憑神
ズキューン
男「ううっ、やられた!」
神「・・・」
男「俺もついに死ぬのか」
神「・・・」
男「ああ、目がかすんできた。うん? 死神? 俺を迎えに来たのか?」
神「死神じゃありませんよ」
男「じゃあ何だよ」
神「貧乏神です」
男「貧乏神って俺、今から死ぬんだよ。拳銃で撃たれたんだから」
神「死にませんよ。銃弾は胸のペンダントにくっついてます」
男「あっ、本当だ! やったあ、俺死なないんだ」
神「でも貧乏になります」
男「死ななかったんだから貧乏になっても全然オッケーだよ。生きてさえいればいつかきっと良い事あるから」
神「・・・」
男「あれ、どうしたの? 急に元気無くなったじゃん」
神「前向きな人、嫌いなんです」
男「そうかあ、貧乏になるのか。よーし、今日から無駄づかいしないようにお小遣い帳付けよう。それに休みにはバイト掛け持ちしてバリバリ稼ぐぞーっ!」
神「吐き気がしてきました。私、他所に行きますね」
男「えっ、居なくなっちゃうの? あっ、別のが来た。今度は何神様?」
神「座敷わらしです」
男「っしゃーあ! 人生何事も前向きが一番だね」