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語学

ハンガリー生まれの語学の達人、ロンブ・カトーさんが枕元に現れてこう言った。

「辞書とお友達になりなさい。そして、仲良くなったら自立しなさい」

高校時代、僕は学校の英語の授業が嫌いだった。定年間近のおじいちゃん先生が、のんびりとしたカタカナ英語で大学受験対策の文法を解説しているだけ。「こんな授業、何十年受けたとしても英語が喋れるようになるか!」と思ったらなんだかバカバカしくなって。学校での英語の勉強が嫌いになってしまったのだ。

そのせいでというか、そのおかげでというか、英語の授業は嫌いだったけど「本物の英語に触れたい!学びたい!」という思いはどんどん強くなって、ついに高三の秋ごろに「留学する!」と決意して、そっから英語の勉強だけに専念するようになった。

あまりにも学校での英語の授業が退屈だったので、うっかり留学を決意してしまった。

それまで学校以外で外国人と英語で会話したこともなかったし、海外旅行にさえ行ったこともない。いきなりアメリカに渡ったとしても、大学の授業について行けないのは明らかだ。というわけで、まずは新宿の専門学校(当時はアメリカ大学の日本校)に1年間通って、みっちり英語の勉強に専念することにした。

言葉を学ぶというのは、本当に面白い。言葉だけでなく、歴史や文化、思想、文学、芸術、いろんな世界がどんどん広がっていく。そして、海外の情報に触れることで、日本が見えてくる。客観的に、日本人としての自分が分かってくるのだ。

ロンブ・カトーさんも著書の中でおっしゃってたが、語学の習得に決して近道はない。その言語を覚えたいという情熱と、反復練習。そして、その学習にかけた時間が、言語の習得につながる。

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