上手くなる、ということ
いつからか、「上手くなる」ということが怖くなった。
上手くなることで上手くなれなくて悩んでいる人の気持ちがわからなくなって、困っている人たちを置き去りにする気がして怖かった。
いや、「いいよね」と言われるのが怖かったのかもしれない。
努力せずにできていいよね。
才能があっていいよね
恵まれてていいよね
違うと言えなかった自分が嫌だったのかもしれない
でも、きっと周りには、
できなくても努力してできるようになった人なんていっぱいいて
それが見えるようになればいいんじゃない?と思うようになった。
自分が見つけたやり方で、自分自身で生み出した美味しい蜜を吸えばいい。
それを吸って満たされたもので
他の何かを他の誰かに与えられる人になればいい。
そうして与えられたものの何かで、
泥沼の中から誰かをすくいあげ、
引っ張り上げることができるのかもしれない。
こんなこともおこがましいこと。
私は私ができることしかできない。
できる範囲のことしかできない。
誰かを救うなんて、とんでもない。
でもいつか、誰かの役に立てるなら、
それまでの自分の行為は全て誰かのためであり、
いつか自分を許せるきっかけになるかもしれない。
いつかその日が来ればいいと思う。