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私のダンナが辞めるまで(12)

身勝手

「まぁ、ゆっくり考えてみて。その上で、最善だと思う選択をして欲しい。貴女はそれができると思う。まだ辞めるなよ。」
そう言ってジュニアは電話を切った。

あーもう!そんな抽象的な表現で分かるか!
再びベッドで横になり、考える。
自分のことだけ考えていいなら、私はどうしたいだろう。
それを実現するには、どう動けばいいのか。

もし、私だけが会社に残るとしたら。

辞めない理由

本当にこんなことを考えていいのだろうか。
私は迷っていた。
もし辞めないならば、それなりの理由がいる。
メリットとデメリットを比較することにした。

私は今年昇進し、収入は夫より多かった。
役職によって給料のレンジが公表されているため、夫もそれは知っている。

33歳、結婚間近の女が転職。
35歳、働き盛りの男が転職。
どちらが容易かは明白だ。

夫は現場の仕事がしたくて今の会社に入ったが、「現場」がなくなり営業に回されている。
私は営業の仕事がしたくて今の会社に入った。

事実だけを1つ1つ見れば、デメリットが見当たらない。私が会社に残り、夫が転職する。

最大の壁は固定概念。
結婚したら女が辞めるのは当たり前。
男が女のために辞めるなんてあり得ない。
前例がない。

どうすれば、皆が納得するだろう。

私の新たな挑戦が始まった。

つづく…




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まきんこ
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