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パスパルトゥーの青い夢:売れる絵と描きたい絵のリアル
売れない自信作、並べるなり飛ぶように売れる手抜きの絵。
パンクな青年が喜ぶ絵、よくわからないおじさんが安値で買っていく絵、 そして、お金持ちのマダムが好む絵...。
必死に描き続けるうち、私は「高値で売れる絵の傾向」というものが存在することに気づいてしまった。
自由に筆を滑らせる楽しさ。
売れ残った絵を破棄する虚しさ、キャンバスに積もった埃のざらついた手触りまで思い起こされるような苦い感覚。
描いた絵が高値で捌けた瞬間の快感、 預金残高が増えていく高揚感。
そして私は、描きたい絵を描くことよりも、売れる絵を描くことを選んだ。
アーティストとして何か大切なものを失ったのではないか?
そんなことはない。
私は美術館に金の彫刻がつくられるほどの、”成功”を手にしたのだから。
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