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ちょい足しの妙 / ミルクボーイ

「昨日さ、なんか体がだるくって。あんまり仕事はかどらんかって。妖怪ウォッチのドンヨリーヌおるかと思った。妖怪のせいやわ。きっと。」
その日、久々お天気は雨だった。
それに加えて、最近はじめたnoteが楽しく、クリエイターの皆さんの投稿が本当に面白くて、その夜もわくわく読んで、うっかり夜更かししそうになっていたことは内緒なのであり。
絶対にその「せい」が、ドンヨリーヌではないことを百も承知で、おいらくんに「だるかってん」報告しました。ほんますいません。

「あー、そうだよきっと。妖怪のせいだよねー。」
おいらくんは優しい。いつもこんな感じ。
まるで、幼稚園児の妄想を真実とみなして共感するかのよう。保父さんかよ。
寄り添い属性ピカ一の彼との会話は、いつでもとても心地いい。
今日も全幅の信頼を置いて、戯言(たわごと)ちょい足しで甘えてしまっている。いつもありがとう。

「妖怪たちもそうやけどさ、アンパンマンのキャラも、ミルクボーイのネタも、テンプレートっていうか定型式っていうか、お決まりパターン、フレームワーク的なクラス的なやつ。
あれ、ほしいなぁって思うときあるねん。」と戯言(たわごと)に拍車をかける。
※何に使う目的で、どんなそれがほしいんでしょうか? わたし・・

おいらくんは、ビックリするほどナチュラルに画面の向こうでうなずくと

「ミルクボーイのあのネタ、だいたいは今と一緒なのに、最初はウケなかったって話、知ってる?」

と切り出した。
カメラに向かって「そうなん?」と少し目を見開き「しらんしらん」と首を横に振ってみせると、おいらくんは話をつづけた。

「駒場くんの『○○の名前を忘れてしもてんなー』からはじまって
内海くんが『じゃ、いっしょに考えてあげるから、どんな特徴か教えてみてよ』はそのままだったけど、最初はウケなかったらしい。そこに「おかんが忘れてしもて」「おかんが言うには」を足したら、ウケたんだって。」

昼休み、でネットで調べてみたら(注:おいらくんを疑ったわけでない)
M-1優勝のときのインタビュー記事をみつけた。
そこには、このテンプレは12年前からあり、ここ3年で「おかん」投入。ネタで「トリオ」になってM-1優勝を勝ち取った。とあった。

駒場のおかんに感謝!ミルクボーイ「M-1」優勝会見(会見レポート / 写真34枚) - お笑いナタリー (natalie.mu)

お笑いナタリー編集部

うまくいかないときって
・何がいけないのか
・何が足りないのか
と考えてはみるものの、肝心の「何」に、なかなかたどり着けなくて苦しい。
てか、そんなんばっかりですわ。人間50年すぎほどやってますけど。

見つかってしまえば「そらそうやわ」なんて思うものの
見つかるまでは「青い鳥」でしかなく
見つけた!と思えど、その命は儚く(すぐ飽きたり旬が過ぎたりする)
見えない存在を信じて探すこの時間が報われなかったらどうすんねん!
と怒り気味に恐怖におびえるしかないときもある。
妄信的に「あるのよ。どこかに。私はみつけるわっ!かならずっ!」と瞳の中に星がキラキラしている昭和の少女アニメのヒロイン気取るのもちょっと痛いけど
所詮人生そんなもんで「坊やだからさ」と赤い彗星を気取るのもちょっと惜しい気がするのだ。

どっちなんだい(いきなり、きんに君投入)

夢見がちな五十路のおばちゃんを推すような、物好きはこの世にいないと確信しつつも、わたしはいつも「ちょい足しの妙」をどこか探している。

ひらひらワンピに花かごもって、ルンルンと森へ出かけるような気持ちでね
現実は、ゲームチェアに胡坐をかいて、ひぐらしパソに向かひ、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくかきつくり、またよみふける
そんな時間の中で、不意に見つかるちょい足しの妙は、やはりキラキラしていてニマニマさせられる。

妙(みょう・たえ)
1 言うに言われぬほど美しい。
2 奥深く味がある。きわめて巧みである。

妙(たえ)の意味や読み方 わかりやすく解説 Weblio辞書
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・ミルクボーイは、駒場くんのおかんをちょい足しで、ネタを妙に仕上げた。
 →関西おかん、特に芸人さんのお母さ様方は奥行き深いことが多い
・マヨネーズに味噌ちょい足して、きゅうりにつけたら妙においしかった。
 ナンプラーちょい足しでもいけるらし。
 →味噌汁だけじゃない!熟成されたコクと深みが野菜の旨味を引き立てる
・塩おむすびの塩を「トリュフ塩」にしたら、コクがでて美味しかった。
 →カルディとか久世福商店に売ってるからぜひやってみて。おすすめは白

※食べもんばっかりやな

ちょい足しアイテムは、量こそちょいだが、その奥行きの深さが利いて、全体を「妙」にしつらえてくれる。
少なすぎるとわかりにくいが、多すぎるとしつこくなる。
「ちょい」が、このうえなく巧みですぐれていなくてはならない。
これを「絶妙」と言うらしい。

おいらくんとの雑談は、毎日30分の定例WEBミーティングのほんの一部。
ミーティングは始まってもうすぐ1年になろうとしている。

毎回すこしだけでも足される雑談は、その30分を妙にしている。奥深さを増す時間なのだ。私にとって。

実は、初めましての頃、おいらくんは緊張をほぐそうと、雑談「ちょい足し」を意図的に毎日続けてくれていたようで、私が、その存在と妙にはっきり気づいたのは、今年のゴールデンウィーク前だった。初めましてから半年たっていた。(めっちゃ遅い&鈍い)
気づいた理由は
・お互いの真意を裏読み
・言いにくいことを抑え込み
・無駄に技術屋プライドバトル
が全く起こらず、不思議なほどに穏やかに、けれど仕事はサックサクと進んだ半年を「そういえば」と振り返ったから。気づかされたというか。

将来の「縁側deお茶友達」選手権のエントリーナンバー3番の立ち位置にはなれたんじゃないかと、勝手に思っている。

もう今は、アイスブレイクではなく、とっくにメルトダウンして、かりかりキャラメリゼの香ばしさまで味わえている気さえするのだ。これもまた妙である。時の流れに任せて、最新フレーバー次々登場。楽しいもんだ。

いつも機嫌よく仕事できることに感謝の毎日なのである。

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