追いかけた九星へ

 Liella!は11人になります。

 9人への気持ちを残します。


9. 鬼塚夏美 & 絵森彩

・鬼塚夏美

 クソガキっぽい顔と体型と言動が好き。テレビアニメ2期序盤、明らかにいるべきシーンで全く出てこずひたすらバイト風景のみが描写されるアブノーマルさにワクワクした。
 何かしら特別なものを持つスター揃いの1期生と対照的に2期生は「普通」であることがキーであると思っているけど、鬼塚夏美もそんなバックボーンだった。夢を諦めてきたにも拘わらず動画配信という己なりの道を見つけるバイタリティを持つ人間なので、同級生にも先輩にも良い影響を与えているんだろうなと思う。結構精神的に大人っぽいところもある。次期部長でもいいと思う。
 小せえので可愛い。割といつ抜かれても(可愛いなこいつ)となって悔しくなっていた。『WE WILL!!』で見せるようなジト目気味の人をなめた顔が好き。故に『Sing!Shine!Smile!』で見せた真面目な大人顔も却って映える。『ビタミンSUMMER!』はこの人が生み出したと言っていい上がり曲。表情は豊富な方なので楽しいと思う。『Eyeをちょうだい』も彼女らしい楽しさと良い意味でのやかましさがあって良かった。

『Sing!Shine!Smile!』より


 で、姉者らしい。流石に驚いた。確かにまだ一番深堀りされていない感じはあったけど、まさかそこまでデカい設定を隠し持っているとは思わなかった。姉だと言われれば確かに姉っぽい部分も割とあった気もする。視聴者大絶賛の(私も好きです)きな子への助言シーンとかね。
 まあつまり3期生にそう劣らないぐらいの未知部分があるということなので、楽しみに待とうと思う。Eyeでも愛でもくれてやる。


・絵森彩

 快活という言葉が本当に似合う、素敵な笑顔を持つ人。伸びやかな歌声が良い。夏美として喋るときは比較的変声枠なんだけど、芯の強い歌声のおかげで夏美の二面性を表現できていると思う。『MIRACLE NEW STORY』2B「からだ 宙に 浮かびそうだ」の溌溂さとキレが特に好き。スポーツマンらしい大胆な動きも見ていて気持ち良い。
 本当に人懐っこい人だと思う。Liella!内だけでなく先輩グループキャストともすぐ打ち解けている感じがある。口数が多いのでいるだけで場が賑わうという側面もある。頼もしい。
 よく覚えているのが、2期生キャストが発表された直後の時期、頻繁にSNSの更新をしていたこと。誰のことも何も知らずにいた私たちにとってあれはありがたかった。どういう人か伝わりやすかったから。そんな意図は無かったと思うけど、まるで一人で気を吐いているようだった。
 3rd宮城day2、マイクを外して私たちに「大好きだっちゃ!」と叫んでくれた。そんな彼女は「Liella!の一員として自信が持てなかった」と語る。歳不相応な程に気遣いができる彼女だからこそ、尚更多くのモノを抱えていたのだろうと思う。そんな不安を抱えながらも、私たちのことを「大好きだ」と叫んでくれたのかと思うと、とても胸が痛い。きっと私はあの「大好き」が、宮城に響いた生声が、一生自分の耳に残って離れないのだと思う。至極当然のことを言うけれど、私は絵森彩がいないLiella!を受け入れられないよ。あなたの笑顔が無いとLiella!じゃない。みんな絵森彩のことが好きだ。こっちの方が大好きだ。
 絵森彩の笑顔が好きで、絵森彩が賑やかす9人の雰囲気が好きだ。3rd埼玉day2の『ユニゾン』で、子供のように泣きじゃくる姿を間近で見た。私はキャストが涙を流す瞬間が好きなんだけれど、あの時だけはなぜか「泣かないで」と強く思った。もちろん泣くのがダメという話ではない。泣くほど気持ちが溢れていたことが本当に嬉しくもあったんだけど、上のように思ったのは多分、この人の笑っている顔が好きだからとかそんな理由だと思う。大人の女性になりたいと彼女は言うけど、喜怒哀楽が分かりやすいところも好きだよ。というか、十分すぎるほど大人だと思う。
 3rd北海道day1、前から2列目で見ていた私に対して、前に立っていた二人の観客の間から覗き込むように私に手を振ってくれた。そんな特別な思い出がある。きっとこの思い出だけでこの先十分生きていけるけど、何度でもあなたから特別な思い出を貰いたいので、またあなたのことを見ると思う。
 Liella!に入ってくれてありがとう。Liella!の、「鬼塚夏美役 絵森彩」へ。
 



8. 若菜四季 & 大熊和奏

・若菜四季

 能面なのが良い。こういう人間がスクールアイドルやってるのがとても良い。クールで体型が良くて一人の人間にデカい感情を抱えている。なんというか独自のポジションを確立している感じがある。
 何よりあの「言わないで…」である。2期生を伝えるにあたりどんなアプローチをしてくるのかと思えば、若菜四季に用意されていたのはあのドアップ5.37秒だった。人間が人間に惚れるには十分すぎるモノだったと思う。やり方次第でいくらでも人を落としうるキャラクターデザインと性格だと思うので、もっと目立つといいな。
 スクールアイドルとして成長する過程で社会性を手に入れつつあるのが良い。とても親心を抱えてしまう。そうやっていろいろなものを知っていって、若菜四季だけの世界をもっと味わせて欲しい。センターのMVとか見たいよ。

言わないで…


 歌割り的に米女メイと並んでLiella!の急先鋒みたいになっていて素晴らしい。最近になって目立つパートが多くなっていった印象。『キラーキューン☆』ラスサビの「あっと必ず言わせるね」とか、こんなに感情を出した歌声が聞けるようになったのかと感慨深く嬉しかった。『ガラスボール・リジェクション』ではやっぱり独特の世界観があった。面白さがあって良い。加入によって確実にLiella!の歌声を変化させたと思う。MV・ライブシーンでも多様な表情をもっと見たい。
 どんな先輩になるだろうか。米女メイ以外との関係性を今からどう構築していくのかが楽しみでもある。でも一番は米女メイであって欲しい。それは望むまでもないだろうと分かるけども。ガラスボールのような心が、Liella!の中でどんな煌めきを放つのか、とても楽しみである。

