【Edge Rank 1139】夏の思い出【TOMAKI】
クーラーボックスから冷えた飲み物を取り出し、アウトドア用の折り畳みチェアに座る。蝉の声が聞こえる。夏の日差しを全身に浴び、木々を通り抜ける風を感じつつ、カメラに囲まれた要人が何度も何度も銃撃されるのを遠くから見ている。充電式のミニ扇風機を片手に、真夏の日差しが突き刺さるのを感じている。こんな非日常的な夏の過ごし方もいいなと思った。
今月のEdge Rankは夏休み
8月の合同noteマガジンEdge Rankは、夏休みです。なので、記事を書かなくても良いんだけど、ここ数年ずっと毎月なにかしらこのEdge Rankに書いているので、なんとなく書かないと落ち着かない。というわけで、私TOMAKIの夏休み号をお届けします。
とりあえず、ここ1か月の夏の思い出など。
恩送りアートプロジェクト
2年前に北千住のBUoYというアートカフェで開催させてもらった「恩送り」をテーマにしたアートプロジェクトを、今月は下北沢で再び開催しています。せっせと作品をつくって、500円で販売。作品が売れたら、そのお金が次にくる見知らぬ誰かのコーヒー代になるという企画。善意の輪がどんどん広がっていくというプロジェクトです。
東京ビエンナーレや3331 Arts Chiyodaでの展示設営でお世話になったHAジメさんが新しくつくったForEverという素敵な展示空間の一角で、複数のアーティストさんが参加するグループ展の一角で、この恩送りアートのプロジェクトやらせてもらっています。今回は、作品のドネーションも受け付けていて、「作家/アーティスト」としても参加できるように工夫もしつつ。
8月10日に、作品をつくるワークショップも開催しました。
ドイツ製の小さな卓上プレス機を使って、名刺サイズの小さな版画作品をつくっています。写真を加工してネガにして、そのインクを溶かして和紙に転写するという手法。アメリカでアートを専攻していた学生時代に、よくこのやり方で作品を作っていました。小さなプレス機を手に入れたことで、四半世紀ぶりにまたこの作品がつくれるようになって嬉しいです。
サイアノタイプワークショップに参加
日光写真の要領で、薬品を感光させて現像する手法、「サイアノタイプ」を使ったワークショップに参加しました。場所は、私がワークショップを開催したのと同じ、下北沢のForEverにて。講師は、同じグループ展に参加している井上さん。ちなみに、私のワークショップにも参加してくださいました。こんな風に、作家さん同士の交流もあって、このグループ展はとても楽しいです。
まずは、紙にサイアノタイプの薬品を塗布。これが乾くと、光に反応して青色に発色し、現像されるというしくみ。
私は、学生時代に撮影した写真をネガにして持参。さらにそこに、レースや造花などを加えて、イメージを作りこんでいきます。構図が完成したら、日光照射。夏の太陽で、見る見るうちに光が当たっている部分の色が変わっていきます。
で、ネガとモチーフを外して、紙を水ですすいで余分な薬品を流しつつ、イメージを固定。過酸化水素水を吹きかけて発色を強調し、最後に蒸留水をかけて洗い流して、乾かしたら作品の完成。これは楽しい。
母校でサマーキャンプ
8月11日と12日の二日間、新宿の母校で開催された「誰でもサマーキャンプ2024」というイベントに参加しました。30年前、僕はこの学校で、留学準備のためにひたすら英語の勉強をしていました。当時の校舎がそのままで、めちゃくちゃ懐かしい。
「スポーツバイリンガルMC」について体験しながら学ぶというワークショップで、小学生から高校・大学の在校生、そして私の年代の人たちまで、いろいろな年代の方々が参加していました。
英語でスポーツイベントなどのナレーションを行うという、全く未知の世界でしたが、これがものすごく面白かった。こういう世界があったのか、と。
今どきのAIを使った合成音声なら、バイリンガルのナレーションなどもわりと簡単につくれるのですが、やっぱりそこに感情を込めたり、より空気感や雰囲気を伝えたり、あるいは伝える力というのは、生身の人間の声の方が優れているのだなと感じました。ただ情報を伝えるだけでなく、感情や気持ちを盛り込んだり、あるいは緊急時の適切な誘導なども含めて、イベントの現場で即時に対応できるバイリンガルMCって素敵だなと思いました。
今年もダンスワークショップのお手伝い
