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線を引く


③ ワンピースを着て遊ぶ
  絵を描いたワンピースは
  もう一つのひふみたいで、裸で歩
  いてるようだった。
  実際に裸でいるより自然体でいら
  れたように思う。
  それはこの境界が私を守るものだ
  からだろう。


  このワンピースを着て山に寝転ん
  だ時、
  「今、世界と交わっている」
  と思った。


一つになれないから触れ合っている


  母や姉とするハグのようで、
  愛しい、と思った。
  もし自分の子どもを抱きしめたら 
  こんな感じなんだろう。


④ 絵(境界)を脱ぐこと

  最後にワンピースを脱いだ。

  誰も私を見ていない。
  誰にも見つけられない。
  私から形が無くなっていくのを
  感じた。ただ在るだけ。


  自分から離れたワンピースは蛇の 
  抜け殻によく似ていた。
  やっぱり、あれが私の形なのだ。


⑤ まとめ
  普段絵を描く時も境界を感じてい
  るけれど、今回イメージを実際に身に
  つけてみたら想像以上に心地良かっ
  た。世界各地にある文様を身に纏う文
  化(刺青や刺繍を施した衣服など)
  もこんな感覚なのだろうか。それ
  ならきっと、そこに込められる気  
  持ちは柔らかくて優しいものなん
  だろう。

  自分の形、自分の場所を持つこと 
  がコミュニケーションの
  始まりだ。それすらも持てない
  時、人はただのエネルギー  
  になってしまう。

  芸術はそんな人間の形を炙り
  出す装置で「境界」なのかもしれな
  い。絵が私に形をくれたように。


           終わり

私の感覚を実践するという、今までやったことのない制作に戸惑いや葛藤もありましたがこうして完成することが出来て嬉しいです。これからも制作スタイルや方法に囚われずどんどんチャレンジしていきたいと思います。拙い文章ですが最後まで読んでくださりありがとうございました。

*前半は昨日の投稿で読めます。合わせて読んで頂けたら嬉しいです*

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