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あの夏の日
夕日に消えた命
2021年8月4日17時
「ともかちゃん。落ち着いて聞いてね。あきが工事現場で土砂に埋もれて生き埋めになったよ。」
義父からの電話はまるで映画のセリフのように、遠く感じられた。
一瞬にして、私の頭の中に茶色の土が埋まっていく。『ナニガオコッテイルノ?』
義父の話では、「あきは測量の仕事中に土砂に埋もれて意識不明で救急車で運ばれた。心肺停止で病院に運ばれている。すぐに救急隊員に連絡を取って。」
と言う。
昨日は「おやすみ」も目を見ていってない。
朝も「いってらっしゃい」も言ってないとよぎった。
「今日から移植を始めるんだよ。あんなに楽しみにしてくれていたのに。まだ晃裕くんいなくならないで。
どうか。神様私の命をあげるから晃裕くんを助けてください」と思った。