価値観を変えてみる Vol.2
1日目に泊まったビーチはとても寒く夜中に何度か起きた。
気がつけば朝になっており、起きた時は沖縄一周中の事を忘れていた。
寝心地の悪い椅子で寝ていたせいかカチコチの体を動かし、支度を済ませると自転車を漕ぎ出しビーチを後にした。
朝食を食べていない私は1-2時間程走り辺野古の弁当屋へと立ち寄った。
今回の旅では優先的にこういった沖縄の商店へ寄ることも一つの課題だった。
スマホを持っていたがあまり使用しないようにし、地域の人との交流をすることも課題にしていた私は全く知らない道ではなかったが売店のおばあちゃんに道を尋ねた。
おばあちゃんは、私に丁寧に道を教えてくれて「こんな事故があったから気をつけてね」と言葉を掛けてくれた。
するとおばあちゃんはこれ食べて頑張ってよとゆし豆腐まで持してくれたのだ。
朝食を済ませた私はお礼を伝え、弁当屋を後にした。
辺野古を超えると一気にコンビニや自販機が激減する。
つまり水の確保が困難になるということだ。
事前にポカリと水を鞄に入れ坂道を下っていった。
だんだんと建物が減り山道へと入っていった私は、山中のアップダウンに耐えきれず歩くことが多くなっていた。
山を越えると部落があり、その売店にも立ち寄りアンパンマンアイスを買って休憩しながらそこでもおばちゃんと談話していた。
山道を走っている途中自転車を置いて休憩しているおじさんがいた。
こんなところで自転車は…と思い話をかけてみると、やはりこのおじさんも沖縄一周をしている最中だという。
英語で話すおじさんは台湾出身でこのために沖縄に来たらしい。
様々な話をして、薄々気づいてはいたが私の自転車は空気はないはペダルは回らんは「あんたの自転車やばいね!」と話してくれた…
また一つ不安が増えた。
おじさんと固い握手を交わし出発した私は、再び山道を出発。
ある部落にたどり着いた時あたりはだんだんと薄暗くなり始めていた。
売店にもあまり食料はなく、普段食べないカップラーメンを頬張った。
売店のおばちゃんに話を聞くと、この部落で宿を探すか、もう少し先にあるキャンプ場なら夜過ごせるかもとアドバイスを聞き、少しでも先に進みたい私はそのキャンプ場に向かった。
山を越えキャンプ場についた私はどうせ野宿するならもう少し進みたいと思い、真っ暗な山原の森へと自転車を走らせた。
あまり速度をつけることもできず、できる限りの速さで最北端の部落 "奥”へと向かった。
なんとかたどり着いた私は、売店へとペダルを漕いだ。
ちょうど閉めたばかりか中にはまだ人がいたので窓をノックし開けてもらい水を買うことができた。
今までの売店とは違い比較的若いおじさんだった。
一か八かで外にある水道浴びていいかと尋ねるとおじさんは「いいよ」と言ってくれてなんとかその日も体を洗うことができた。
横に丁度いい大きさのベンチがあり図々しくここで寝ていいか尋ねると。返事はOKだった。
ありがたく泊まらしてもらうことにしようと思った私は、ふとノックをした売店の窓に目を奪われた。
私がこれから行く予定だったはずのイベントのポスターが貼られていたのだった。
あまりにも部落とイベントのギャップがあり気になった私は、売店のおじさんに尋ねた。
するとおじさんの正体はそのイベントに出演するメンバーの一人だったらしく、その会話をきっかけに少しすると「ビール飲めるか?」と飲みに誘ってくれたのだ。
二つ返事で返した私は、その日 ”奥” の方々と鍋を囲みお酒をご馳走になった。
この部落がどんな生活をしているのか。
自分の活動について。
部落での出来事。
本当に様々な事を話し、最高な経験をした。
私がなぜ沖縄一周を始めたのか。
様々な課題を決め、人と話し、気持ちを伝え、この日ようやく理由が分かったのかもしれない。
そしてなぜかこの部落を訪れている有名人たちのサインの側に「康平のも頂戴」と言われサインを書くこととなった(笑)
ありがとうございました!
続きはVol.3でお待ちしております。