今井加奈ってどんな子なの?(入門編)
はじめに
こんにちは。アイドルマスターシンデレラガールズ(以下、デレマス)で今井加奈の担当をしている、makotoです。
この文章は、「今井加奈ってどんな子なの?」という疑問に対し、“アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ”(以下、デレステ)で得られる情報「だけ」でお答えすることを試みたものです。
今井加奈について、私はこれまで、mobage版シンデレラガールズ(以下、モバマス)初出の情報をふんだんに用いつつ、その成長の歴史をまとめていくことで考察を深めてきました。しかし、特にデレステからデレマスというコンテンツに入ってきた方にとっては、自分のプレイしていないモバマスの情報をもってこられても、いまいちピンとこないのでは、とも考えていました。
そこで、今回はデレステで触れられる情報、その中でも簡単にアクセス可能なものだけで、今井加奈というキャラの特徴を考えてみようと思います。
1、導入としての外見~ツインテール解釈~
さて、デレステで今井加奈のカードを全く所持していない方でも、アイドルコミュから今井加奈を選択すれば、そこにセーラー服姿の今井加奈を見ることができると思います。可愛いですね。
ここで注目したいのは、「ツインテール」です。デレマスには多数ツインテールのキャラがいます。同じキュートだけでも、緒方智絵里や中野有香、池袋晶葉、横山千佳の名を挙げることができます。彼女たちと比べた時、加奈のツインテールが持つ特徴として挙げられるのは、「跳ね」が多く外側に向かったりもしている所です。クセ毛なのか、はたまたそういうセットを自分でしているのかはわかりません。ただ、「跳ね」の多いツインテールからは、活発さ、あるいは束ねることのできない行動力の高さを、見て取ることができるように思います。
では、実際に加奈は行動力が高いのか。高いとすれば、それはなぜなのか。この点について、今井加奈の思考のあり様から迫ってみたいと思います。
2、本論~アイドルコミュ1から見る内面~
今井加奈のカードがなく、ファン人数がいない状況でも触れることができるものとしては、メモリアルコミュ1があると思います。ここでは、その内容から、今井加奈の内面的な特徴について見ていくことにします。
メモリアルコミュ1では、各キャラクターのプロデューサー(以下、P)との出会い、アイドルとなる経緯が描かれます。加奈の場合は、道を尋ねるという形で偶然Pと知り合い、後日道を教えてもらったお礼を言うために訪ねてきた加奈を、Pがスカウトしたことが描かれています。
この内容からは、今井加奈の行動力が極めて高いことが分かります。道を「明らかに年上の男性」に尋ねる。お礼を言うために単身名刺に書かれた住所まで赴く(しかもそこがどんな場所なのかは調べていない)。このような行動は、行動力が高くなければできないものでしょう。
では、その行動力の高さを生みだす要因は何なのでしょうか。この点を考える上で注目したいのは、Pがスカウトする直前の加奈の発言です。事務所を訪れた加奈は、そこがアイドル事務所と知ると、すぐに「どんな子がアイドルになるのか」と尋ねます。それに対しPは、「平凡な子」がアイドルになるのだと答えます。それを聞いた加奈は、次のように感想を述べます。
「へぇ……平凡な子、ですか……。えへへっ! なら、わたしと同じですねっ! なんてっ。平凡な子を、アイドルに変えちゃうなんて、すごいなぁ。
じゃあ、女の子が可愛くなれる秘訣とかも知ってますか? わたし、田舎から出てきて、ビックリしちゃったんです! 都会の子は、可愛い子ばっかりで!」
この発言からは、加奈が可愛くなることに憧れていること、そしてそれは「平凡」という自己評価と表裏一体であることが分かります。また、平凡な子「が」可愛く「なる」のではなく、平凡な子「を」(誰か/何かが)可愛く「変える」と考えているところもポイントです。これらからは、加奈が自分の力だけで自分を変えることはできないという、ネガティブな思考をしていることが分かります。
しかし、上記の点は、変化をもたらす誰か/何かさえあれば、平凡であっても変わることができる、というようにも読み解けます。ここからは、それだけ自分以外の誰か/何かの持つ力を信用している、あるいは「特別視」しているということが考えられます。このような側面があったからこそ、Pの「アイドルになったら(可愛くなる秘訣を)教えてあげる」という誘いに、即座にのることができたのでしょう。
以上のような、自分への「ネガティブな」考え方と、自分以外の要素が持つ力への「特別視」という二つの側面が、同時に展開されているのが今井加奈の思考の特徴だといえます。このような思考からは、自分を変える誰か/何かは、外に求めるほかなくなります。だからこそ、今井加奈は外へ向かって行動力を発揮できる(そうするしかない)のではないでしょうか。
結論~あるいは、発展編への導入~
ここまでの内容から、「今井加奈ってどんな子なの?」という問いに対する答えとして、私は次のように結論付けたいと思います。
「今井加奈はポジティブな行動派キャラである(自己評価は除く)」
自分に自信があるから行動に繋がるのでもなく、自分に自信がないから暗く消極的である、というわけでもない。この点こそ、今井加奈の個性であると思います。
……と、結論付けておいて申し訳ないのですが、ここには一つ付け加えなければならない言葉があります。なぜなら、今回の情報の中心は、今井加奈のアイドルとしての出発点から持ってきたものだからです。
この点を修正した、本稿の結論は以下の通りです。
「“アイドルになりたての” 今井加奈はポジティブな行動派である(自己評価は除く)」
そうです。今井加奈は、ここから成長をしていくキャラでもあります。
果たして、今井加奈の自己評価はどのようになっていくのか。高くなるのか、低いままなのか、それとも?
果たして、今井加奈の他者評価はどのようになっていくのか。特別なものとして見続けるのか、新たな捉え方をするようになるのか? その場合の新たな捉え方とは?
そして変化と不変の中で、今井加奈の明るさと行動力の高さはどのような形で現れるのか。もしかしたら、失われてしまうのか……?
このような複雑で奥深い疑問への回答が、今井加奈のアイドルストーリー――Pと仲間達との関係性――には詰まっていると、私は思っています。そしてそれは、デレステのカードやコミュだけでも、感じ取ることができるものです。
もし、今井加奈のその後に興味を持った方は、ぜひデレステ内でカードを集め、コミュを開放してみてください。それはそのまま、「今井加奈ってどんな子なの?(発展編)」へとつながっていくものです。
きっと後悔しません。今井加奈には、それだけの魅力が詰まっていると、信じています。