メッツのザック・ウィーラーがもう一つのニューヨークに行くことは実現するのか?
オフにブロディ・バンワゲネン氏がGM就任し、FA・トレード市場で積極的な補強を行ったメッツだが、チームの将来を左右しかねない状態に陥っている。
開幕から故障者が続出し、主力の不調も響き現在地区4位と低迷中。そんな中、クラブハウス内で監督、バルガスが記者に暴言を吐く問題が発生。また、バンワゲネン氏の行き過ぎた現場介入が問題となるなどチームはガタガタで、浮上の兆しは全く見えない。
メッツは今夏のトレード戦線では「売り手」となることが大方の見方となりつつある。ただ、完全なチーム「解体」ではなくロースターの「整理」のために動くとみられる。今オフにFAとなる選手や年俸削減を目的に選手を放出することがメインになると予想される。
すでに、複数の主力選手についてトレード候補として名前が挙がっている。
トレード候補
ザック・ウィーラー
トッド・フレイジャー
ジェイソン・バルガス
一番の注目は今オフにFAとなる先発のザック・ウィーラーだ。今季18試合(114回)に登板し、防御率4.42とイマイチな成績だがFIPは3.63と内容は上々である。成績以上に彼の人気が高くなっている。その要因として、今季のフォーシームの平均球速が97.21マイルもある点だ。これは自己ベストをマークする勢いで、他球団からも高く評価されている。
同選手の年度別フォーシームの平均球速(マイル表示)
13年95.45
14年96.17
17年95.52
18年96.56
19年97.21
◯ウィーラーのヤンキース移籍の実現性は?
ヤンキースとメッツ間のトレードは1966年以降、わずか15件しか成立していないという。16件目のトレードがこの夏に成立するかもしれない。すでにヤンキースはザック・ウィーラーに関心を抱いていて、またメッツは彼をブロンクスにトレードすることを嫌がっていないとAndy Martino氏がレポートしている。
メッツはトレード先や相手よりも最適な交換要員のオファーを得ることに重点を置いているとのことだ。ヤンキースが本格的にトレード交渉に乗り出せば争奪戦となる見通しで、Martino氏はウィーラーに関心を持っているチームとしてブレーブスやブルワーズの名前を挙げている。
セベリーノの復帰がずれ込んでいることを考えると、代わりとなる先発の柱、本格派右腕としてウィーラーはヤンキースにとって最適だ。ただ、最近のヤンキースの先発陣の補強を見る限りフォーシームのホップ成分を重視している傾向がある。昨年オフのFA市場ではランス・リンではなくJA・ハップとの契約を結んだのが事例と言える。しかし、リンは昨年の夏のトレード戦線で獲得した経緯もあるため一概には言えない。(ウィーラーのフォーシームのホップ成分はあまり高くない)
ヤンキースとメッツはライバル関係にあり、ヤンキースのワールドシリーズ優勝を後押しするようなことをメッツのファンは許さないだろう。そうなると、より一層バンワゲネンGMへの批判も集中することになりかねない。
ウィーラーは持っている才能をフルで発揮できればエース級の先発投手になれるため、ジャイアンツのマディソン・バムガーナーと同等の評価を受ける可能性も。
そのため、今夏のトレード市場だけではなく今オフに控えるFA市場でも成績以上に評価され、特にデータ部門が発達している球団から多数の声がかかるのは確実か。
参考・引用元
Twitter
@SNYtv
@martinonyc
「Zack Wheeler Rumors: Yankees, Braves, Brewers 」
https://www.mlbtraderumors.com/2019/07/zack-wheeler-rumors-yankees-braves-brewers.html
データの参考・引用
http://www.brooksbaseball.net/