・大熊和奏

 一周回ってクソ真面目だと思う。絶対面白いこと言わなきゃみたいな使命感を感じる時がある。そこが逆に面白い。なかなかいないタイプだったので、良い意味でLiella!の雰囲気を変えてくれたと思う。
 ダンスが本当に魅力的。髪と上半身の揺らし方が明らかに違うというか、異彩を放っている。目を引く。『揺らぐわ』なんか特に見応え十分。イケ女的な表情に何度もメスにされた。中性的な顔立ちだからこそ偶に見せる大人の顔の妖艶さも凄い。『色づいて透明』の2Aで見せるウィンクにずっと撃ち抜かれている。一番好きな表情は『パレードはいつも』で見られる。そもそもあの曲中で見せるいたずらっぽい顔が好きなんだけど、間奏で薮島朱音にだけ見せる顔が特に良い。上目遣いで控えめに手を差し出す、強引に手を取られた嬉しさで少しだけはにかみながら、少しだけ目線を上げて相手の顔を見る、安心したように手を握り合う。もどかしいけど確かに想い合ってる、四季とメイ二人だけのパレードのような時間、というものがよく表現されている。ピンと来ない人は映像が出たらよく見て欲しい。
 3rd埼玉day2、四季にどれだけ近付けるか、という目標に対して、「もうね、背中も見えなかった!」と自嘲気味に笑って言った顔が、本当に清々しくて印象に残っている。晴れやかな笑顔だった。キャラクターに近付きたい、といった言葉はこのコンテンツのキャストからよく聞く言葉で、その過程や結果について正解はなくて各々で究めていくものだと思っているけど、大熊和奏のあの笑顔は、彼女が彼女なりに全力でキャラクターに向き合った結果なのだと、それだけで十二分に伝わるものだった。その本気さが嬉しい。きっと私たちの想像を遥かに超える程度の努力や研鑽があっての結果だと思うから。そのまま究め続けてくれたら嬉しい。凄いと言うことぐらいしかできないけど、ちゃんと見てるので。
 その人間性でANNのレギュラーの座すら掴んだ。メンバーから愛されているのが伝わる。パフォーマーとしても面白い人としても、いつも楽しませてくれるところが好き。Liella!に入ってくれてありがとう。



7. 米女メイ & 薮島朱音

・米女メイ

 目付きが悪いのが良い。カッコイイ枠なんだけど、なんだかんだ可愛いところも沢山見られて良かった。かなりまともな人間性を持つ、普通の女の子だと思う。その普通さが良かった。憧れを持ってたからこそ慄いて一歩が踏み出せず、加入後も普通に怖がるところは怖がって、実力差に自信を失う。その上で正しく乗り越える。スクールアイドルは普通じゃない人間の方が多いから、ちゃんと普通の感覚を持っていることが却って良い個性だなと個人的に感じた。
 普通だったからこそ、2期7話で葉月恋を助ける役回りができたのだと思う。そもそも生い立ちが普通じゃない葉月恋が「普通」を手に入れる話で、「普通」側の観点からどうあるべきかを助言できたこと、あれは2期生と1期生を繋げるという意味でも良いトリガーになったと思う。先も述べたがこれもちゃんと特別な個性だ。チームに絶対必要な人材。
 ライブシーン、しっかりアイドルらしい可愛い顔が多くあったので良かった。『Chance day, Chance way!』での表情が好き。素晴らしく「特別」な可愛さ。『ビタミンSUMMER!』冒頭で一瞬映るカットとか、結構遊び心もあって良い。歌声はクール目の声だけじゃなくて結構幅広い。この辺後で語りたいところだけど、歌割りでは大分いい役を担ってるなと思う。四季と一緒に曲の幅も広げてくれた。『揺らぐわ』は米女メイの曲と言っていい。『茜心』はらしいピアノの音で聞いているだけで色が浮かんでくるようで良い。

『Chance day, Chance way!』より

 2期生全体に言えることだが、Liella!は『ラブライブ!』優勝グループとなった訳で、もう「追いつけ」とも言ってられない立場になるのだ思う。どちらかと言えば言われる側になる。どういう態度で後輩・そして先輩と接するのか。メイなんかは特にその辺りどうあるべきかまで気が及びそうなので、楽しみにしたい。先輩になっても、茜色の心はそのままでいて欲しいものだ。


・薮島朱音

 声の出し方が好き。演技も歌も諸々上手だな~と思う。テレビアニメ2期5話で、加入前の夏美に対してメイが不安を漏らすシーン、「(1期生との)実力に差があるって、はっきり、分かっちゃうよなって…」というセリフがあるんだけど、そこでの息の使い方が好き。メイの不安がよく伝わる。
 歌も上手で安定感があるんだけど、それだけじゃなく遊び心がいろんな曲で出ていて楽しい。米女メイのベースは低くてクールな声なんだけど、そのベースであそこまで遊べるのは結構凄いなと思う。特にお祭り曲の『POP TALKING』、『キラーキューン☆』の二曲共でかなり印象的な節が米女メイに任されていて、それは偏に薮島朱音の余力が為したことなのだろうなと思う。あと顔が好き。表情自体はあまり動かないんだけど地の目力でしっかり圧倒するタイプ。見ていたら引き込まれそうになる。
 3rd北海道day2で、「『揺らぐわ』をどういう表情でやればいいのか分からなかった」、と彼女は語った。いろいろな迷いやプレッシャーがあったのだろうとは思うが、あの曲の色はルージュで、あのステージは米女メイと薮島朱音のモノだと思う。私はあのステージが好きだ。みんな好きだと思う。普段緊張や自信の無さをよく口にする薮島朱音が、その綺麗な顔を自信満々に見せつける姿が好きだ。回を経る毎に表情に力が籠っていくようで見ていて本当に楽しかった。これからもっと綺麗に美しくなっていく貴女を見られると思うと、それだけで心が躍る。
 よく涙を見せてくれる。「泣くつもりなかったのに…」とよく言う。1期生への尊敬も、2期生への愛情も、涙ながらに言葉にして伝えてくれた。私はそれが嬉しかった。言葉に詰まるぐらい強い思いがあると、そのことが分かるだけで本当に嬉しいのだ。
 もっと頼られるように、メンバーを助けられるようになりたいとも語っている。私はどっちでもいいと思う。何があっても薮島朱音はLiella!に必要で、彼女が既にLiella!メンバーの助けになっていることなんて、裏側なんてわざわざ見なくても分かることだから。その上で、精一杯変わろうとする努力は見守ろうと思う。きっと素敵な先輩キャストになってくれるだろう。
 顔も声も言葉も、たまに見せるヤバいところも大好きだ。Liella!に入ってくれてありがとう。



