よしこさん⑦/❾
考えていたけど言わずにいたのは、だから私はよしこさんじゃなくて、あきこさんが好きなんだと思う、あきこさんの声が聞きたくなっちゃう、ということ。
あきこさんは、半年に1回ぐらいしか、本当にあったかくてこっちがレロレロになるようなことを言わないから、それを期待して待ってると、レロレロとレロレロの間が辛い。でも本当じゃないかもしれないようなことは全然言わない。褒め褒め攻撃もされない。私を好きとか絶対言わない。なので防衛のための作戦や用心が要らない。期待とがっかりの間でぶらんぶらんする自分で日々をこなしていけるかどうか、それだけが問題。そしてそのぶらんぶらんに耐えるのが難しいので、対策として、できるだけ離れて、遠くからあきこさんを見てるようにしようとしてる。たまに会いにきてくれる孫を喜ぶおばあちゃんの感じで。ふくちゃんもそれがいいと言ってる。なのに時々うっかり自分から近づいてしまう。で、ぶらんぶらん再開。苦しむことになる。何度も繰り返して無駄に消耗してる。
よしこさんは、超ポジティブで、多分自分のことも大好き。経営者としては必要で有用な要素なのだろうけど、私にはそこが苦手。全部ポジティブで何もかも誰も彼もを全肯定って、妖精の魔法みたいでもあるけど、得体の知れない気持ち悪さも感じる。それって目に入ってくるもの全てを、ポジティブ方向にねじ曲げて見るってことで、実際とは違うように見るってことで、だからインチキっぽさが出てくる。本当じゃないと感じる部分は、不安のもとになる。だからよしこさんもヨレヨレのパジャマとか、頭ボサボサとかで出て来てくれたらいいのに。
または、私がちゃんとした服を着てよしこさんに対すればいいのか。普通に人々がしているように……。
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