「すごい物理学入門」
すごい物理学入門
カルロ・ロヴェッリ
薬の副作用が大分落ち着いてきたものの体調がいまだ
安定せず、さらに薬が増えたために、現在も
思うようにいかない状態ですが、その中でも
ぼちぼち本を読んではいます。
今回読んだ本、こちらは、カルロ・ロヴェッリさんという
「量子重力理論」というものの専門家だそうです。
タイトルにあるように、この本は入門的に書かれたものなので
数字が分からない私にも優しく読める一冊です。
哲学的な内容がちょっと難しい箇所もあるにはありましたが、
物理学の世界を、ここまで分かりやすく楽しく紹介してくれると
私のように、物理に全く興味のない人でもすごく面白く読めます。
おかげで一気に数時間足らずで読んでしまいました。
とにかくこの方表現が素敵なんですよね。
目に浮かぶような感じがしませんか?
それに量子というものが、すごく愛らしく感じてきますよね。
作者が専門の「量子重力理論」というのは、
「一般相対性理論」と「量子力学」は互いに矛盾するので、
その矛盾を解決するため二大理論を統合しようと
研究されている物だそうです。
作者はこれまでの世界では矛盾する理論の対立を解決することで
物理が発展したことを述べています。
さらに第6回講義では、「時間の流れとは何か」と言っています。
私のように学生時代も勉強なんかしてないし興味もないし
数字は苦手です、というような人間は、今の世界では随分と
色々な事が解明されてきており、普段私たちが当たり前に感じて
疑問にさえ思わない事柄については、「すでに解決されているか
何故そうなるか説明できるようになっている」と思い込んでいる
節があります。
なので、時間の流れとはなんですか?ってなると、えー!?です。笑
しかも、このような問いは哲学的な問いかと思ってしまいます。
ですが、実は当たり前のようにある「時間」とか、「空間」とか、
「重力」とかそういったものは、いまだ謎だらけのようなのです。
こんな便利な世の中で、わからないことだらけって、
めちゃくちゃ楽しいですよね!ワクワクします。
作者は、量子重力理論では「世界の入れ物」としての「空間」
もないし、「時間軸」も存在しないというのです。
はて? このような事を言うまでの過程を、私には理解できないため
凄くぶっ飛んで聞こえる話ですが、ぶっ飛び方が最高ですよね。
でも、空間て時間と一体なところがあるじゃないですか?
例えば未来を遠い、近いなどと表現したり、遠近感とかそういうもの、
それらを思うと、空間がないと時間もないって感じのイメージには
なるのですが よくわからない 笑
ブラックホールが熱を放射していることを発見した博士にちなんで
ホーキング放射というそうですが、これが「熱を持つ宇宙空間とは
何か」という問いに対する最初の具体的な手掛かりになると、
作者は言っており、「熱」というものが「時間」をとくカギに
なるだろうと言っていました。
ま、難しい話は、賢い人に任せておきましょう。
よくわからなくてもインターステラーは凄く感動しましたし
星を見上げても心が癒されますもんね。
ブラックホールがカギを握っているなんて、なんだか
余計にワクワクしますよね。今後色々な事が少しづつ
解明されるのが楽しみになってきます。
それに、ブラックホールって名前からしてこの存在感凄いですよね。
物理学の世界では「いま」という概念に対応するものが
何もないと作者は言います。
私が思うに、この世のあらゆることなどが、全て物理や化学などで
明らかに出来るとは到底思えません。それは無理過ぎると思います。
色んなジャンルというか人々の知恵が結集しないと、
そうした真理みたいなものはおそらくわからないのではと。
まして結集したとしても解けるかさえも謎ですが。
印象的な個所を引用します。
これを知ると、人にはなるべく優しくしたいなと思いますね。
短くて薄くて読み応えのある面白い一冊で、
私のように何も分からなくても楽しめる本でした。
今後もこの方の本を読む機会があれば読んでみたいと思いました。