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【マルハン】カンボジアのサタパナ銀行にいる日本人「理念の伝道師」とは!?
こんにちは!
今回は私の著書『社員を喜ばせる経営』(現代書林)より、
今いる社員が辞めずに育つ、人材育成の成功法則をお届けいたします。
書籍から引用しつつお話します。
シリーズものですが、ここからでもお読みいただけます。
『サタパナ銀行』にいる理念の伝道師
経営理念というのは、ぱっと見では雲をつかむような話です。
多くの哲学的で大上段に構えた内容になっています。
しかし、そのような理想論を社員に浸透させるのは簡単ではありません。
経営理念を社員に浸透させるための早道というものはないと考えます。
経営理念というものはいつも自分たちの身近にあることを認識されて
コツコツと積み重ねる作業ができるかどうか、経営理念の浸透が成功するかどうかの鍵を握っています。
経営理念の浸透というのは、当然経営者も持ってなきゃいけないし、
社員さんも心の中に考え方が入っていて、その通り行動し、考え、発言をする。
そういうことが経営理念だというふうに私は思います。
私はいろいろな講演の最後にいつもマルハン社長の韓裕(ハン・ユウ)氏の言葉を引用して紹介しています。
『勝者と敗者は紙一重で入れ替わります。
プロ野球で打率3割のバッターは数億円もの年俸を稼ぎますが、
2割5分だと控えの選手となり、引退や2軍落ちに追い込まれてしまいます。
しかしこの5分の違いは、100打席でたった5本の違いしかないんです。
大きな企業は経営理念を掲げていますが、それはただ掲げているだけか、
それとも従業員一人一人に浸透させているか、それがこの大きなことの積み重ねによる勝敗を分けることになるっていうふうに思っています。』
韓さんは甲子園球児で準優勝までしたのかな。
理念がきちっとしている会社とそうでない会社を野球で例えています。
マルマンさんはパチンコ業界でトップの売り上げですが、
業界2番手の売り上げは半分ぐらいなんです。
ダントツの売り上げを示しているのは理念をきっちりと伝えて、
理念を社員に落とし込んでいるからだと思います。
毎朝朝礼で経営理念を唱和している会社とそうでない会社、その小さな差が結果として大きな差を作っているのです。
マルハン社長は2008年にカンボジアにマルハンジャパン銀行(現・サタパナ銀行)という貧しい人に融資を行う銀行を設立し、10年後には22階建ての本店を建てました。
現在は5000人の従業員を抱えるまで発展しています。
私どもはその前年に韓さんと一緒に伺いまして、とても良い社風だったなと感じました。
経営理念は『人生にヨロコビを』
カンボジアが豊かになることで、明るく楽しい社会作りに貢献したいという願いが込められています。その理念が徹底されていたからこその成功に間違いありません
サタパナ銀行の行員は、ほとんどがカンボジア人で
彼らの経営理念やビジョンを徹底的に浸透させるために
理念の伝道師の役割を担う日本人女性が数名います。
彼女たちは毎朝欠かさずそれぞれの銀行を訪れて、
地道に経営理念の浸透のアクションを起こしているのです。
5000人もいますから、やっぱり伝道師の人たちが真剣になって伝えなければいけない。また、日本人とちょっと感性が違いますから、
これをどうやって浸透するかっていうのを考えていかなきゃいけない。
松下幸之助が創業した現在のパナソニックも経営理念の伝道師がいます。
そのくらい経営理念を社員に浸透させることを重要視しています。
毎日経営理念の浸透を行うというのは、
それを習慣化して当たり前のものとして経営理念があるようにするということです。
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