歌声 願う男の独り言
僕はまどろみながら
君の声を聞いている
その美しい歌声は
夢の世界へと僕を誘う
そして
楽しかったあの頃の
甘酸っぱい記憶が
僕の心を満たしてゆく
あの頃の二人に
戻る事が出来るなら
僕はすべてのものを
犠牲にしてもかまわない
だがそれは
叶わない事だと
君も僕もわかっている
いつの頃からか
二人の心はすれ違い
ついにこの日が訪れた
君の歌はまだ続いている
何度も何度も
君は同じ歌を繰り返す
君が歌い始めて
2時間が過ぎようとしていた
君はこの異常さに気付いていないの?
君の歌は充分に堪能したから
そろそろ入ってはくれないかい?
君の体が横たわる
暗く深い穴の底へ