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電動工具を使いこなすのは赤ちゃんを抱っこするのに似ている

神田小川町にある古い額縁屋さんの建物をリノベーションするプロジェクト「優美堂再生プロジェクト」に参加した個人的な体験について、私のnoteマガジン「優美堂のこと」に書いています。今回は、インパクトドライバーについて。

インパクトドライバーは、電動のドライバーよりワンランク上の、プロも御用達の電動工具。その特徴は、ネジを回して押し込む際に、抵抗が加わると「ガガガガガ」って音がして打ち込まれる。ネジを回すドライバーと、叩くハンマーが一緒になったような感じですね。なので、硬い木などにもネジを打ち込むことができる、と。

優美堂の施工作業に参加するまで、僕はこのインパクトドライバーをほぼ使ったことがなくて、今回の現場で初めて使いました。思ったんですけど、インパクトドライバーを使うのって、赤ちゃんを抱っこするときの体験に近いかも。

初めはもちろん、誰でも初心者。赤ちゃんをどう抱っこしていいか要領がつかめずに、おそるおそる抱く感じ。それが、だんだん慣れてくるとコツをつかんで、ほとんど何も考えなくとも「ヒョイ」と抱っこできるようになる。

インパクトドライバーも、その感覚に近いなと思いました。

最初は、おそるおそる。どこをどう持って良いのかもわからず。動かすのもおっかなびっくり。突然「ギュイン」と回転して、焦ったりも。で、だんだん使い込んでいくうちに、コツがわかってくるんですよね。左手で軽くネジを支えて、ドライバーの先をネジ穴にスイっとはめて、打ち込みたい角度に対してまっすぐになるようにインパクトドライバーを支え、回転をコントロールしながら力を加えながら一気に押し込む。

慣れないうちは、途中でネジがズレて「ガリガリガリ」ってネジ山を削る嫌な音がすることがよくあります。なので、インパクトドライバーの使い方が上手な人と、そうでもない人では、音が全然違う。上手な人は、早くて無駄がなくて、ネジを打ち込むリズムがある感じ。僕はまだ、全然上手ではないので、時々ガリガリとネジを空回りさせては、心の中で「いやはやスミマセン」と思ったり。

初めはおそるおそるのインパクトドライバーですが、シナベニヤや石膏ボードをひたすら一日中、100、200、300とネジ留めしていくうちに、ちょっとは上達していきます。打ち込むタイミングにリズムが出てきて、最低限の力で長時間の作業が可能になっていく感じ。これが、とても楽しい。ネジが、スイスイと入っていく。まるで、ゾーンに入り込む感じなのです。ネジ留めをする場所がなくなっても「もっとやりたい!」って思ったり。

工具の使い方を覚えるのって、とても面白いです。なにやら、自分がスーパーパワーを身につけたような感じ。今までできなかったことが、できるようになるのって、なにかこう、ワクワクしますよね。

優美堂再生プロジェクトでは、いろんな工具に触れることができ、実践の中でその使い方を学ぶことができました。

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丸鋸も、今回学んだ道具のひとつ。学生時代に、アート学部で彫刻のクラスを受講した時は、普通のノコギリや、テーブルソーなどは使ったことがありましたが、丸鋸は今回が初めて。最初は、他の人が使っているのを遠巻きに眺めているだけでしたが。シナベニアを壁に貼る作業で、とうとう僕もこの丸鋸に触れる日が!いろいろ安全性に考慮した作りになってますが、やっぱりこのあっという間に板を切っていくこのパワーが、こんなに近くに存在するのは緊張します。そしてまたここでも、最初に赤ちゃんを抱くようにおそるおそる触れるところから始まって、だんだん慣れてくると少しリラックスして取り扱えるようになりました。現場で使った後、家に帰ってからもYouTubeなどを見て使い方を覚えたりしつつ。便利な世の中ですよね。身につけたいスキルは、ネットにある情報に触れることでどんどん学ぶことができる。でもやっぱり、動画を見るだけでは完全に使えるようにはならない。やっぱり、実践があってこその、動画学習かなと思います。この、手に伝わってくる振動。押すときの感触。舞い上がる木くずとか。やっぱり、現場で手を動かしながら何かをつくるのは、良いなと思います。

他にも、いくつか面白い道具に触れる機会があったので、それについてはまた次の記事で書きますかね。

今回はこのへんで。


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前田 とまき (TOMAKI)
「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。