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私のダンナが辞めるまで⑩

後悔

すぐにでもジュニアに会って謝罪がしたい。でも今は金曜日の夜22時。ジュニアは家庭のある人なので、月曜日に2人で謝りにいこうと約束し、夫は自宅へ帰っていった。

部屋で一人。
今までのことを思い出す。私が会社に残ろうとすれば、大切な誰かが傷つく。ジュニアも、夫も。

あぁ私、もう会社辞めよう。

そう決めた瞬間、涙が止まらなくなった。
悲しい。悔しい。やりきれない。
会社のルールを変えようなんてしなければよかった。自分勝手だったと後悔した。

入電

眠れなかった私は、徹夜で出張報告書を仕上げ、明け方にようやく眠りについた。

目覚めると、知らない番号からの着信通知が山ほどあった。
怖っ!携帯をベッドに放り投げようとした時、同じ番号から着信。恐る恐る応答ボタンを押す。
「やっと出た!俺、俺!昨日は勢いで帰っちゃって悪かったな!心配したよな。ごめん。」
電話はジュニアからだった。

伝えたいことが纏まらず、黙ってしまった。
枯れたと思った涙がまた出始める。
「いや、月曜日にしようかと思ったけど、○○(私)にどうしても言っておきたいことがあって。ちょっと話せるか?」
大丈夫です。私が答えると、ジュニアは話し始めた。

つづく…

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まきんこ
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