#2 Cloudberry Jam 『CLOUDBERRY JAM』(1995) | 秋の始まりにスウェディッシュポップなんていかがですか?


「この曲いいよ!」くらいな軽い気持ちでアルバムを紹介しつつ、どさくさに紛れてエッセイのようなものを書いていこうと思います。


 最近めっきり秋らしくなってきましたね。第2回目の投稿では、そんな今頃の季節にぴったりな1995年にリリースされたこの一枚、Cloudberry Jamの『CLOUDBERRY JAM』を紹介します。


スウェディッシュポップって知ってる?

 まずは聴いてみてよ、ということで一曲目はアルバムから『Waiting For Another Day』

 どうですかこの爽やかな疾走感。今すぐにでもドライブやサイクリングに出かけたくなりませんか。これ、スウェディッシュポップというジャンルになります。こんなニュアンスの曲、なんか聴いたことあると思った人もいるのではないでしょうか。

 スウェディッシュポップは1990年代に日本でも人気があり流行ったジャンルです。ここでいう「スウェディッシュポップ」とは、スウェーデンのポップス全体を指すわけではなく、90年代にスウェーデンで流行った音楽をいいます。とりわけ、トーレ・ヨハンソンというプロデューサーが手掛けたアーティストを中心としたギターポップ(インディーポップともいう)アーティスト群、といった意味で使われることが多いようです。

 90年代スウェディッシュポップの代表的なバンドとしては、やはり、トーレ・ヨハンソンプロデュースによるカーディガンズ(The Cardigans)とクラウドベリージャム(Cloudberry Jam)がよく挙げられます。もちろんトーレ・ヨハンソン関係以外でも エッグストーンやメイヤなど、多くの素晴らしいアーティストがいます。

 トーレ・ヨハンソン?誰それ?と侮るなかれ。カーディガンズやクラウドベリージャムで一躍有名になった彼は、日本でもカジヒデキや原田知世、BONNIE PINKのプロデュースを手掛けスウェディッシュポップを牽引していきます。90年代以降もスウェディッシュポップではありませんが、英国のフランツ・フェルディナンドやニューオーダーなどもプロデュースしています。まさに世界的音楽プロデューサーですね。

 このアルバム、すでにスウェーデンで発売されていた『Blank Paycheck』とEP『The Art Of Being Cool』という2枚のアスバムを一つにまとめたものです。日本のインディーズ・レーベル「クアトロ」から、日本向けに1stアルバムとしてリリースされました。このEPの方がトーレ・ヨハンソンのプロデュースになります。曲で言うと14~16曲目あたりです。アルバムジャケットはEPのジャケットが採用されています。

    とまあ、トーレ・ヨハンソンについて力説してしまいましたが、今回この投稿で紹介する曲は、すべてトーレ・ヨハンソンのプロデュースではありません。うっかり。てへぺろ。

クラウドベリージャムの魅力は…

    さて、ここでアルバムから2曲目『By Your Side』

   ようやくこのアルバムの感想です。これぞスウェディッシュポップだよ!と紹介したものの、クラウドベリージャムはロック感というかバンドサウンド感が強いんですよ。この1stアルバムは特に。カーディガンズなんかはもっとネオアコ感というかポップス感が強いです。

   良く言えば、余計なアレンジがされていない硬派なスウェディッシュポップと言えるでしょう。悪く言えば、一本調子な印象を受けるかもしれません。なんて言うんでしょう、オシャレはオシャレなんだけど、一年中ジーンズ履いてる、みたいな。美味しいは美味しいんだけど、全部塩味、みたいな。だがそれがいい、みたいな。

   クラウドベリージャムも2作目以降はもっとソウルやディスコっぽい影響が入ってきてメリハリのある曲が増えていきます。名盤と言われるのは2ndアルバムの『Providing the Atmosphere』になりますね。でも、私にとってスウェディッシュポップの一番美味しいところって、この少し几帳面で軽やかなエイトビートなんですよね。毎年秋になると必ず聴いています。本当に大好きです。

