凶弾 物語です

「おっと動くな。かわいい奥さんの頭に風穴が開くぜ」

男は妻のこめかみに銃を突きつけて言った

男の銃に弾は一発しか入っていない

私も男に向けて銃を構えている

この銃にはまだ弾は六発残っている

「かわいい奥さんの命が惜しかったらその銃をよこしな」

銀行強盗をやらかし警官を撃って逃げて来た

そして私の家に押し入った

私は隙を見てエイジという弟分を殺し銃を奪った

そして現在に至っている

私は考える

なによりも妻の命が大切だ

私は仕方なく銃を渡そうとした

「パン」

乾いた音が部屋に響いた

妻がゆっくりと倒れた

赤い血がカーペットを染めてゆく

妻は死んだ

そして今、私の中の何かが弾けた

「待て、暴発だ。撃つ気は無かったんだ」

男は銃を放り投げ両手を挙げた

私は怒りに任せ引き金を引いた

私の放った銃弾は男の肩を貫いた

「待ってくれ、本当に撃つ気は無かったんだ。警察を呼んでくれ、たのむ」

男は肩から血を流しながら懇願した

私はもう一度引き金を引いた

今度は男の太ももから血が吹き出した

男が悲鳴を上げて倒れた

「頼むから警察を呼んでくれ」

男がすがる様に言った

「ああ、呼んでやるよ。あとでな」

のこぎりと金づちは物置き

ゴルフクラブは玄関

うちに焼きごてってあったかな?


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