卵
ある日一つの隕石が地球に飛来した
だがそれは普通の隕石とは違った
隕石は着地前に減速し
地球にダメージを与える事はなかった
その隕石を分析した科学者は言った
「この隕石は卵です」
50メートルもの巨大な卵を
世界中が息を飲んで見守った
だが1週間が過ぎ
一カ月が過ぎても
卵には何の変化も表れなかった
次第に卵への感心は薄れ
人々は元の暮らしへと戻っていった
そんなある日
今度は巨大なフライパンが飛来した
巨大な卵を目玉焼きにするのに
丁度いい大きさのフライパンだった
次に降ってくるのは何か
科学者たちは様々な仮説をたてた
巨大なベーコンが降ってくると言う者や
いやいや
宇宙人はベーコンなんか食べない
次に降ってくるのはハムだろうなどと
真面目な顔で言い合った
そしてその答が出る日がやってきた
その日地球に降ってきたのは
巨大な玉ねぎと鶏肉やネギだった
なんだ親子丼だったのか
人々は納得し笑いあった
この後、巨大な宇宙人が
どんぶり飯を抱えて降ってくる事を
地球人はまだ知らない