昨年に引き続き、今年もまたモチベーションメーカーが開催するダンスワークショップのボランティアスタッフとしてお手伝いをしてきました。
年も年だし、私はそもそもダンスは苦手というか、はっきり言ってドヘタなのですけど、黒須さんが講師を務めるこのダンスワークショップは誰もが自由に踊れて、上手下手関係なしにみんなが楽しめる。私も、小学生に交じってダンスやゲームを楽しみました。
簡単な振り付けから、割り箸を落とさないように二人で運んだり、忍者になりきって「だるまさんが転んだ」で遊ぶとか。もう、年を忘れて本気で楽しかったです。
中村印刷所見学
ダンスワークショップのあと、お誘いいただいて少人数でちょっとした見学ツアーに参加させていただきました。中村印刷所っていう、文具界隈では知る人ぞ知る素敵なノートをつくっている会社さん。
町の小さな印刷所という雰囲気なのですが、ここでつくるノートがすごいんです。特許を取得した、水平に開くノート。2年間かけて試行錯誤を繰り返し、発売したのが2014年。製品は良いのに売れ行きは伸びず、在庫を抱えて印刷所もいよいよ閉鎖かと思われた2016年1月、印刷所で働いていた方のお孫さんのSNS投稿により、一気に注目が集まります。
その経緯はこちらの記事にも詳しく紹介されています。
すっかり忘れていましたが、印刷所の見学にお誘いいただいたときに、「あれ?なんか聞き覚えのある名前だぞ」と思って確認してみたら、なんと私も2016年1月にこのノートを購入していました。ちょうどバズったあたりですね。なんとなんと。
中村社長から、この製品の開発から現在に至るまでのお話を伺いつつ。2016年のあのSNS投稿後のエピソードなど、興味深いお話が盛りだくさん。ますます、このノートのファンになりました。
夏休みエコワークショップの先生役
縁あって、地元の荒川区で夏休みのワークショップの先生をやらせてもらいました。エコをテーマにした工作ワークショップで、私が担当したのは「バナナペーパーでつくられたハンガーをデザインする」というもの。エコがテーマということで、自然素材のクレヨンなどを使って絵を描くという内容にしました。
私がアメリカの大学で初めてアートのクラスを受講したとき、高価な画材を使うのではなく、一般的な文房具屋さんで売っているようなクレヨンや鉛筆などを使って絵の描き方を学びました。その時学んだことを思い出しつつ、子供たちに絵を描く楽しさを感じてもらおうと。短い時間でしたが、蜜蝋やお米、お野菜などから作られたクレヨンを使いつつ、年齢によって絵の描き方が変わったりする様子をデモンストレーションで実演したり、最近のクレヨンには「はだいろ」がなくなったことや、逆にアメリカで24色の世界中の肌の色を再現したクレヨンが売られていることなどを、実物を見せながら解説しました。
そして、参加者さんたちへのお土産に、手作りのマーブルクレヨンをプレゼント。小さくなったクレヨンなども、一度溶かして固めたら、またひとつのクレヨンとして絵を描くことができます。耐熱のシリコン型を使って、カラフルなクレヨンを20個ほどつくりました。砕いたクレヨンを電子レンジで溶かすだけなので、結構簡単につくれるます。楽しいですよ。
と、そんなわけで、今月も盛りだくさんでした。まだこのあと、来月の頭に文庫本をリメイクする「手製本」のグループ展に参加するので、その作品を今月中につくらないと。来月は、ぺんてるさんの工場見学に参加してクレヨンをつくっている現場を見られるのでそれも楽しみ。ついでに、私のクレヨン画作品も持参する予定なのでできれば新作も。
ほかにも、レシピを考えて投稿する案件がひとつと、グループ展のクロージングイベントへの参加と、チェコセンターのイベントと、楽しみな企画がたくさん。あ、富士山にも登りに行く! 正確には、富士山に登ると見せかけてひたすら下山をしに行くのですが。
まだもうちょっと、夏の思い出が増えそうです。
編集後記
冒頭の文は、7月末に参加した撮影現場の光景です。トランプ氏が狙撃された場面を再現したシーンに、エキストラとして参加していました。気まぐれではじめた趣味のエキストラとしての活動も、1年半が経過しました。この夏公開される映画にも、いくつか出演しています。つくられたセットやユニークな世界観の中で、非日常的な体験ができるのがとても面白いです。9月初旬の週末に、また時代活劇のエキストラ案件が確定しており、そちらもとても楽しみ。