6. 桜小路きな子 & 鈴原希実

・桜小路きな子

 良すぎる。まず名前の字面が良い。「きな子」という文字がとても可愛い。結局素朴が好きなかもしれん。芋っぽさと純粋なところが良いし、オドオドもするが肝心なところではしっかり勇気を発するのが素晴らしい、とても主人公属性がある。いそうでいなかった地味な見た目なんだけど、却って新しくて良い。コラボ案件イラストで毎回個人的に優勝している。顔が好きなんだと思う。
 2期2話での桜小路きな子に、本当に心を打たれた。9人になることは分かっていながらも、最初の加入者に「後輩が自分一人になってもいい」と言わせる、そのステップがあったのは物語としても非常に良かったと思う。自分に気を遣ってくれた先輩たちに食ってかかったのも良かった。実は度胸があるというキャラ設定もとてもハマっている。とにかくあの話できな子が示した勇気が9人で歩む道筋のスタートラインになったようで、感謝のような気持ちがある。
 歌声も判別しやすくて良い。ソロバージョン『追いかける夢の先で』が地味に好きだったりする。顔が好きだからライブシーンいつ映っても可愛い。『WE WILL!!』での印象的カット。あそこで映り込むのはそういうことなんだと思う。使命が与えられている。無邪気な顔オトナな顔クールな顔、いろんな曲でいろんな表情を見ていきたい。『TO BE CONTINUED』ではラストを飾る。聴くたびに手に力が籠る叫びで素晴らしく良い。
 『ビギナーズRock!!』、私は音楽には詳しくないんだけど、桜小路きな子がロックを歌うと聞いた時は、心底「その通りだ」と思った。きな子の性格にそのジャンルはぴったりだと思う。少々履き違えている(?)と言われるのもご愛敬。履き違えててもなんでもいい。そのままでいい。そのまま突き進んで欲しい。
 『MIRACLE NEW STORY』では澁谷かのんと並んで中心に君臨している。桜小路きな子、この存在はそういうことだと思う。明らかに、リーダーに近い存在になっていくのだと思う。その使命は軽くはないだろう。それでも、何も持たない自分を変えようと飛び込んだその勇気があれば、きっと背負いきれると私は信じている。いくら道に迷っても、拙くてもいい。胸を張って、ビギナーズRockを奏でるんだ。

アメリカンダイナー桜小路きな子

・鈴原希実

 鬼才。豪胆。ラブライブ!の隠し玉。よくもまあ一年も隠し通せたなと思う。かなり稀な境遇を経ることになったが、それによく耐えて見事に乗り越えてみせた。その魂胆を心の底から尊敬している。
 小動物感がとても可愛らしい。超が付くほど真面目で何事も徹底する。健気で”守ってあげたくなる”みたいな人、に見せかけて、この人の本質はそんな弱々しさからは全く離れたところにあると思う。初めにまず目付きが実は鋭い。話し方とか声からはそう思えないんだけど、特に『Second Sparkle』で見せる睨み顔が本当に鋭くて良い。普段の性格からのギャップでとても魅力的に見える。そういう顔つきのせいかちゃんと楽しくアイドル顔している時でも、決めに行った顔がより煽情的に見える時がまあまあある。『GO!! リスタート』のラスサビ前「皆で上 向いて」の「上」で首を一瞬傾げるところ、毎度ソロで抜かれるカットなんだけどとても可憐かつ煽られるような魅力がある。目力とはまた違うんだけど、掴まれる何かがある。とにかくこの人も顔の作り方が好き。
 均されていない声の出し方も良いなと思う。素っぽい声だからこそ桜小路きな子の良さを引き出せている。独自ブランドっぽさもあるし、どんな声優になっていくかは非常に楽しみである。
 度胸が凄い。というより度胸という概念があまり無いように感じる。「あの時実はこうだった」という話をすることって結構勇気が要ることだと思うのだが、この人は突拍子もなく、誰も予想していないタイミングでそういうのを放り投げる時がある。普通の人が怖がるところを怖がらない。自分の中の良くない感情とか、引け目みたいな表しづらい内面もちゃんと伝えられる強さがある。生半可な胆力じゃない。
 だからこの人について、なんというか全然心配してない。そもそも「オーディション実は合格です、でも一年待ってもらいます、これからデビューする5人を見ていてください、その後にデビューします」なんて無茶をその身で乗り越えた人なんだから、大抵のことは得意の努力と胆力と、持ち前の悪魔的なあざとさで乗り越えるんだろうなという安心感すらある。
 3rd大阪day2での「『WE WILL!!』ですらこの先何度聞けるか分かったものじゃないんだから、一回一回を噛み締めて欲しい」という発言、とても恐れ入った。失礼な話、私はそれまで2期生に対して親目線のような見方をしていたのだけれど、件の発言を聞いた時、ああ遅れて入ってきたこの人たちもちゃんと私たちのことを引っ張ってくれるんだなという頼もしさを感じて、急に背筋が伸びる感覚がした。きっと私が気付くずっと前からそうなっていたのだと思うが、それを実感させられたのが鈴原希実であったことには、何となくご縁のように感じる。中心に立つ存在として選ばれるべくして選ばれた人なんだなと思う。
 とても面白さを感じる人。まだまだ底が見えていない。やり過ぎなくらいあざといところも黒いところももっと見たい。このグループで、桜小路きな子と共に、人一倍強い「ラブライブ!に対する想い」を、好きなだけ解放して欲しい。それ全部を受け止めたい。Liella!に入ってくれて、待っていてくれてありがとう。



