怪談もどき3 実話です

これは知り合いから聞いた話

彼は友人と二人で土曜の夜

近くの池にバス釣りに出かけた

道路の傍にある池の畔に車を止め

二人は釣りを始めた

暫くして二人は丸い池の対岸に

明かりが揺れているのを見つけた

誰かが向こう岸で

釣りをしているのだろうと

そう考え二人は釣りを続けた

するとその明かりは揺れながら

右回りに二人の方へと近づいてくる

明かりの主が

釣りをやめて帰るのだろうと考え

二人は釣りを続けた

明かりは少しずつ二人の方へと

近づいてくる

その時道路ばたには二人の車以外

車は一台も止まっていなかった事を

二人は思い出していた

近くには民家はない

不思議に思っていると

明かりが二人の後にやって来た

そして二人は真昼のような

強い光に包まれた

驚いた二人が振り返ると同時に

明かりは消え夜の闇が二人を包んだ

二人は自分達が持っていたライトで

辺りを照らしたが

そこには誰もいなかった

そして人が立ち去る足音も

聞こえなかった

二人はその後、少しだけ

釣りを続けたが

その日に限って

一匹も釣れなかったという

いつもはバスがよく釣れる池なのに

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