越境入学
僕の家は
町外れにある
誰もが
こんな所に家なんてあったっけ?
って思う
家庭訪問に来た先生も
首を傾げながら帰って行った
そりゃあそうさ
こんな所に家なんて無いから
家庭訪問とか
そんな時だけ
その家は現れる
僕は越境入学
本当の僕の家は
川の向こうにある
その川の名前は神隠しの川
僕たちと一緒じゃなけりゃ
人間には渡る事は出来ない
僕と同じような子供が何人も
その川を渡って
色んな学校に通っている
帰り道に後をつけても
どうしても見失ってしまうような
そんな子供がいたら
僕の仲間かも知れない
そんな事より
僕と一緒に遊ぼう
誰も知らない遠くへ行こうよ