5. 葉月恋 & 青山なぎさ

・葉月恋

 憑き物が取れたようで清々しさがある。丁度いいところに収まった感。程よくネタにされて、締めるところは締める。とても良いポジションだと思う。
 2期7話、「ずっと遠い世界の人だと思ってた」というきな子のセリフにもあるように、葉月恋にも普通に高校生らしいところがあると他のメンバーに伝わる。ゲームにハマるという出来事は、きっと葉月恋自身も自覚が無かったであろう、自分が持つ「普通」の部分を知ることができたという点で重要な出来事であったと思う。更に「普通」である自分を自覚した上で、それを許してくれるLiella!と結ヶ丘のことが愛おしくて、その万感の想いのままにピアノを弾いてエンディングを迎えるという流れがとても素敵だった。相棒が書いた歌詞を見て「いい歌…。」と慈愛の籠った一言も本当に良かった。ささっと綺麗な旋律を奏でたことで、手に入れた「普通」とは別としてちゃんと英才教育の末の浮世離れした実力みたいなものも示されたのも良かったと思う。
 『Chance day, Chanece way!』でのハチャメチャなアレンジ好き。解放されたような良い顔が多かったと思う。『Sing!Shine!Smile!』での慈愛が込められた顔も良かった。でも2期楽曲という面ではメインから結構遠ざかっていたようにも思うが。『ミッドナイトラプソディ』は『微熱のワルツ』に続いて非常に味が出ていて良かった。作曲家としてどの曲も一筋縄のメロディーラインでは済まさないぞとする感じが良いブランディングだと思う。夢中になれるものに対してドツボにハマっていく己に戸惑いを覚えつつも楽しくて仕方がないという心の動きが曲で表されていてすごく充実感がある。これからもこの人の楽曲でワクワクしたいと思った。
 結ヶ丘の生徒会長として、Liella!の運営側として真ん中に立つことが多くなっていった印象。型にはめられたようでそうでない、抑えきれない何かがまだ奥底に眠っているようにも感じる。だいぶ開放されてきたけど、まだまだこのグループにとって台風の目にもなれるような気もする。そういう部分に面白さを感じる。葉月恋の狂詩曲はまだ奏で始めたばかりなのだろう。

『Sing!Shine!Smile!』より

・青山なぎさ

 完璧超人お姉さん、肩の力が抜けてきたように感じる。従来の葉月恋らしいピシッとした動きも好きだけど、その母体の変化に伴ってパフォーマンスにも遊びが増えてきて却って凄みが増したようにも思う。『WE WILL!!』間奏の二回転からの葉月恋ポーズはひたすら凄い。美しい。『スター宣言』間奏入りの見返り美人ポーズ、お顔の精悍さが良く活かされていて素晴らしい。『Welcome to 僕らのセカイ』2B「ハラハラするのは」の遊び心の籠ったハラハラ顔が余裕を感じさせてくれて楽しい。やっぱりこの人のパフォーマンスはいつ見ても素敵だなと思う。鍛えられた体躯が為す確かな実力。大きな信頼がそこにある。
 『ザテレビジョン』のインタビューで自称していたけど、平場では積極的にボケることは減った印象。他に天然で爆発する人が増えたからかな。多角度に話を振りつつ必要とあらばボケに回るみたいな、年長者らしい立ち回りに落ち着いていた。まあ流石だなあと思う。ただ北海道day1のライブ終わり当番挨拶、ちゃんと葉月恋で一言述べた後©ダジャレクイーンの「北海道はでっかいどー!」を全力でやった姿、なんというかあの人なりの矜持を感じた。なんか一周回ってめちゃくちゃかっこよかった。葉月恋は葉月恋だが、青山なぎさは青山なぎさで、同一化だけが表現ではないという知見を得られたので見れて本当に良かったと思う。
 この人が私たちに本音のような気持ちを漏らす時はいつも大切な時だ。何でもできるようで実は不器用だから、胸に秘めているモノを表に出すのが難しかったりするのだろう。大人で、機転が利いて、各所へ配慮ができて、素敵で美しいこの人のそういう弱さも私はとても愛おしく思う。3rd埼玉day2、あれを話すことができたのは私たちへの信頼によるのだろうか。自惚れたくはないんだけど、話しても大丈夫だろうと思ってくれたのならそれは嬉しいことだと思う。簡単に弱さを見せない高潔なところも私は好きだけど、偶に本音を見せてくれる時間も好きだ。でもなんというか、別に無理に全部話して欲しい訳じゃない。「本音を出すのが苦手」なら、苦手はそのままでいい。何でもはできなくていい。気高く見せるか弱みを見せるか、要はタイミングに依る。好きな方を、出したい自分を見せて欲しい。私にできることは、見せてくれた姿を細かい所作まできちんと見て、ありのままをちゃんと受け取ることだと思う。ちゃんと全部受け止める。その愛がある。
 青山なぎさの誘導で、青山なぎさの姿を見て、その後ろにいる葉月恋を想いながら、「葉月恋!」とまた叫べる日を心待ちにしています。あなたが望むならこの先何度だって言うから。葉月恋を支えてくれて、Liella!でいてくれてありがとう。



