モンスターが健康アドバイスをしてくれるFlash待受画像
「昔、携帯電話にFlash形式の待ち受け画像が設定できたんだよ」って言って、理解してくれる人がどれくらいいるんだろう?Adobe社が、携帯端末版のFlashの開発終了を発表したのが2011年11月。当時僕は、モバイルコンテンツプロバイダーで仕事をしながら、趣味でたくさんの待ち受け画像をつくっていた。もちろん、Flashのも。
「ガラケー」と呼ばれる、スマートフォン以前のいわゆるフィーチャーフォンの時代。メーカーごとに、あるいは通信キャリアごとに独自のフォーマットや仕様が濫立していた。画面サイズひとつとっても、各メーカーや機種の世代ごとに見事にバラバラ。待ち受け画像を作る場合は、そういった画面サイズの違いを想定して、複数のサイズをそれぞれつくる必要があった。
僕が一番最初につくっていたのは、96×120のサイズ。2000年頃に初めて買ったドコモのガラケーD502iの画面がそのサイズだったから。最初は自分用につくっていた待ち受け画像だったけど、サイトに公開していたら雑誌に掲載されるようになり、本業でもモバイルサイトを運用したり、待ち受け画像を制作したりなどするようになった。
ドイツの車メーカーのモバイルサイトを担当していた頃、NECさんが突然横幅160ピクセルのケータイを発売して、「うわ、でかいな」とびっくりした。それまでつくっていた待ち受け画像を全部そのサイズで作り直した。と思ったら、世の中はQVGA(240×480)の画面サイズが主流になって、続いてVGA(480×640)が出てきて、そうなるともう一昔前のパソコンサイズとおんなじ画面の大きさ。SVGAの800×600が出るころには、今後も画面サイズが大きくなることを想定して、元のデザインをUXGAの1200×1600でもつくっておく、なんてこともしてた。
そんな、ガラケーの画面サイズ問題を解決するのがFlashだった。ベクター形式で制作できるので、大きく表示しても画像が劣化しない。さらに、アニメーションのような動きを入れたり、スクリプトと組み合わせて時計を表示したり、バッテリー状態や電波の強さなども表示できる。画面を開くたびに、ランダムにいろんなデザインやメッセージを表示させることも可能。
この、Flashを活用した待ち受け画像づくりにハマって、いろんな作品をつくっていました。今日紹介するのは、時刻によってデザインが変わり、さらに開くたびにメッセージがランダムに表示されるというFlash待受け画像。
吸血鬼、フランケンシュタインのモンスター、半魚人、そして透明人間が時刻によって入れ替わり登場して、健康に関するアドバイスをくれるというもの。
Adobe Flashは既に終了しているけど、当時の.fla形式のファイルはAdobe Animateで開くことができます。以下がその画面。画像やスクリプトを組み合わせて、携帯端末の時計と連動させて、出し分けています。セリフを複数登録しておいて、それを毎回ランダムに表示させるというスクリプトも。
現在、各種ブラウザーでもFlashの対応は終了しているけど、NTTドコモの公式サイトからiモードのシミュレータをダウンロードしてケータイ向けのFlashを閲覧することができます。この待ち受け画像も見ることができますよ。
当時制作したFlash待受け画像のいくつかは、以下の私のサイトで公開しています。過去のアーカイブデータを掘り起こしていたらいろんなデータが出てきたので、もしかしたら今更ですけどなにか作品を追加するかもしれない。ケータイで利用する人はもうほとんどいないと思うけど。
とりあえず、昔の作品を見返しつつ、当時なぜそれをつくったかとか、どんな思いが込められているかとか、いくつか解説していこうかなと思います。
続きは、次の投稿で。
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日曜アーティストの脳内回顧展(仮)
日曜アーティストとして、今まで展示した作品や、開催したワークショップなどをまとめていきます。
「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。