発汗についての色々【シリーズ 人を見て法を説け】
暑い時期に発汗の話をすると、それが助長されてしまいそうなので、ギリギリ暑くなる前にこのお話をしていこうと思います。
発汗=体温の調節
これは現代の、どの医療関系の教科書、資料、記事にも載っている定説です。それに加えて、精神的な発汗、知覚的要因によっても発汗をするというものがあります。
例えば、手のひらや脇の下からの発汗は、冷や汗をかくとか、手に汗握るというタイプの精神的、知覚的要因の発汗で、これは英語にもドイツ語にもイタリア語にも同じような言葉があります。
汗の中の毒素
発汗した汗を分析すると、中毒作用を有する物質(農薬、難燃剤、ポリ塩化ビフェニルなど)が出ることが分かりました。これは必ずしも体の表面だけでなく、内部的にも生じていることが分かっています。
ですから、心を安定させるような治療法や、信仰などによって、心を正すということは、心身の健康にとても有意義な事と言えるのです。
私の提供している施術やコーチングで、常に良くなる(すでに良い)と考えることを強調しているのも、そこにあります。
発汗の多い少ない
動物実験をしてみると、実際に動物も汗をかきますが、汗腺の発達は人間が一番だといいます。形態学の視点で言うと、発汗の多少は、大きく口を広げたときの面積と、身体の表面面積との関係が非常に大きく、口の小さい動物ほど皮膚の汗腺が発達しています。
ですから、口が小さい人は皮膚の汗腺が発達しているため、発汗で意識的に病を治そうとしなくても、ただ寝ているだけで汗をかいて良好となります。
また、口の大きな人は、よほど努力をしないと発汗せず、病を治す際は、足湯を2回、3回とおこなっても、発汗による治療効果が上がりづらいのです。
人によって個人差があるとはいえ、口の大きい人は足湯を多く実践し、口の小さい人にはあまりやらせないという考え方で基本的には良いでしょう。
発汗の善し悪し
動物の中で北極から赤道まで行くことが出来るのは人類だけですが、それは、着物や服を着たために他の動物よりも汗腺が発達して、熱帯地方に行っても発汗によって体温を調節できるからという説があります。
南国の動物は北国には住めませんし、その逆も然りです。しかし人間は、どこにでも住むことができます。これができるのは、汗腺が発達したお陰ですが、それは良いことばかりでもありません。
発汗をすれば塩分が欠乏し、その先は胃液の欠乏、胃弱となれば、あらゆる病の元となります。だからこそ、むやみに手のひらなどからも発汗することを抑えたいのです。
発汗の意義
発汗の根本的な意義は、体温の調節で、温度の高い時と運動をした時の汗は、身体の表面上に表れます。
熱発をした時の発汗の目的も同じように、解熱をするという役割を持っています。
私が「疲労が取れない」「体が重い」と言う方に、運動ではなく、お風呂に入って汗を流すことを勧める理由は、発汗をすれば汗の中に乳酸がたくさん出てくるからです。
これは、風邪を引いて熱が出たり、病気をした場合に発汗をすると治る原理と同様で、特に腎臓が弱く、お風呂に長く入ることがしんどい人には脚湯が有効です。
人(にん)を見て法を説け
"人を見て法を説け"とは、相手の性格や時と場所をよく理解した上で、それぞれの人に応じた最もふさわしい方法で対応しましょうということです。
すべての療法を実践する上でも重要なことは、"人を見て法を説け"という言葉通り、まず、その人の身体や心をよく観察してから、適切なものを選んで実践するということになります。