4. 嵐千砂都 & 岬なこ

・嵐千砂都

 部長になった武士スクールアイドル。存在感がみるみる増していった。幼馴染への異様な思い入れを基盤にしつつ、持ち前のストイックさで集団を導く側へ。ずっとそうだけど振り切れていて清々しさすらある。己の為の一大決心には必ず「かのんちゃん」の存在があること、そしてその「かのんちゃん」の為ならと、自分からその存在を遠ざける決断ができること、畏怖の念すら抱きたくなる思い入れの強さ。ようこんなキャラクター作ったなと思わせるが、色が出ていて良いとは思う。
 ただその「かのんちゃん」の為にと2期終盤で下した決断には、彼女の良くないところも現れているとも思う。もう少し自分のことを大事にしてやって欲しいというか、決断がいちいち危う過ぎるところがある。それが嵐千砂都だと言われればそれまでだけど、もう少し「かのんちゃん」以外の部分も見えたら嬉しいと個人的には思う。岬なこも言っていたけど〇に関するこだわりについては澁谷かのんは関わっていなさそうなところでもあるので、そういった地の部分が分かる話があると良いな。逆に貫き通したらそれはそれでカッコイイが。
 小っちゃいので可愛い。顔立ちとか役回り的にカッコイイ描き方をされることも多いけど、そもそもの容姿が可愛い向きなので二度美味しい良さがある。『ビタミンSUMMER!』やんちゃモードは鉄板。『Chance day, Chance way!』での傾奇者ポーズはダンスリーダーらしいキマり具合が素晴らしかった。『未来の音が聞こえる』、下した決意の強さを表すかのような髪を遅した姿は、ただただ美しかった。『君を想う花になる』は、彼女らしい一途な想いがしっとり表現されていて良い。ダンスナンバーだけに収まらない魅力があるということ。
 部長としてスクールアイドルとして一人の人間として、どう収まるかが良い意味で読めない。尖り続けるのか和らぐのか、恐らくどちらでも良いものが見られると思うので、楽しみにしたい。誰を、何を想っていたとしても、彼女が素敵な花であることは間違いない。

『Chance day, Chance way!』より

・岬なこ

 やっぱりお母さん。ツッコミも弄られ方もすべて母性を感じさせられる。まあそうなるだけの大人らしい立ち回りと言動をしている。素敵な人間性だと思う。トークの回し力なんかも凄くて、いるだけでやはり安心感がある。いないと成り立たないなんてほどこのグループは弱くないけれど、いるおかげで場に緩急が付いて各々の個性が活きるのだ。そらメンバーからも愛されるよ。
 派手なことをやりに行く訳でもないが、やはり見せ方を”分かってる”パフォーマンスをする。確か過ぎる実力がある。『色づいて透明』1Aでのソロカットが可憐で良い。『駆けるメリーゴーランド』、伊達さゆりと作り出すどこか儚げなあの雰囲気は、この人が持つ「大人っぽい可憐さ」が故に生まれる空気感なのだと思う。どういう雰囲気にも合わせられる強かさも持ち合わせており、頼りがいというものをそのまま表したような存在感。とはいえそろそろ『常夏サンシャイン!!』のような主役曲も欲しいところだが。見せつけて欲しい。
 メンバー愛故の言葉が好き。Liella!に対して「個性が豊富で」と彼女は語るけど、あなたがそれを引き出しているんだろうよ。泣き崩れてしまう人に対して支える側に回ることが多い人だけど、大事な公演では毎回この人は泣いてしまう。1st宮城も2nd大阪も、3rd埼玉だってそうだった。day1ではLiella!のこれまでの歩みを振り返るような内容で、私たちが見てきたもの、感じてきたことをこの人たちはしっかり覚えてくれているんだなと分かるような話で、私はそれが嬉しかった。想い合えているんだなと感じられたから。day2では2期生が先輩である自分たちに対する想いを告げてくれたことに対する、返しのような言葉だった。やっぱりお母さんのような人だと思った。言うまでもなく思っていることだが、9人になってくれて良かったと、改めて思うことができた。人と人が結ばれる、結び目にこの人はいるんだなと。
 ツッコミも弄られ対応も、ちゃんとこなす姿が頼もしいとともに、愛おしくも感じる。そのままでいて欲しい。そのままのあなたが私たちにとっても安心の元なのだ。愛するメンバーと楽しく過ごしてくれているだけでこっちも幸せだ。Liella!でいてくれてありがとう。



3. 平安名すみれ & ペイトン尚未

・平安名すみれ

 2期生加入からの一年で一番印象が変わったかもしれない。このキャラクターが持つスクールアイドルとしての、ではなく地の人間性が強く出た結果のように思う。1期生の中でも一番お姉さんらしく世話焼きで、そういうポジションを確立した感はある。テレビアニメ1期で描かれていた、孤高で恥ずかしげもなく自分の夢を語り己の道を突き進もうとする姿と、それに相反して実は周りをよく見ていて優しく気遣いができる人間性の良さ、ここの背反性が結構好きだっただけに、後者に寄ってしまったのは少し残念でもある。「ショウビジネスへの回帰」という己の夢を方便に使ってしまったこと、結局澁谷かのんがブチギレたのもそこのセリフが原因だと思ってるけど、個人的にあまり見たい姿ではなかった。
 ただまあカリスマギャラクシースクールアイドルへの道中での過程としては全然アリだと思う。彼女がショウビジネスで成功できなかったのは人間が良すぎる部分が悪く働いたからだと思ってるけど(もう少し本能的に己のことだけ考えられる性格ならという意味)、しかしその人間性の良さは紛れもなく彼女の魅力なのである。先輩として、一部員として、Liella!というグループにああいう「大人」は絶対に必要でもある。要はバランスを見つけて欲しい。自分の良さは全部捨てずに、全部昇華していくことが彼女が目指すものへの道なんじゃないかと思う。このキャラクターはそういう導き方だと嬉しい。全部勝手な意見だけども。
 ライブシーンの平安名はカメラを意識しているっぽい決め決めの顔が結構好きで、2期曲の中では『Welcome to 僕らのセカイ』が一番良かった。やはり魅力的な顔をする。『GO!リスタート』のグーパンチも好き。センターポジションこそ無かったが大事なパートを任されることも多くその辺りは中の人含めて流石だなと思う。『Starry Prayer』はさっきの話で言う彼女の地の人間性がよく出ていて、刺さる人には刺さるんだろうな~という印象。
 『ノンフィクション!!』、『Day1』のような爆発性をこのグループにもたらせるのは平安名すみれだけだと思う。それがジョーカーとしての仕事だとも思う。Liella!で目一杯爆発して、ここで過ごす日々があなたの夢への一助になればいいなと思う。私はそれを星に祈る。

