「物語の6つの型」を桃太郎で例えると
ちょうど先ほど、オンライン勉強会が終わったところ。今回のテーマは、ストーリーテリング。1,700以上の物語をコンピュータで分析した結果、物語のパターンは6つに分類されるっていう、バーモント大学の研究チームによる発見をもとに、その「物語の6つの型」を深堀しつつ、みんなでひとつの物語をつくろう、っていう内容です。
もともと、自分も個人的にこのストーリーテリングについては興味があったので、改めて勉強してみる良い機会になりました。何年か前に、マーケティングの文脈でストーリーテリングを学んだことはあったのですが、2019年頃にたちばなやすひとさんの「シナリオ講座」に参加していろいろ気づきがあり、その後も少しずつ学んできました。
今回の勉強会資料にも、1940年代に論文を提出しようとしてシカゴ大学に拒否されたカート・ヴォネガット氏のプレゼン動画とか。新海誠さんも『君の名は。』の制作時に感情グラフをつくってたとか。そんな情報を織り込みつつ。
とりあえず今回は、「物語の6つの型」をまとめつつ、それを『桃太郎』で表現するっていうのをプレゼン資料に入れてたので、その部分を抜粋してこのnoteに書いておきます。
1.継続的な上昇【シンプルなハッピーエンド】
上下の軸が感情(幸福度)です。上に行けば行くほど、ハッピー。下に行くと、落ち込む、と。横軸は物語の初めから終わりまでの流れ。本の読み始めから読み終わりまで、心がどのように動くか、というグラフ。
この、継続的な上昇のカーブは、比較的シンプルなストーリーライン。ハッピーエンドに向かって、まっすぐに進行するストーリーです。
これは、そのままオリジナルの桃太郎に近いですね。
2.継続的な下降【シンプルなバッドエンド】
2つ目のパターンは、1の逆。バッドエンドに向かって一直線。最初からずーっと良いことがなく、最後も悲劇で終わるという。
これを桃太郎で例えると、ちょうど1のパターンと反対のストーリーだから……
鬼側の視点で描くと、ストレートにバッドエンドですね。もちろん、鬼は悪者っていう設定があっての桃太郎だと思いますが。もしかしたら、鬼と思われてた人たちは、人見知りの善良な人たちかもしれない。だとしたら、いきなり仲間を引き連れて暴力で財宝を強奪していく桃太郎こそが、悪人かもしれない。
3.下降から上昇【起死回生のハッピーエンド】
ここから物語に抑揚が出てきます。一直線ではなく、途中でカーブが入ることで、物語にひとひねりが加わるんです。
平凡な主人公が、あることがきっかけで不幸のどん底へ。「もうだめか!」と思った時、助けが現れ、なんとかハッピーエンドに。
これを桃太郎で例えると、ストーリーの途中で桃太郎が不幸な状態に陥ってしまうのですが、なんとか立ち直って、最後に成功する、と。以下のような感じですかね。
いったん辛いことを経験することで、その後のハッピーエンドがより際立つという。物語の「型」としては、かなりスタンダードですね。このテンプレのストーリーは、いろいろなところで見かけます。
4.上昇から下降【失墜型のバッドエンド】
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「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。