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中銀カプセルタワービルの版画作品

今からちょうど1年前、北千住にあるBUoYというアートカフェで、滞在型の展示をやらせてもらうことになりました。2022年6月の3週間、週末を使ってここで小さな版画作品作り。Open Press Projectという、ドイツのクリエイターさんたちが開発した小さな卓上プレス機を使って、名刺サイズの版画作品を展示期間中に100点以上つくりました。

いろいろなモチーフで作品を制作したのですが、なによりも一番最初につくったのが「中銀カプセルタワービル」のデザインでした。ちょうどその時、中銀カプセルタワービルは解体工事中。なんとか、その姿を作品という形に残しておきたかったのです。

絵に興味を持ってくれたお客さんに、カプセルタワービルのことについていろいろなお話をしました。2つのコアシャフトと呼ばれるタワーに、140個のカプセルがくっついていること。ひとつひとつのカプセルは独立していて、隣のカプセルの音は聞こえない。その代わり、雨の日はドアの向こう側から雨だれのポトリ、ポトリという音が響いてくる。この空間で聴いたムックリの音色が素晴らしかったこと。ドローンが飛び交う中ここで宇宙食を食べたり、あるいは昆虫食と日本酒のマリアージュを楽しんだり。御朱印帖づくりのワークショップや、消しゴムハンコでコマ撮り動画を撮影したり。たくさんの友達がやってきて、それぞれ楽しそうな遊びをここでやって、時々僕も企画をしたりしつつ、1か月間ここでたくさんの人と会って、食べて、飲んで、つくって、聴いて、演奏して、しゃべって、映画を観たり、本を読んだり、カプセルをまるごとカメラのようにして窓の外の景色が反転して室内に写るのを眺めたり。

私が中銀カプセルタワービルA504号室に滞在していたのは、2019年10月から11月にかけての1か月間だけでしたが、そこでの思い出や体験は一生ものです。そして、カプセル暮らしを終えてからも、住人さんや元住人さんとの交流は続いていて。ここでこうして、今回奥野ビルで中銀カプセルタワービルをテーマにした作品展に参加させていただくことになりました。

今回も、名刺サイズの小さな版画作品をせっせとたくさんつくっています。ぜひ見ていってください。

「BC-25(カプセル)サロン」
会期: 6月30日(金)~7月2日(日)
時間: 14:00~18:00
場所: 東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル306号
◆参加アーティスト名・作品
田仲森太郎氏・デザイナー(カプセル3Dモデル等)
前田とまき・日曜アーティスト(冊子、ミニ版画他)
◆トークイベント 18:00~19:00 定員8名程(先着順) 
オープニング・トーク 6月30日(金)展覧会関係者 
アーティスト・トーク 7月 1日(土)田仲森太郎氏 
アーティスト・トーク 7月 2日(日)前田とまき

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。