『GO!リスタート』より

・ペイトン尚未

 相変わらずの傑物っぷりで、流石にもう十代には見えないんだけど、まだ19歳らしい。末恐ろしい。パフォーマンスで示す実力はもう言及不要。最近はもう余裕が溢れて気品が出ている。切れ長の目で人を黙らせる美しさ。彼女だけの魅力。あまりにも強くて惹かれる。3rdでは1stと2ndで見せたような驚異的な爆発こそ無かったが、だからこそ多くは語らない凄みが醸し出ていて、それがずっと続くもんだから回を増すごとに勝手に魅力に支配されるような感覚に陥った。始まりから終わりまでラストの一つ前を飾り続けた『Day1』、Liella!の歩みと共に在り続けるこの曲で毎度のように猛威を振るう姿、貫禄の一言。ここのおかげでいつも公演がピシっと締まる。ラスト毎回この人の煽情的な顔を見るのが楽しみだった。
 卑屈なことを言わなくなった。謙遜や謝ることが多かった彼女だけど、最近はもうそういう言葉は減って、平場ではむしろはっちゃけ気味ですらある。凄く良いことだと思う。変わったというより単純に彼女なりの進化なのかなと思ったりする。メンバーへの信頼は前からあると思うけど、過ごす時間が長くなっていったが故に重荷が下りたのかなと思う。パフォーマンス時の貫禄が凄いもんだからそういう平場での姿を見ると安心する。
 年少組なんだけど先輩で、元々気遣い屋だからそういう立ち回りがとても多い。歳は下だが彼女なりの「先輩らしさ」が言動に随所で出ていて、素敵な人だなと思う。3rd埼玉day2、一人ひとりの名前を言っていく姿に、大きな大きなグループ愛を感じた。このグループとの出会いを愛してくれていることが何よりも嬉しい。3rd東京day1、「もう後ろは振り返りません!」と彼女は言った。きっとその暇も無いぐらい、洋々な前途が広々と広がっているはずだ。それを進む姿、これから更に階段飛ばしで大人になっていく貴女が楽しみだ。
 思い出がある。人生初めてライブに行った1st福岡で、ギャラクシーポーズをした私に同じポーズを返してくれた。そして嬉しいことに3rd埼玉day2、終盤トロッコで近くに来てくれた時に、あの時と同じようにギャラクシーポーズを交わすことができた。とてもとても幸せな巡り合わせだと思った。だからきっとこの先も、貴女を見かけたら同じポーズをしてしまうのだと思う。また交わすことができる日が来るともっと幸せだ。
 大人になっていくペイトン尚未が楽しみだけど、歳相応な「ペイちゃん」らしい姿もまだ見られると嬉しいな。平安名すみれと共に、素敵な歌姫になっていく姿を見られるならぶっちゃけ何でもいいんだが。銀河より更に煌めいてしまえ。Liella!でいてくれてありがとう。
 



2. 唐可可 & Liyuu

・唐可可

 Liella!のトレードマーク。ここにしかない存在感があって、唯一無二のキャラクター。いつだって”らしさ”がある。
 だけど、2期での描かれ方には少々不満がある。唐可可、横並びでLiella!メンバーが並ぶとき端の方に立つことが多くなってしまった。大事に扱われていないとは言わないが、そこじゃないだろとは思う。真ん中の方に立つべきでしょこの人は。立ち位置は澁谷かのんの隣であって欲しいというのが個人的な願望。性格とか描かれ方に不満がある訳でも無いので概念的な話になってしまうんだけど、まあそういう願望があります。あくまで願望です。Liella!のモーターとして、この人主導でグループが動いていく展開がこの先もっとあるといい。
 先輩になって、変わったというより同級生相手だけでは見えなかった頼もしさと本懐が随所に現れていて良かった。基本的には人懐っこくて可愛いが前面に出る人なんだけど、2期生の「できない」の気持ちを先輩側として一番に分かってあげられる人として、支えるという気持ちと行為がよく見られた。底なしの元気だけじゃなくて、関わってくれた人への厚い寄り添い方も素敵な一面だと思う。
 それをやる為に海を越えて来ただけあって、「スクールアイドル」というものに対する思い入れは生半可ではない。結果がどうとかでもなく、「スクールアイドル」であることそのものに意味がある、みたいな感覚的な部分を一番分かっている節がある。それを余計に押し付けもせず、独りよがりにもならない辺りが、彼女の思い入れが本物であることを証明しているよう。三年間、この人らしくきっちりやり切って欲しい。
 いつ映っても可愛いのはいつでも変わらない。『Welcome to 僕らのセカイ』サビの(so happy)、相変わらず最強であることを示している。ライブシーンでは最強こそが唐可可なのだ。『Sing!Shine!Smile!』で見せた、少し儚げで大人な表情がそれはまた素晴らしい。製作側からの愛も感じる。それでいいと思う。それが許されるべきでしょこの存在は。『星屑クルージング』、スクールアイドルでいられること、Liella!メンバーとの日常があること、そのどれもが唐可可にとっては愛おしくて、いつかは失うことを分かっていても「ずっと」ここに在るようにと願ってしまう、そんな彼女の気持ちがとても美しい。その日常はあなたが自分で作ったんだぞ。誇って欲しい。
 唐可可はトレードマークであるべきなのだ。だからもっと目立って欲しい。全然贔屓したって良い。その素晴らしきクルージングが、永遠を思わせるぐらい満足行くものになればいいなと思う。存分に、好きなだけ星を泳げ。

