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【兄弟経営の秘訣】失敗しないための方法とは

みなさんこんにちは、TOMAグループ藤間です。私の拙著「成功する事業承継」より、今日からみなさんの会社を100年続く企業にするためのエッセンスをお届けします。

後継者選びのポイント:見極める期間を持つ

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「譲る者の心得」として、どういうふうに後継者を選ぶかお話をします。
社外から後継者を呼び寄せる時は、一つの部門を任せ、試運転期間を作りましょう。よく社外から後継者を呼び寄せてという例があります。後継者として大企業の重役を任命し、安心している社長がいます。しかし、その多くが失敗しているように思います。

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大企業の場合、重役と言えども企業の歯車です。中小企業の場合は、社長そのものが企業であり、この違いを体験させるためにも、一つの部門を任せ、結果を出せることが重要であります。

よくあるのが、すぐに社長を任せてしまうパターンです。これは絶対にダメです。まず外から呼び寄せたら3年ぐらいは会社の中で本当にできるかどうか見極める期間が必要です。大企業の能力と中小企業の能力は違うわけです。

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中小企業の社長というのは、例えばトイレに何かゴミが落ちていたら拾って捨てる。こういう感覚がないとダメなんです。トイレが臭かった。じゃあトイレ臭いから直せよって言う。こういう感覚、大企業の場合そんなことないわけです。

会社のみんなが良くしていきたいという思いが中小企業ではあります。大企業の場合は誰だれに指示をしたって言ったら、きちっとその通りいくんです。ところが中小企業の場合は指示してもいかないんです。ですからそういう意味ではやっぱり中小企業の場合は本当に1回経験させる。

後継者選びのポイント:能力より人柄

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大企業のプライドのある方は、中小企業には入れません。ですから1つの部門を2年でも3年でも任せて、そこの部門で本当に信頼を受けられるかどうかを見る必要があります。

私は、後継者というのは能力でなく人柄、人徳だと思うんです。この人徳がない人がトップに就くと、必ず派閥争いが起きます。人徳のある人がトップになると、実力や行動力のある人、能力のある人がそこでくっついていきます。ですから派閥争いが起こらないんです。

もちろん能力もある程度ないとダメですけど、人徳があって人がついてくるような人でないと、いくら大企業の重役といえどもやっぱり後継者にはなれない。そう思います。ですから、必ず試運転期間を3年ぐらいは設けて、これでいいなと思ったら譲るようにしていただきたいと思います。すぐ譲って失敗した例がたくさん出ております。

事業承継の最大のリスクは後継者に「やめた」と言われる事

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事業承継において、最大のリスクは、後継者に「やめた」と言われることです。後継者が誰であれ、社長を継ぐということは非常に勇気のいる決断です。社長はそれなりに肝に銘じ、感謝の気持ちを持たなければなりません。

そして、事業承継の一番のリスクは、後継者が継ぐことをやめることです。そうならないためにも、綿密な計画を立て、「やめた」などと言われない後継者を選び、着実に引き継ぎ、フォローすることが大切です。

よくある例が、社長をバトンタッチしましたというハガキがきます。3年くらい経つと、社長を、また私が兼務するようになりますという連絡が来たりします。このような、会長が兼務するような例が結構出てきます。

これは、基本的には、多分社長が逃げたんでしょう。それはなぜかというと、だいたいは会長が社長が決めたことをドンドンちゃぶ台返ししたり、社長が言ったことを聞かないで勝手に会長が何かをして、社長がやる気をなくしたという例が多いのではないかと思います。

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言いたいことはいうけれど、決定権は社長にある

私も、今の社長に対して言うことはいっぱい言います。今日も朝30分、二人だけでいろんな話をしました。言うことはいっぱい言います。ただ、「最後はお前が決めろ」と、最後の決定権は彼に任せています。

ですから彼は、決定権は俺にあるということで、私が言ったことをほとんど無視しますが、それでいいんです。言った事は聞いてくれて、それで最後は自分が、社長が決める。これが良いことだと思います。

譲る者は任せたからには信じきる覚悟が必要

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昔、ユニクロの柳井さんが、今のファミリーマートの社長の澤田さんがユニクロの副社長だった時に、「社長やってくれ」と頼んだ。ところが、その時は彼が自信がないと言って辞めたんです。

ところが最近ちょっとある文献に出てました。
「私、柳井さんの下で社長になっても、多分、私が決められないな。柳井さんが全部決めるな。またはひっくり返すなというふうに思ったんで受けなかった」と言ってます。

