HRナレッジ② 育休
令和4年の労務の目玉トピックスの1つが「育休制度の拡充」である。
【背景】
令和2年における育休取得率は女性81.6%、男性12.65%と日本は特に男性の育休取得率が低く政府として奨励したい意向がある。
【前提】
そもそも育休とは「原則、子が1歳未満の間に男女が取れる休業」である。
例外として「子が1歳の時点で保育所に入所できない場合は1歳6か月まで延長可能」であり「1歳6か月の時点で保育所に入所できない場合は2歳まで延長可能」が存在する。
特例として「妻と夫の双方が育休を取得した場合は子が1歳2か月に達するまで延長可能=通称''パパママ育休プラス''」や「出生後8週間内に育休を開始および終了した場合は再取得が可能=通称''パパ休暇''」が存在する。
給付は「育休開始後から半年間まで給与の67%(上限は月額304,314 円)、半年以降は50%(上限は227,100円 )」である。
また本稿では詳細割愛するが、出産手当金(産前6週前+産後8週間の間に直近1年の月給の2/3が給与:出産後に健康保険組合に要申請)や出産育児一時金(子1人あたり42万:大半の病院で窓口対応可)も支給される事を覚えておく必要がある。
対象となる従業員は「1年以上雇用されており、子が1歳6か月までの間に労働契約が満了しない事」である。
【育休制度の''変更''点】
令和4年4月1日~
①社内に制度内容を浸透させて相談窓口を設ける義務が発生する。
②労使協定を結ばない限り入社1年未満の従業員も対象にする事が可能
=労使協定を結べば入社1年未満の従業員は引き続き対象外に出来る。
令和4年10月1日~
③従来は原則は分割取得が不可だったが2回に分割する事が可能となった。
④1歳以降の延長開始時期は1歳または1歳半のみの2回に限定されてたが延長後の育休開始日が柔軟に設定する事が可能となった。
⑤育休中は月末日が育休中だと当該月の社保料が免除されるルールであり、例えば賞与支給月の月末に1日の育休を取れば当該月の給与+賞与の合算の社保料が免除されていたが、新たなルールでは賞与の社保料を免除するには育休を1か月以上取得する事となった。但し給与は引き続き月末日が育休日であれば社保料である。よって上記④および下記⑤を組み合わせると育休が4回に亘って取得できる事から、計4日の育休を取得するだけで4か月分の給与の社会保険料を免除する事が出来てしまう。
【育休制度の''新設''点】
令和4年10月1日~
⑤夫は子の出生後8週以内に最大4週まで2回に分割して休暇取得が可能、 かつ労使間の事前同意があれば休暇中に所定労働の50%を上限に就業する事も可能=通称''産後パパ育休''の新設。この新設および上記③の変更に伴い上述の‘’パパ休暇‘’は廃止される。
当該期間においては、就業日数10日以下または10日以上でも就業時間が80時間以下の場合は給与に加えて給付金も同時に取得可能。
令和5年4月1日~
⑥従業員1,000人以上の事業主は育休取得状況を年1回公表する事の義務化。
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