『Welcome to 僕らのセカイ』より

・Liyuu

 超絶面白い。何でも言えるし忌憚というものが無い。まさに敵なし。この人だけの間と切り口で何でも言っていつでも笑かしてくれるので大好きです。基本は幼げにはしゃいだりするのでずっと可愛い。コタツをホタテと言ってしまうところもまだ健在ですごく安心する。1期生だけでなく2期生からもマスコットのような扱いをされていて微笑ましい。
 しかしながらそれだけということもなく、最年長らしいエピソードも多々耳にした。特に2期生に対して、この人らしい無理が無い寄り添い方で力になってあげたそうな。本人は「先輩ぶるのが苦手」と言ってたし多分無意識でやってることが多いんじゃないかという気もするけど、結果的に年長者らしい立ち回りになっていたというのは、きっと偶然でもないのだと思う。Liyuuの他所での経験値は多分本人も気付かないほど自然にグループに寄与されている。外から見れば天然可愛いお姉さんだけど、きっと中にいる人からしたら頼れる部分が多いんじゃないかなと思う。
 スラっと長いスタイルに国宝レベルの顔面。何をやってても映える人なので挙げだすと暇がない。表情なんかは基本的に小技を挟まずに在りのままというタイプ。『Welcome to 僕らのセカイ』、唐可可の最強カットを実物でこなせるのはやはりこの人しかいない。『GO!リスタート』で黄色のリボンを髪に付けた姿が世界一可愛い。『ビタミンSUMMER!』、スタイルの良さが隠しきれない。『Second Sparkle』、新境地感ある。居るだけでもう100点。その美しさが見られるだけで誇りのような存在。
 私はその場に立ち会えなかったけど、3rd大阪day1でのファンへの問いかけ、グループにとっても大きな出来事だったんじゃないかと思う。ああいうことができるのもこの人ならではなのだろう。それは大きな武器でもあり信頼できるポイントでもあり、私たちにとってLiyuuは誇りなのだ。年長者としてこの人がいてくれる安心感がある。これからも無理ない自分で自由に、何でもやって欲しい。きっと皆ついていく。
 Liella!メンバーのこと、友達なのか妹のようなのかどう思っているかは分からないけど、この出会いが嬉しいんだろうなということは随所に伝わる。可可と一緒で、そもそも日本に来る決断をしていなければこの出会いすら無かったのかもしれない。そう思うと奇跡のような出来事だ。この奇跡が少しでも長く続けばいいと思う。Liella!でいてくれて、日本に来てくれてありがとう。



1. 澁谷かのん & 伊達さゆり

・澁谷かのん

 象徴。この存在がLiella!の多くを担っていて、この人が進む道がグループの道になっている。前からその傾向はあったけど、2期で更に強まった。そのぐらいカリスマ的に描かれていて、そこが個人的にも強く魅力を感じている。キャラクターコンテンツがここまで明らかに概念的なカリスマを描いているというのがまず面白い。この物語の始まりでもある彼女が味わった挫折についても、多くのモノを背負わされる運命によって起こった出来事なので、そういうキャラ付けなんだろうと思うことにしている。
 2期では後輩を誘う役として、多少過剰気味なぐらい活躍が描かれていた。そこまで澁谷かのんで行くのかと思った。1期で見られたポンコツな部分はほとんどなくなっていて、集団を先頭で引っ張る存在としてひたすらに象徴的に描かれていた。なんというか澁谷かのんだけが達している領域があって、他の8人もそれを100%は理解していないけどそれでもついていきたくなる、みたいな構図のようにも見える。ずっと前から澁谷かのんに惚れこんでいる私からしたら、それが物凄く面白かった。尚更この存在について興味深くなった。いろいろ言われたテレビシリーズではあるけれど、好きになれるかどうかは別として、この存在の印象付けだけは須らく上手くいったのではないかと思う。
 最終的にいるのかいなくなるのかみたいな話になったのも、やっぱすげえと思う。存在そのものが物語のキーを握るんだなと。どうやっても人を魅了してしまう、何をやっても注目される、本人は認めないんだろうけど、「普通の女の子」からかけ離れ過ぎている。具体的にどこが魅力とか、なんかいまいち説明できる気がしない。説明してしまうと野暮のような気もする。一つ言えるのは、ひたすらひたすら面白い、私の興味を搔き立てる存在であるということ。これからも追いかけ続けるのだろう。
 大体真ん中にいるんでどのライブシーンでもかなり映る。『Welcome to 僕らのセカイ』、桜小路きな子へ向けられているであろう、誘うような笑顔が魅力的。『GO!リスタート』、ヘアピンが可愛い。『ビタミンSUMMER!』は端の方に居るので新鮮。製作的にも澁谷かのんで結構遊べた映像だったと思う。『Chance day, Chance way!』、答えに至った晴れやかな笑顔が印象的。あの笑顔だけで満足できる。『Sing!Shine!Smile!』、Liella!の皆と居られる幸せを一番に体現している。『未来の音が聞こえる』、「ラブライブ!」よりもずっと先を見ているかのような、覚悟が決まりきった微笑みが印象的。


 Liella!の道が、結ヶ丘の道が、あなたと、交わりますように!
 

『ラブライブ!スーパースター!!2期』第8話 より

 私この言葉だけで十分だったんですよ。一人の視聴者としてこの話で澁谷かのんが言ったこと完璧に理解できている自身全然無いけど、澁谷かのんがそう願ってくれているということだけで十分生きている理由になる、そう思えるぐらい澁谷かのんに惚れこんでいるんだと思う。戻れないところまで来ている。もう死ぬまで考え続けたいと思う。この存在のこと。

「交わりますように!」


 『Free Flight』、どこまで行ってしまうのかと寂しさすら感じさせるような、隔世感のある楽曲。まあでもいい。止めるだけ野暮だ。どこにでも行ってしまえばいい。それでこそ澁谷かのんなのかもしれない。
 留学はしないらしい。どうなっちゃうのはこっちのセリフ。あの展開を見た時は、とりあえずまだ見ていられることの嬉しさと阿保みたいなストーリー展開で愉快で仕方なかった。
 それで結局Liella!にいるとして、一度己の力で「ラブライブ!」を手にした彼女は、今度は「ラブライブ!」に何を求めるのか。そこは今周到に隠されている部分だと思う。何も分からないので楽しみ。もしかしたら三期は今までより目立たなくなるかもしれない。それでもいい。「ラブライブ!」に何を遺すのか、この空をどんな姿で自由に飛ぶのか。期待して待とうと思う。

