【Edge Rank 975】恩送りアートカフェ開催中【TOMAKI】
6月の週末は、ずっとカフェにこもって作品制作をしています。「恩送り」をテーマにしたアートプロジェクト。あなたが作品を購入すると、見知らぬ誰かのコーヒー代になります。
誰かに1杯のコーヒーを贈るということ
「恩送り」という言葉を聞いたことはありますか?誰かに親切にしてもらった時に、その人にお礼をするのは「恩返し」ですが、その善意を他の人に返すのが「恩送り」です。 海外では、pay it forward (ペイ・イット・フォーワード)と呼ばれています。
見知らぬ誰かにコーヒーをおごるという試み。「恩送りカフェ」というコンセプト自体は新しいものではなく、日本国内や、海外でも実施されています。昨年、銀座の無印良品でも開催されました。
今回私は、この恩送りカフェにアートの要素を加え、『恩送りアートカフェ』というアートプロジェクトとして、北千住のBUoY Cafeで開催しています。もともとここにはカフェスペースがあり、その場所で「アーティスト・イン・カフェ」のプロジェクト参加アーティストを募集していました。そこに、この「恩送り」の企画を持ち込んだというわけです。
私がつくった作品をどれでも500円で販売し、作品が売れたらそのお金がそっくりそのまま次のお客さんへのコーヒー代になるという仕組み。そして、恩送りでコーヒー代を受け取った人は、また次の人のために恩送りをするという。恩送りの形としては、私の作品を買っていただいても良いですし、あるいはまったく違う方法で誰かに恩送りをしても良い。小さな善意の輪が広がっていくという、アートプロジェクトです。
6月2日からこのプロジェクトをスタートし、週末限定で作品を販売しました。その結果、4日間で40名の方に参加いただき、39名の方にコーヒー代をお渡しすることができました。残り1名分のコーヒー代は、次の土曜日にこの企画を再開した時に、お店に来たお客さんにお渡しします。
思った以上に作品が売れているので、どんどん新作をつくって追加しています。今回は、短時間でたくさんの作品をつくる必要があったので、Image Transfer Printの手法を使った、写真から版画をつくるという方法で作品を制作しています。これは、私がアート学生だった頃に学んだ手法のひとつ。写真をもとに版(ネガ)をつくり、それをプレス機を使って和紙や水彩画用紙に転写をするというもの。インクを溶かす溶剤を使うのですが、今回ちょっと新たにチャレンジしてみたのは、「マジックインキ」を使う方法。油性のマジックを溶剤として使用して、インクを溶かして転写をするというもの。なかなか面白い作品ができました。
中銀カプセルタワービルをモチーフにした作品や、20年以上前に撮った白黒写真をAI技術で着色した作品、さらにチェコで撮影した写真をもとにしたものなど、さまざまな版画作品を90点ほど制作しました。会期はまだあと2週間ほどあるので、可能な限りいろいろな作品を追加する予定です。
作品を売れば売るほど赤字の企画なのですが、個人的にはこのカフェの場所をお借りしてアートプロジェクトを開催できているのが一番のご恩なので、その恩返しと恩送りをするという意味でもせっせと作品を販売してコーヒー代をお渡ししています。
よかったら遊びに来てください。6月25日(土)まで、週末の土日限定で、私が在廊(在カフェ)している間だけ作品を販売しています。
作品を販売する時間などの情報は、私のTwitterで随時告知しています。
https://twitter.com/tomakimaeda
今月のEdge Rank共通テーマは 「かんそう」
2022年6月のEdge Rankの共通テーマは「かんそう」です。どんな漢字を当てはめても良いそうで。あなたはどんな「かんそう」を思い浮かべますか?
