守人 短い物語です
私は山小屋の守人
吹雪で進めなくなった
登山者を優しく迎え入れる
今夜も三人の若者がやって来た
私は三人を迎え
温かいコーヒーでもてなす
吹雪は収まりそうもない
三人の若者に
泊まってゆくように勧める
いつもは一人きりの私の
久しぶりの話し相手だ
私は客人をもてなす為の
準備を始めた
肉を切るための包丁を研ぐ
先週、登山者に料理を
振る舞ったままで
研いでいなかったから
このままでは肉を切るのに
骨がおれる
私の作った料理をたくさん
若者たちに食べてもらおう
そして少しでも冷蔵庫の中の
先週の登山者たちの
肉を減らさないと
三人の若者たちの新しい肉は
私の小さい冷蔵庫には入らない
調味料と睡眠薬を用意して
さあ、今夜は腕を振るおう