やっぱり任せたからには信じて任せる。文句は言うけど、最後は社長に決めさせる。そのぐらいのことをしないと、社長は嫌になって辞めていくということがあると思います。


そして、対外的にもみっともないです。社員に対しても、何だよ社長にしたのに社長辞めちゃったじゃないか、と思われてしまうのもみっともないです。ですから、そうならないためにも任せたからには社長を信じて任せる。そういう経営をしていくことが大事です。

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それから、きちんと経営計画を立てて、そこでいろんな議論をして、決定事項は社長に任せる。そういうことをしていかないと会社はうまくいかないです。社長はまだまだがんばれます、だけど会長はもう後がないわけです。ですから社長がこれから何年も経営をやるためにも、信じて任せることは必要ではないかと思います。

兄弟経営は将来にわたる兄弟関係を考える

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兄弟ふたりに共に継がせ、兄弟経営をさせる場合には、役割分担を明確にしておくことが必要です。後継者として兄弟ふたりに経営をさせ、社長と専務のように役職を分けた場合でも、株を社長に集め、経営が不安定にならないようにする。

また役割を決めるときも、社長には管理部門、専務には営業部門を任せると良いでしょう。いずれにしても兄弟経営をする場合には、将来にわたる兄弟関係を考えることが大切です。

よく、「うちは仲いいんだよ」という経営者がいます。それに私はよく言うんです。「あんたがいるからだよ」と。お父さんお母さんがいる場合は、最終ジャッジはお父さんお母さんができます。けれどもいなくなったら誰がジャッジするんでしょう。

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株は社長が3分の2以上持つこと

よくあるのは、事業承継の知識がない税理士が提案で、五分五分でいきましょうというものです。お兄さん5割で弟5割。これどうするんですか、もめたら最悪です。

社長は67%。まあ66.66%。3分の2は持ってないといけない。そういうことをいつも言ってます。そのために、何が何でも株を集めるということです。

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株が必要なんです。この3分の2というのは特別決議ができる。5割というのは、基本的には株主総会で役員を決めるとか決算書の承認はそれでいいんですが、株を買い入れるとか商号変更するとか、移転するとか、合併するとか、いろんなことをやるにはすべて特別決議なんです。だから3分の2必要なのです。

今社長さんが威張っているのはなんで威張っているのでしょうか。俺が一番できるから、一番能力があるから、そうじゃないんです。株を一番持っているからです。だからもし社長さんが株10%しか持ってなくて、その他の役員が、すべて他を持っていたりしたら、いつかクビになりますよ。

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そんなような思いでやったら、長期の経営ってできないです。ですからそういう意味ではやはり子供に、長男に継がせるのであれば、長男に67%の株を渡す。このぐらいの気持ちじゃないとダメです。兄弟で67%持ってたらいいんじゃないんです。

私どもはそういうことを専門にやる部隊があります。これには時間がかかるんです。ある会社は、私ども30年かかりました。30年かかって、株を集めました。そうやって株を集めることも必要だと思います。

兄弟経営を上手くいかせるための仕組みを作る

それから役割を分担する。これも例えば、社長が営業部門やって、専務が管理部門をやる。こうすると社長は金が見えないんです。金が握れないわけです。こうなると非常に不満があったりする。なかなか兄弟で部門を任せても難しいわけです。

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例えば、ホールディングカンパニーをつくってA 社とB社をつくって、それぞれの会社を任せる。これも1つの方法としてあるのかなと思います。

ある会社は全く分社。会社を分けて資本をそれぞれお兄さんと弟に分けて、会社で分社経営をする。そういうことをしている場合もあります。いろんな形で兄弟経営をうまくさせるための仕組みをやっています。

37年間兄弟経営の問題をクリアにしてきた経験と実績

兄弟経営の相談は、私が一番乗っています。私は過去37年間、事業承継でいろんな兄弟経営の問題をクリアにしてきました。兄弟経営をうまくやるためには、争わないような仕組みを作っていくことが必要です。

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特に兄弟が3歳4歳違いっていうのは、もうライバルなんです。兄弟が10歳違うと、お父さんと子供みたいな関係なんだけど、やっぱり兄弟の年齢が3つか4つぐらい違っている場合は、お互いにライバルですから、なかなか一緒に経営を目指すというのは難しいと思います。その中で後で話しますが家訓とかそういうものをきちんとすることで上手くやっている会社もあります。

長坂養蜂所という、はちみつを売ってる会社で、「兄弟経営ブンブン経営」という、兄弟仲良くするための家訓を持ってやっています。そのぐらいの気持ちで本当にやらないと、兄弟関係はうまくいかないです。

ぜひそういうことをみなさんも心がけてください。また兄弟経営については私が一番相談に乗れますので、悩んでいらっしゃったらご連絡ください。いろんなやり方がありますから、ご相談に乗りたいと思います。
ありがとうございました。

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