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優美堂で出会った道具たち
前回、優美堂の施工作業でインパクトドライバーと丸鋸の使い方を学んだという記事を書きました。
2020年の夏ころから、神田小川町にある元額縁屋さん「優美堂」の建物を再生させるプロジェクトに参加してきました。その時の個人的な思い出を「優美堂のこと」というnoteのマガジンにまとめています。
この、80年もの歴史がある建物を、新しいアートコミュニティスペースに再生させるというプロジェクト。僕は主に、「施工チーム」の一員として、壁や床を剥がして新しく作りなおしたり、補強のために柱を立てたり、ギャラリースペースとして活用できるように壁を仕上げたりなど、一連の施工作業のお手伝いをしてきました。
いろんな仕事を教わりながら、「へー、こんな便利な道具があるのか!」という、大工仕事の素敵な工具の数々に感動しつつ。中でも、めちゃめちゃ便利で感動したのが、このホゾの穴を開ける機械。
ノミを使って手動で穴を開けようとおもったら、ものすごく時間がかかるこの作業が、ハンドル操作であっという間に!これは本当にすごいと思いました。
柱の木材に固定して、位置を調整。
ハンドルをグルっと回してドリルを押し込むと、四角い穴が開くという。
この動作を4回繰り返すと、ちょうどぴったりホゾのサイズの穴が完成。丸い回転するドリルで四角い穴が開くというのがなんとも不思議なのですが、実際にこういう穴があくので。あとは、ノミを使って微調整。
この機械は、いろんな道具に触れた中で一番感動しました。
この日は、こんなに長いドリルも使わせてもらいました。
柱をボルト締めするために、かなり深く穴を開ける必要があります。これ、まっすぐに穴を開けるのがなかなか大変。ドリルの方向、狙いを定めて、気分はもうターゲットを狙うスナイパーのような。多少ズレたりはしましたが、なんとか失敗せずに穴を開けられて良かった。
他にも、空気圧を使ってネジ締めをする、まるでネジの機関銃のような道具とか。柱をジャッキアップするための道具とか。細かいところで言うと墨壺とか、石膏ボードの角をカットするカンナとか、現場には様々な道具が溢れていて、それをひとつひとつ教わりながら使っていくのがめちゃめちゃ面白かったです。
こういった、大工の技術を生かしながら、アート作品の展示をするという「インストーラー」というお仕事にとても興味がわきました。もっといろいろ、やってみたいなぁ。
電動工具や、機械も面白いけど、シンプルな道具でも使い方をマスターするとかなり効率よく作業できるようになるってこともありますよね。今回の現場作業でびっくりしたのは、バールのポテンシャルですよ。
そのあたり、次回書きます。
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