1巡目指名でNYYに指名されたが大学に進学した。また、17年オフにパイレーツからアストロズにトレード移籍した際もヤンキースが争奪戦に加わっていた。
しかし、ここ数週間の報道を見るとエンゼルスが本命ではないかとの憶測が伝わってくる。
その理由として①エンゼルスファンでもあった(@JimBowdenGM)② レディック「コールは西海岸に戻りたいと言っていた」(@IchibanTalk)③LAA本拠地近郊の出身④「overwhelming favorite」と有力候補であることを@Ken_Rosenthal氏が指摘⑤ワールドシリーズの思い出は2002年のエンゼルス戦(@JeffFletcherOCR)⑥西海岸の場合、最も可能性が高いのはアナハイムだと@Ken_Rosenthalが推測した
ただ、代理人はスコット・ボラス氏であり意図的にこのような情報を流し、本命?のヤンキースに「マネー」を上乗せさせる戦略の可能性もある。
すでに、ヤンキースはオフにコール獲得に動く見込みだと@martinonyc氏がレポートしている。その他にも、アストロズ、フィリーズ 、カブス、カーディナルス、ドジャース、パドレス 、ジャイアンツも契約先の候補となっている。
コール争奪戦が今オフ最大の話題となるだろう。