・伊達さゆり

 最愛の人物。2年経ってもこの人への興味は尽きないし、どこまでも魅力が止まらない人だと常に思う。小さい身体に豪快なダンスステップ、目が離せなくなる笑顔に耳に残る笑い声。天性の弄られ属性にノリの良さ、実は機転が利くところ。よく通る声、一般人上がりとは到底思えない演技の機微。そして唯一無二の歌声。ずっと見ていても飽きないのは、どれも全て右肩上がりというか、我々が想像する「このぐらい」をかなり短いスパンで簡単に超えてしまうからだと思う。だからずっと面白い。
 表情が分かりやすいからこそ天真爛漫な顔もより魅力的に映るし、3rdでは煽情的な顔も相当多くて何度も好きにさせられた。『WE WILL!!』、間奏での引き寄せる振り付けで見せる顔が堪らなく美しい。『色づいて透明』1A、大人になっていく彼女に置いていかれそうだと感じるぐらい、掴めそうにない魅力がある。『揺らぐわ』、そんな顔もできたのかという新しい伊達さゆり。それが『Second Sparkle』ではもっと見られる。歌にもダンスにもその場その場の感情が燦然と顔を出す。これ以上魅力的なパフォーマーを私は知らない。
 生放送やMCでも、この人が喋ると皆がふっと笑顔になれる。その雰囲気がもう「Liella!」そのもの。リーダー然としたがるタイプではないけれど、なるべくしてこのグループの中心になっているのだろう。誰かに似て、そうやっても人から好かれるというような魅力があるのだと思う。
 天才と言うべき側の人だとは思うんだけど、結構学者肌みたいなことろもあって、とにかくよく考える。考えてから行動を起こしたいタイプなのかもしれない。偶にその考えを語るときがあるけど、細かいことまで結構気にしていて、頭の中で全部巡らせたいタイプなんだろうなと思う。そういうところも面白いな~と感じる。
 よく考えるからこそ、「澁谷かのん」という存在について悩むのだろう。そもそもラブライブ!というコンテンツの在り方であそこまでのカリスマが描かれていることが少し異常なのだ。キャラクターとキャストがセットになって作り上げていくアプローチを採っているのに、あの描かれ方でキャラクターと共にあろうにも、共感が難しいだろう。自己との乖離を感じても仕方がない。それが面白いと思ってしまっている自分も大概なのだが。
 ただそれに対して、澁谷かのんという存在に対して、逃げずに妥協せずに考えて考えてこだわり抜いて、泣くほど思い詰めて悩んでしまうあたりが、伊達さゆりの性格がよく出ており、彼女の強さの証なんじゃないかと思う。そしてそのことで悩んでいる姿を一切見せず、3rd埼玉day2で初めて漏らした。結局、あの時点で答えが出ていなかった。
 それが凄く良いと思った。分からなくなっているモノに対して安直に答えをつけず、「分からなくなっている」ということを率直に話すことができる強さ、並みの人間が持っているモノじゃない。あの話を聞いた時、もう一生敵わないと思った。この存在の魅力は到底収まらないなと。
 澁谷かのんと伊達さゆりの折衝、素人の私から見たら舞空術使い同士の対決を見ているようで、当たり前だが付け入る隙もない。だから、何よりも楽しい。面白い。一人だけ難易度が桁違いのようにも感じてしまう。それは私が澁谷かのんを好きだからなんだろうけど。
 3rdの伊達さゆりを見ていて、本当に頼もしいと思った。それを見ていたからこそ上の悩みを持っていることなんて想像もつかなかった訳だけど。1stで傷つきながらもひたすら我武者羅に突き進むような彼女も魅力的だったけど、3rdではやっぱりこの人にも大人の余裕みたいな雰囲気が醸し出ていて、その上で爆発的なパワーは健在で、こんなに速く人間とは力を手にするものなのかとずっと驚かされていたのだ。
 何が言いたいかというと、伊達さゆり、私から見れば澁谷かのんとそんなに変わらん。十分異様で隔世感のある凄い人なのだ。二人とも。きっと伊達さゆり本人は認めないだろうし、埼玉のMCで話した内容をこれからも考え続けるのだと思う。それでもいい。むしろそうして欲しい。それを見ていたい。この先の人生それだけでもいい。そう言えるぐらいあなたと澁谷かのんは魅力的なのだ。伊達さゆりが居る世界で息をすることは、それ程に幸せなことなのだ。
 長尺MCより長い文章が書けた気もする。だからあれも気にしないで欲しい。好きなだけ語り尽くして、考え尽くして、澁谷かのんを演り尽くせと、勝手に願う。世界で一番愛している。この世で一番のリーダーへ。Liella!でいてくれて、本当にありがとう。


終わりに

 11人になる。今更原理もクソもないしそんな感情微塵も湧かない。私は思うのだが、このLiella!というグループが紡ぐ物語、「スクールアイドル」というモノを媒体にして、人と人が結ばれていく、その結び目を増やしていく物語なのではないかと。だとしたら、最初に増える結び目役を担った2期生の役割は、きっと大きすぎるほどに大きいのだと思う。始まりを担った1期生と変わらないほどに、だ。そして9人がこんなに魅力的なのは、きっと5人が作り上げた強固なベースがあるからだと思う。それはもう紛れもない事実として、このLiella!の歴史に残り続ける。
 9人はただの通過点じゃない。始まりや終わりでもないけれど、大事な大事な過程だったのだ、大丈夫。私はそれを見ていたし、私以外の多くの人間もそれを知っている。だから大丈夫。語り継がれる。一年前5人のLiella!を一生忘れないと誓った日と、変わらないぐらい強い気持ちで、9人のLiella!を忘れないと誓う。
 今頃肩を震わせて2人が待ってる。11人もどうせ素敵なグループになるんだと私はもう知っている。だから追いかけ続けるよ。これからも一緒だ。
 

鬼塚夏美と絵森彩
若菜四季と大熊和奏
米女メイと薮島朱音
桜小路きな子と鈴原希実
葉月恋と青山なぎさ
嵐千砂都と岬なこ
平安名すみれとペイトン尚未
唐可可とLiyuu
澁谷かのんと伊達さゆり


宇宙一煌めいていた九星だった。ありがとう。



 


 

 


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