「かんそう」と聞いて頭に浮かんだ単語
私が「かんそう」と聞いてまず頭に思い浮かべたのは、大学時代のリノの気候。砂漠なので「乾燥」が激しかった。ポテトチップスの袋を開けたままにしても、パリパリのまま。干し椎茸などは日本から持っていくと、さらにもっとカラッカラになりますからね。あまりに空気が乾燥しているので、花火は山火事の原因となるため、法律で禁止されてました。
次に思い浮かんだのは、「完走」ですかね。今年の3月、初めて東京マラソンを走りました。2年前に出走権を得ていたのですが、2020年の大会が中止に。さらに2021年も延期になり、ようやく2022年の大会で初マラソンにチャレンジして、完走することができました。
あとは、「感想」。思ったことを相手に伝えること。素直な感想を伝えるのって、意外と難しいですよね。「相手がどう思うか?」とか、慮って気になってしまうから。「どんな感想を求められているのだろう?」とか、気を回してしまったりとかね。小学生の頃、読書感想文を書くのは苦手でした。なんかこう、褒められるような作文を書かなければならないというプレッシャーがあったのだと思います。今は、好きなことを好きなように書けるようになったので、読書感想文も含めて書くことはなんでも好きです。
あとは、パソコンのメモリやハードディスクを「換装」するとか、音楽の歌の合間の「間奏」とか。歓送迎会の「歓送」あたりが、自分にとって身近ですぐに思いつく「かんそう」ですかね。
たぶん見聞きしたことのある「かんそう」
ここからは、辞書で調べつつ、「あー、これはなんとなく知っている」という「かんそう」の漢字をピックアップしていきます。
まずは、「乾草」。乾かした草のことですね。干し草(ほしくさ)の方を使うので、こっちの漢字はあまり使わないかも。
思い起こすという意味の「喚想」とか、閑静な部屋の窓の「閑窓」とか。囚人が檻に入れられて運ばれるという意味の「檻送」など。ここら辺は、辞書を見ると「あー、なるほど」と思いますけど、日常ではとっさに出てこない単語だなぁ。
冬の草を「寒草」と呼ぶってのも、あまり使わない言葉。手のひらの皺を見て占いをするのが手相ってのは知ってるけど、容姿や骨格から占いことを「観相」って言うのは、普段あまり使わないなぁ。
勉強すればギリ覚えられる「かんそう」
ここからは、今は知らない言葉だけど勉強すればギリ覚えられるんじゃないかという「かんそう」を。
あせものことを「汗瘡」って呼ぶのは、覚えれば使えると思う。でも、他にも「かんそう」って呼ぶ単語がたくさんあるので、いきなりこの発音で言葉を聞いても、なかなかこの漢字は思い浮かばないかもなぁ。
同様に、「観想」なんかも、先に「感想」が思い浮かんでしまうため、なかなか会話では使いづらい言葉かも。心で観察するという意味ですね。
思い切って争うという意味の「敢争」とか、送り返すという意味の「還送」も、自分では使ったことがない言葉だと思う。たぶん、別の言葉で表現している。自分にとって身近な言葉に置き換えてしまうので、あまり使わないであろう言葉としては、牢屋を意味する「監倉」や「檻倉」も。
あとは、間送電報の略である「間送」や、公に出家した僧を意味する「官僧」も、今まで使ったことがないし、今後も使うことがないかもしれないけど、知識としては覚えておいても良いかな、というくらい。
たぶん一生使わなさそうな「かんそう」
ここからは、たぶん一生使わないかもしれない「かんそう」について。「へー、こういう単語があるんだぁ」っていうのを今回初めて知ったけど、たぶんすぐに忘れてしまうかもしれない。
官と曹とで、「官曹」というらしい。官は、役人とか役所に勤める人たち。曹は、部屋とか詰所、執務室みたいなもの。というわけで、官曹は、役所とか官庁といった意味。
「官奏」は、太政官から天皇に文書を奏上し、勅裁をうける政務だそうですよ。平安時代の朝儀だったそうですけど、縁のない世界なのでこの言葉は知らなかったし、今後も使うことがないだろうなぁ。
天皇に忠言を申し上げることは、「諫奏」と言うそうで。前述の官奏と音も同じで、しかもどちらも天皇に関連する言葉ということで、会話の中の発言としてはなかなか見分けるのが難しそうですね。文脈で判断するしかない。
似た言葉で、主君を諫めることを「諫争」とか「 諫諍」と言うらしい。あー、だんだん頭がこんがらかってきた。
「疳瘡」という、疒(やまいだれ)が重なるこの漢字は、性病による伝染性の潰瘍を意味するそうで、漢方医学で梅毒のために陰部がただれる状態のことを表しています。意味を知ると、ぞくっとする言葉ですね。
最後の方に持ってきましたけど、改めて見てみるとなんかどっかで見聞きしたことがあるかもしれないなぁというのが「盥漱」という言葉。手を洗い、口をすすぐことだそうで。どうも、森鴎外さんが使っていた言葉らしい。
そして、最後は「翰藻」。翰は、漢字の中に「羽」があることからも分かる通り、鳥や羽毛を意味する言葉で、そこから派生して「筆」を意味するようになった、と。で、藻は水草が入り組んだ状態で、美しい模様を形成しているイメージ。というわけで、筆で書かれた、美しいパターンを形成する、素晴らしい文章や、詩歌というのが、この翰藻の意味。
みなさんが知っている「かんそう」はどのくらいありましたか?
編集後記
月末に、5日間の短期集中ものづくりワークショップに参加することになりました。会社の方にはちょっと早い夏休みを申請して、やる気十分です。さて、どんな作品が生み出されるか。楽しみです。
今回も、お読みいただきありがとうございました。
次号は6月17日(金)の配信。「東京散歩ぽ」の中川マナブさんです!