 それにしても、日本人ってスウェーデンの音楽が大好きですよね。この90年代のスウェディッシュポップ以外にも、ABBAに始まり、The Hives、Peter Bjorn and John、Avicii、マイア・ヒラサワなど流行りましたよね。アーティスト名を知らなくても、曲を聴けば「知ってる!」となることうけあいです。

 日本人って、と言ってみたものの、シングルヒットチャートで世界1位を記録した曲数で世界3位の作曲家はスウェーデン人だそうです。(1、2位はジョン・レノンとポール・マッカートニー。3位のマックス・マーティンはブリトニー・スピアーズやケイティ・ペリー、テイラー・スウィフトなどに楽曲を提供しているそうです。)恐るべし、音楽輸出国、スウェーデン…

スウェディッシュポップとドライブに出かけよう!(サイクリングでも可)

 それでは最後に、私の一番好きな曲です。アルバムから『Walking In My Sleep』

 本当はスウェーデンってどんな国?とかクラウドベリーってどんなベリー?とかいろんな視点で書きたかったんですが、うまくまとまらないなーと思いながらネットサーフィンをしていたらすごいサイトを見つけてしまいました。それがこちら


 圧倒的アーカイブ。しかもnote。すごい…


 スウェディッシュポップの代表格として挙げられるカーディガンズとクラウドベリージャム。実はクラウドベリージャムは日本でこそ人気でしたが、本国ではそこまでだったそうです。なのでこの投稿のために調べても日本のウィキペディアの方が情報量が多いという。もし、もっとクラウドベリージャムのことを知りたい!という方がいましたら、こちらのファンサントをご覧ください。おそらく世界で一番のファンサイトです。

 さてさて、なんだか誰でも書ける当たり障りない内容になってしまったので、クラウドベリージャムとは関係ないですが少しだけ私の思い出話を。

 みなさんはサイクリングってした事ありますか?昔は家族でサイクリング場に行くなんていうのがレジャーのひとつでしたね。私も家族で行って複数人乗りの自転車や、健康器具みたいな動きで漕ぐと前に進む自転車なんかに乗った記憶があります。

 そしてサイクリングと聞いて思い出すことがもうひとつ。小学生の1年生か2年生の頃、親に体操教室に通わされいたんですが、その体操教室のイベントで保護者抜きでサイクリング場に行く、というものがありました。当時二輪の自転車に乗れなかった私ですが、家族との楽しいサイクリングのイメージに引っ張られて無謀にも参加してしまったんですよ。

 しかし、そこは体操教室のサイクリング。みんな二輪に乗れるわけですね。私は乗れません。でも周りは全員乗れます。私は乗れません。サイクリングに着くと先生が有無を言わさず二輪の自転車を配っていきます。私は乗れませんが受け取ります。先生を先頭にスタート位置に手押しで移動します。私は乗れませんが手押しでついていきます。そしてみんな楽しそうにスタートします。私は、乗れません。

 どうしたかと言われれば、スタート地点で涙目になりながらも何とか乗れないものかと孤独に格闘した私は、自分の限界を悟り、他のお客さんの邪魔にならないようにコースの脇の建物の裏の方に隠れたあと、教室のみんなが戻ってきて一呼吸置いてから何食わぬ顔で合流しましたよ。ええ。

 そんなほろ苦い思い出も、クラウドベリージャムを聴くとあら不思議、友人たちと楽しくサイクリングしている心象風景に早変わり。(記憶捏造)

 Hurra!Cloudberry Jam!(クラウドベリージャムばんざい!)

おまけ

 クラウドベリージャムの紹介投稿ですが、スウェディッシュポップに興味を持ってくれた方の為に、他のアーティストのオススメ曲を貼っておきますね。きっと一度は聴いたことある曲ばかりですよ。


◆カーディガンズ

渋谷系好きとして有名なSMAPの稲垣吾郎さんもカバーしていたとか、ナイスセンス!

ペプシのCMで中田ヤスタカプロデュースでPerfumeがカバーしてましたね。

◆メイヤ

ぱらっぽんぱらっぽん~♪メイヤはジブリのカバーアルバムなんかも出してるので親しみやすいですよ。

◆原田知世

かわいい!楽しい!


 他にも国内外にスウェディッシュポップの名曲はたくさんあるのでみなさんも探してみてくださいね。それではまた次回!

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